インテル® Agilex™ ハード・プロセッサー・システムのテクニカル・リファレンス・マニュアル

ID 683567
日付 1/19/2023
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ドキュメント目次

3.5.3.2. 変換の一致プロセス

ARMv8-Aアーキテクチャーは、異なる変換が行われる仮想アドレス空間の複数のマッピングをサポートします。TLBエントリーには必要なコンテキスト情報がすべて格納されているため、一致が容易になります。また、TLBのフラッシュ、コンテキストまたは仮想マシンの切り替えを防ぎます。

各TLBエントリーには、仮想アドレス、ブロックサイズ、物理アドレス、およびメモリータイプとアクセス許可を含むメモリー・プロパティーのセットが含まれています。各エントリーは、特定のアプリケーション・スペースID (ASID) に関連付けられている、もしくはすべてのアプリケーション・スペースに対してグローバルです。

TLBエントリーには、非セキュアEL0およびEL1からのアクセスに対する仮想メモリーID (VMID) を格納するフィールドも含まれています。TLBエントリーのメモリー空間識別子は、要求が次のいずれの位置で発生したかを記録します。

  • EL3 (EL3がAArch64実行状態の場合)
  • 非セキュアEL2例外レベル
  • セキュアおよび非セキュアEL0またはEL1、およびEL3 (EL3がAArch32実行状態の場合)
TLBエントリーの一致は、次の場合に発生します。
  • 仮想アドレスが要求されているアドレスのものと一致する
  • メモリー空間が要求のメモリー空間の状態と一致する。メモリー空間は次の4つの値のいずれかになります。
    • セキュアEL3 (EL3がAArch64実行状態の場合)
    • 非セキュアEL2
    • セキュアEL0またはEL1、およびEL3 (EL3がAArch32実行状態の場合)
    • 非セキュアEL0またはEL1
  • ASIDが、CONTEXTIDRTTBR0、またはTTBR1レジスターに保持されている現在のアプリケーション・スペースIDに一致する、もしくはエントリーがグローバルとしてマークされている
  • VMIDが、VTTBRレジスターに保持されている現在のVMIDに一致する
注: EL2またはAArch64 EL3から発生している要求の場合、ASIDとVMIDの一致は無視されます。
注: 非セキュアEL0またはEL1から発生していない要求の場合、VMIDの一致は無視されます。