インテル® Agilex™ ハード・プロセッサー・システムのテクニカル・リファレンス・マニュアル

ID 683567
日付 1/19/2023
Public
ドキュメント目次

6.1.2.1.3. スレーブのセキュリティー

システム・インターコネクトは、スレーブの設定を介してセキュリティーを適用します。スレーブの設定は、サービス・ネットワーク内のインターコネクトSecurity Control Register (SCR) によって制御されます。

ファイアウォールは、特定のL3およびL4スレーブを保護します。これらの各スレーブには、独自のセキュリティー・チェックとプログラミング可能なセキュリティー設定があります。リセット後、システム・インターコネクトのスレーブはすべてセキュア状態になります。この機能は、ブートセキュアと呼ばれます。セキュアマスターのみがセキュアスレーブにアクセスすることができます。

次の表に示すように、システム・インターコネクトは、7つのファイアウォールを実装して各スレーブのセキュリティー状態を確認します。リセット時に、ファイアウォールはすべてデフォルトのセキュア状態になります。

表 52.  システム・インターコネクトのファイアウォールメイン・システム・インターコネクトには、次の表のようにコンフィグレーションされているファイアウォールが含まれています。
名称 説明
ペリフェラル・ファイアウォール 次のバスでのスレーブ・ペリフェラル (SP) へのアクセスをフィルタリングします。
  • L4メインバス
  • L4マスター・ペリフェラル・バス
  • L4 AHBバス
  • L4スレーブ・ペリフェラル・バス
システム・ファイアウォール 次のコンポーネントでのシステム・ペリフェラルへのアクセスをフィルタリングします。
  • L4システムバス
  • L4 ECCバス
  • DAP
  • システム・トレース・マクロセル (STM)
  • L4ハード・メモリー・コントローラー (HMC)
  • L4バスレジスター (SCRファイアウォールおよびプローブ)
Lightweight HPS-to-FPGAファイアウォール Lightweight HPS-to-FPGAブリッジを介したアクセスを制御します。
TCUファイアウォール TCUへのアクセスを制御します。システム・インターコネクトは、64ビットのAXIバスを介してTCUにインターフェイスします。
DAPファイアウォール CoreSight APB DAPへのアクセスを制御します。
HPS-to-FPGAファイアウォール HPS-to-FPGAブリッジを介したFPGAへのアクセスをフィルタリングします。
DDR L3ファイアウォール DDRおよびHMCコンフィグレーション・レジスターへのアクセスをフィルタリングします。

上記のファイアウォールに加え、次のスレーブは、システム・インターコネクトの外部に実装されるファイアウォールによって保護されます。

表 53.  システム・インターコネクト外部のファイアウォール
スレーブ名 備考
オンチップRAMモジュール - 256KB CCU内のファイアウォール
注: リセット時に、特権フィルターがコンフィグレーションされ、特定のL4スレーブではセキュア・トランザクションのみの受信が可能になります。ソフトウェアでは、起動時にブリッジをセキュアにコンフィグレーションする、もしくは特権フィルターをリコンフィグレーションして非セキュア・トランザクションを受け入れる必要があります。

セキュリティー状態を変更するには、セキュアスレーブの適切なSCRレジスターにセキュアな書き込みを実行する必要があります。セキュアスレーブのSCRレジスターに対する非セキュアアクセスでは、バスエラーがトリガーされます。

次のスレーブは、ファイアウォールで保護されていません。

表 54.  ファイアウォールのないスレーブ
スレーブ名 備考
GIC GICは、独自のセキュリティー拡張機能を実装しています。
STM STMは、マスターIDを介して独自のマスター・セキュリティーを実装します。
L4汎用タイムスタンプ インターコネクトによってセキュアまたは非セキュアに固定されます。コンフィグレーションは必要ありません。
DMA DMAは、独自のセキュリティー拡張機能を実装しています。