インテル® Agilex™ ハード・プロセッサー・システムのテクニカル・リファレンス・マニュアル

ID 683567
日付 1/19/2023
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ドキュメント目次

19.4.4.1. RXDのサンプル遅延

SPIマスターデバイスでは、rxd信号のデフォルトのサンプル時間を遅らせ、シリアルバスで達成可能な最大周波数を上げることが可能です。

マスターからのsclk_out信号とスレーブからのrxd信号の往復ルーティング遅延は、マスターからの視点において、rxd信号のタイミングが通常のサンプリング時間から外れることを意味します。

RXDのサンプル遅延がない場合は、転送のボーレートを上げて、rxd信号のセットアップ時間を範囲内にする必要があります。これにより、シリアル・インターフェイスの周波数が低下します。

SPIマスターには、rxd信号のデフォルトのサンプル時間を遅延する追加ロジックが含まれています。この追加ロジックは、シリアルバスで達成可能な最大周波数を上げるのに効果的です。†

RXD Sample Delay (rx_sample_dly) レジスターのrsdフィールドに書き込みを行い、rxdのサンプルに適用する追加遅延量を指定します。遅延は、l4_main_clkクロックのサイクル数で、最大64サイクルが許可されます (0は予約済みです)。rsdフィールドが64を超える値でプログラムされている場合、rxdのサンプルには0遅延が適用されます。

サンプル遅延ロジックの分解能は、l4_main_clkの1サイクルです。ソフトウェアでは、マスターが正しいデータを受信するまでスレーブから継続的に読み出しを行い、マスターのRXDサンプル遅延値を増加するループをコーディングすることにより、シリアルバスを「トレーニング」することができます。†

図 85. sclk_out信号における往復ルーティング遅延の影響