インテル® Agilex™ ハード・プロセッサー・システムのテクニカル・リファレンス・マニュアル

ID 683567
日付 1/19/2023
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ドキュメント目次

17.6.9.1. クロック構造

イーサネット・コントローラーには4つのメイン・クロック・ドメインがあります。
  • l4_mp_clkクロック
  • EMAC RXクロック
  • EMAC TXクロック
  • clk_ptp_ref
図 77. EMACのクロックドメイン
図 78. emac_clkgenモジュール

インターフェイスに応じて、異なるクロックドメインが使用されます。

  • DMAマスター・インターフェイスがEMACパケット転送に使用されている場合、l4_mp_clkがAXIバスとCSRレジスター・インターフェイスのクロックソースとして使用されます。このクロックドメインは完全に同期しています。
  • RX FIFO RAMおよびTX FIFO RAMは、l4_mp_clkで駆動されます。
  • MDIOインターフェイスのクロックドメインは、l4_mp_clkから提供されるCSRクロックから派生します。MDCクロックの周波数は通常、1から2.5MHzですが、このデザインではより高速なMDC周波数がサポートされています。
  • EMACには、RXデータパス、TXデータパス、およびタイムスタンプ・インターフェイスが含まれており、これらはすべて個別のクロックドメインで実行されます。
    • RXデータパスは、EMAC RXクロックドメインにあります。
    • TXデータパスは、EMAC TXクロックドメインにあります。
    • タイムスタンプ・インターフェイスは、clk_ptp_refクロックドメインにあります。

タイムスタンプのクロックドメインには、内部タイムスタンプを有効にしてEMAC0をタイムスタンプ・マスターとし、他の2つのEMACをEMAC0から生成されるタイムスタンプを使用するタイムスタンプ・スレーブにする機能があります。

次の図に、EMACモジュールのクロックドメインの概要を示します。

図 79. EMACのクロックドメイン

次の表に、EMACのクロック入力とクロック出力をまとめます。

表 189.  EMACモジュールのクロック入力と出力
クロック 入力/出力 周波数 ソース 説明
l4_mp_clk 入力 200MHz クロック・マネージャー

DMAバス・インターフェイス、CSRインターフェイス、ECC FIFO RAMのアプリケーション・クロック

clk_ptp_ref 入力 最大100MHz クロック・マネージャーまたはFPGAファブリック この信号は、クロック・マネージャーまたはFPGAファブリックからのPTPリファレンス・クロックをソースとして使用します。ソースは、システム・マネージャー・モジュールのemac_globalレジスターのptp_clk_selビットで選択することができます。このビットがクリアされている場合は、emac_ptp_clkが選択され、このビットが設定されている場合は、f2h_ptp_ref_clkが選択されます。
emac*_clk 入力 クロック・マネージャーでプログラミングされている分周の値に応じて変化します。 クロック・マネージャーからの入力 この信号はクロック・マネージャー・モジュールでコンフィグレーションされ、有効にすることで、clk_tx_in信号およびclk_rx int信号を TXクロックドメインおよびRXクロックドメインへ駆動することができます。
clk_tx_i 入力 MIIモードでのみ、100Mbpsおよび10Mbpsでそれぞれ25MHzまたは2.5MHzのクロックソースとして使用されます。 FPGAファブリックI/Oからの入力 この信号は、MIIモードでのみTXリファレンス・クロックとして使用されます。
注: このクロックでは、2.5MHzと25MHz間のグリッチのない切り替えを行うことが可能である必要があります。
phy_clk_rx_i 入力
  • GMIIモード: 125MHz
  • RGMIIモード: 125、25、または2.5MHz
  • MIIモード: 25または2.5MHz
  • RMIIモード: 50MHz
このクロック入力は、FPGAへ駆動される、または、外部PHYからのHPS I/O入力によって駆動されます。 RMIIを除くすべてのモードにおいて、このクロック信号は、RX PHY入力クロックです。

RMIIモードの場合、この入力は、ボードまたはphy_txclk_oからの50MHzのリファレンス・クロック (REF_CLK) であり、分周することで、データパスクロックのemac*_clk_rx_i信号およびemac*_clk_tx_i信号が生成されます。これらのデータパスクロックは、10Mbpsモードで動作している場合は2.5MHz、100Mbpsモードで動作している場合は25MHzです。

phy_txclk_o 出力 125、50、25、または2.5MHz HPS内部clk_tx_intからHPS I/Oへ、またはFPGAファブリックからのものです。

この信号は、PHYへのTX出力クロックです。

RMIIモードでは、この信号でリファレンス・クロック (100M/10Mbpsで50MHz) を提供することができます。