外部メモリー・インターフェイス・インテル® Stratix® 10 FPGA IPユーザーガイド

ID 683741
日付 9/30/2019
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ドキュメント目次

6.4.1.4. スルーレート

一般的に、アドレス、コマンド、およびメモリークロック信号の最適なタイミングマージンと最高のシグナル・インテグリティーを実現するには、高速スルーレートと外部終端を使用する必要があります。

高速スルーレートを使用すると、ボード・シミュレーションにおいてSSTL I/Oスイッチング領域における反射もしくは非単調な波形などのシグナル・インテグリティーの問題が認識される場合があります。これらは、アドレスおよびコマンド信号またはメモリークロックの一方、もしくはその両方に低速のスルーレート・オプションを使用することを検討させる原因になります。

FPGA I/O tab parameter options > Address/Command > Slew RateMemory Clock > Slew Rateパラメーターを異なる値に設定すると、警告メッセージが表示されます。

Warning: .emif_0: When the address/command signals and the memory clock signals do not use the same slew rate setting, signals using the "Slow" setting are delayed relative to signals using "Fast" setting. For accurate timing analysis, you must perform I/O simulation and manually include the delay as board skew. To avoid the issue, use the same slew rate setting for both address/command signals and memory clock signals whenever possible.
注: この警告メッセージはボードレベルのシミュレーションにのみ適用されます。PCBのデザインまたはBoardタブのパラメーター設定で遅延調整を行う必要はありません。

IBISモデルの相関的な許容誤差とボード・シミュレーション・モデルの精度の制限により、シミュレーション中に高速スルーレートを使用すると、ハードウェアでの動作中には発生しないシグナル・インテグリティーの問題が現れる場合があります。シミュレーション中に高速スルーレートでシグナル・インテグリティーの問題が発生した場合は、オシロスコープを使用してハードウェアのそのポイントの信号を確認し、その問題がハードウェアで存在するか、シミュレーションのみに存在するかを確認します。

シグナル・インテグリティーの問題がハードウェアとシミュレーションに存在する場合、アドレスおよびコマンド信号とクロックに異なるスルーレートを使用することは有効なアプローチです。また、アドレスおよびコマンドのキャリブレーション・ステージは、クロックに対するアドレスおよびコマンドのセットアップとホールド時間のマージンを改善するのに役立ちます。