外部メモリー・インターフェイス・インテル® Stratix® 10 FPGA IPユーザーガイド

ID 683741
日付 9/30/2019
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ドキュメント目次

5.2.2. Abstract PHYのシミュレーション

Abstract PHYはEMIF PHYのシミュレーション・モデルであり、シミュレーション時間を1/3から1/10に短縮できます。 Abstract PHYでは、レーンおよび外部メモリーモデルを、内部メモリーアレイを含む単一のモデルと置き換えます。Abstract PHYでシミュレーションを行う場合、外部メモリーモデルへのI/Oの切り替えは発生しません。

Abstract PHYは、2つのメカニズムによりシミュレーション時間を短縮します。

  • Niosプロセッサーが無効にされ、HDLのフォースに置き換えられます。これは、シミュレーション開始時に適用されます。HDLのフォースは最小限のレジスターセットであり、シミュレーションに向けてメモリー・インターフェイスをコンフィグレーションします。HDLのフォースが適用する書き込みおよび読み出しレイテンシーの値は、ハードウェアで実行されるメモリー・インターフェイスに適用されるキャリブレーション後の値を表していません。ただし、カスタマーロジックが Avalon® で、AFIに準拠している限り、これらの値でRTLシミュレーションを問題なく行うことができます。
  • Abstract PHYではフルスピード・クロックの必要性がなくなるため、Abstract PHYのシミュレーションにフルスピード・クロックのシミュレーション・イベントは必要ありません。

Abstract PHYを使用するには、EMIF IPの生成時にDiagnosticタブのSimulation Options > Abstract PHY for fast simulationを有効にします。Abstract PHYを有効にすると、EMIF IPは以下のようにコンフィグレーションされます。PHY RTLおよび外部メモリーモデルはデータパスから切断され、内部メモリーアレイを含むAbstract PHYに置き換えられます。

図 42. Abstract PHY
注: Abstract PHYを使用している場合、外部メモリーデバイスの信号を観察することはできません。
注: Abstract PHYは、正確なレイテンシーの数値を反映していません。