外部メモリー・インターフェイス・インテル® Stratix® 10 FPGA IPユーザーガイド

ID 683741
日付 9/30/2019
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ドキュメント目次

12.4.5. アディティブ・レイテンシーとバンク・インターリーブ

アディティブ・レイテンシーをバンク・インターリーブとともに使用することで、コントローラーの帯域幅が拡大します。

次の図は、読み出し動作でのアディティブ・レイテンシーなしのバンク・インターリーブの例を示しています。この例では、CASレイテンシーが5、バースト長が8のバンク・インターリーブの読み出しを使用しています。

図 101. バンク・インターリーブ (アディティブ・レイテンシーなし)

バンク・インターリーブ (アディティブ・レイテンシーなし)

次の一連のイベントは、上の図を説明しています。

  1. コントローラーはアクティブ化コマンドを発行してバンクを開きます。ここではバンクxとそのバンクの行をアクティブ化します。
  2. tRCD時間の後、コントローラーはオートプリチャージの読み出しコマンドを指定されたバンクに発行します。
  3. バンクyは、tRRD時間の後にアクティブ化コマンドを受信します。
  4. コントローラーはバンクxがオートプリチャージの読み出しコマンドを受信するまで待機する必要があるため、バンクzに最適な位置でアクティブ化コマンドを発行できません。そのため、アクティブ化コマンドを1クロックサイクル遅らせます。
  5. アクティブ化コマンドの遅延により、メモリーデバイスからの出力データにギャップが生じます。
注: アディティブ・レイテンシーの1を使用する場合、レイテンシーは読み出しコマンドにのみ影響し、書き込みコマンドのタイミングには影響しません。

次の図は、読み出し動作におけるアディティブ・レイテンシーをともなうバンク・インターリーブの例を示しています。この例では、アディティブ・レイテンシーが3、CASレイテンシーが5、バースト長が8のバンク・インターリーブ読み出しを使用します。このコンフィグレーションでは、コントローラーはアクティブ化コマンドとオートプリチャージの読み出しコマンドを連続して発行します。

図 102. バンク・インターリーブ (アディティブ・レイテンシーあり)

バンク・インターリーブ (アディティブ・レイテンシーあり)

次の一連のイベントは、上の図を説明しています。

  1. コントローラーは、バンクxにアクティブ化コマンドを発行します。
  2. コントローラーは、アクティブ化コマンドの直後にバンクx へのオートプリチャージの読み出しコマンドを発行し、その後、tRCD時間待機します。
  3. コントローラーは、tRCD後にオートプリチャージの読み出しコマンドを立ち上がりエッジT4で実行します。
  4. 5サイクルのCASレイテンシーの後、SDRAMデバイスはデータをデータバスに発行します。
  5. バースト長が8の場合、データ転送には2サイクルが必要です。2クロックでアクティブ化およびオートプリチャージの読み出しコマンドを発行することにより、出力データの連続フローが得られます。

上記の2つの図における効率の結果を比較します。

  • アディティブ・レイテンシーなし、CASレイテンシー5、バースト長8のバンク・インターリーブ読み出し (最初の図)

    データ転送のアクティブサイクル数= 8

    合計サイクル数= 18

    効率= 44%

  • アディティブ・レイテンシー3、CASレイテンシー4、バースト長4のバンク・インターリーブ読み出し (2番目の図)

    データ転送のアクティブサイクル数= 8

    合計サイクル数= 17

    効率=約47%

アディティブ・レイテンシーをともなうインターリーブ読み出しを使用することで、効率が約3%向上します。

注: アディティブ・レイテンシーにより、連続するインターリーブの読み出しまたは書き込みの効率は向上しますが、ランダムな個々の読み出しまたは書き込みの効率は向上しません。