外部メモリー・インターフェイス・インテル® Stratix® 10 FPGA IPユーザーガイド

ID 683741
日付 9/30/2019
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ドキュメント目次

12.2. バンク管理の効率

次の図は、バンク管理操作がコントローラーの効率に与える影響の例を示しています。

最初の図は読み出し動作であり、ここではバンクの行を変更する必要があります。この図は、CASレイテンシーとプリチャージおよびアクティブ化コマンドが効率に与える影響を示しています。

続く図は、リードアフターライトの動作を示しています。コントローラーは、別の行に対する書き込みと読み出しの後に行アドレスを変更します。

図 94. 読み出し動作—バンクの行の変更


次の一連のイベントは、上の図を説明しています。

  1. local_read_req信号がHighになり、local_ready信号がHighになると、コントローラーは読み出し要求をアドレスとともに受け入れます。
  2. メモリーが最後の書き込みデータを受信した後、読み出しに向けて行が変更されます。その際に、書き込みに開いた行を閉じるためのプリチャージ・コマンドが必要になります。メモリーが最後の書き込みデータを受信した後、コントローラーはtWR時間 (3メモリー・クロック・サイクル) 待機してプリチャージ・コマンドを発行します。
  3. コントローラーはプリチャージ・コマンドを発行した後にtRP時間待機し、アクティブ化コマンドを発行して行を開く必要があります。
  4. コントローラーはアクティブ化コマンドを発行して行をアクティブにした後、tRCD時間待機して読み出しコマンドを発行する必要があります。
  5. メモリーには、読み出しコマンドを受信した後、ピンでデータを提供するまでにいくらかの時間が必要です。この時間はCASレイテンシーと呼ばれ、この例の場合は3メモリー・クロック・サイクルです。
注: tWR、tRP、tRCD、およびCASの値はメモリーのタイミング・パラメーターに依存します。

上記の特定のケースの場合、メモリーに読み出しコマンドを発行するには約17ローカル・クロック・サイクルが必要です。バンクの行が変わるため、コントローラーはまずプリチャージとアクティブ化コマンドを発行する必要があり、読み出し動作に時間がかかります。この例の場合、プリチャージとアクティブ化の動作がすでにtWTR時間を超えるため、tWTRを考慮する必要はありません。

次の図は、コントローラーが書き込みから読み出しに切り替わる際に同じ行とバンクアドレスを使用する場合を示しています。この場合、読み出しコマンドのレイテンシーは短縮されます。

図 95. 書き込みから読み出しへの切り替え—同じ行とバンクアドレス


次の一連のイベントは、上の図を説明しています。

  1. local_read_req信号がHighになり、local_ready信号もすでにHighになっています。コントローラーは読み出し要求をアドレスとともに受け入れます。
  2. 書き込みから読み出しに切り替える場合、コントローラーはtWTR時間待機してから読み出しコマンドをメモリーに発行する必要があります。
  3. SDRAMデバイスは読み出しコマンドを受信します。
  4. SDRAMデバイスは読み出しコマンドを受信した後、ピンでデータを提供するまでにいくらかの時間がかかります。この時間はCASレイテンシーと呼ばれ、この例の場合は3メモリー・クロック・サイクルです。
注: tWTRおよびCASの値は、メモリーのタイミング・パラメーターに依存します。

上の2番目の図に示されている例の場合、読み出しコマンドをメモリーに発行するには約11ローカル・クロック・サイクルが必要です。バンクの行が変わらないため、コントローラーはプリチャージおよびアクティブ化コマンドを発行する必要がありません。これにより読み出し動作が早くなり、上記の最初の図で示されている例と比較して効率が向上します。

同様に、読み出しと書き込みを頻繁に切り替えないことで、コントローラーの効率は大幅に向上します。