インテル® Agilex™ ハード・プロセッサー・システムのテクニカル・リファレンス・マニュアル

ID 683567
日付 1/19/2023
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ドキュメント目次

3.5.12. キャッシュ保護

L1命令キャッシュは、シングルエラー検出 (SED) でのパリティーチェックを提供します。ダブルビット・エラーの検出と訂正は行われません。

L1データキャッシュおよびL2キャッシュは、シングルエラーの訂正とダブルエラーの検出 (SECDED) を提供します。シングルビット・エラーが検出されると、エラーの原因となったアクセスはストールし、訂正が行われます。訂正が終了すると、ストールしたアクセスは続行もしくは再試行されます。

訂正動作は、RAMの種類によって異なります。
表 34.  キャッシュ保護動作
RAM 保護の種類 保護の粒度 訂正動作
L1命令キャッシュタグ パリティー、SED 31ビット キャッシュセットの両方のラインが無効になり、要求されたラインがL2キャッシュまたは外部メモリーから再フェッチされます。
L1命令キャッシュデータ パリティー、SED 20ビット キャッシュセットの両方のラインが無効になり、要求されたラインがL2キャッシュまたは外部メモリーから再フェッチされます。
TLB パリティー、SED 52ビット エントリーは無効になり、それを再フェッチする新しいページウォークが開始されます。
L1データ・キャッシュ・タグ パリティー、SED 32ビット ラインはL1キャッシュからクリーンされて無効になります。SCUの重複タグを使用し、正しいアドレスが取得されます。ラインはL2キャッシュまたは外部メモリーから再フェッチされます。
L1データ・キャッシュ・データ ECC、SECDED 32ビット ラインはL1キャッシュからクリーンされて無効になり、エビクションの一部としてシングルビット・エラーが訂正されます。ラインはL2キャッシュまたは外部メモリーから再フェッチされます。
L1データ・キャッシュ・ダーティー・ビット パリティー、SED (再ロードによってデータは訂正されます) 1ビット ラインはL1キャッシュからクリーンされて無効になり、パリティーチェックを介してダーティービットの破損が検出されます。ダーティービットのみが保護されます。他のビットは動作のヒントであるため、それらが不正であっても機能的な障害は発生しません。エラーはデータを再ロードすることで訂正されます。
SCU L1重複タグ ECC、SECDED 33ビット タグが正しい値で再度書き込まれ、アクセスが再試行されます。エラーが訂正不可能な場合、タグは無効になります。
L2タグ ECC、SECDED 33ビット タグが正しい値で再度書き込まれ、アクセスが再試行されます。エラーが訂正不可能な場合、タグは無効になります。
L2データ ECC、SECDED 64ビット データはインラインで訂正されます。訂正中に、アクセスはさらに1から2サイクルストールすることがあります。訂正後、ラインはプロセッサーからエビクションされる場合があります。