AN 886: Agilex™ 7 デバイスのデザイン・ガイドライン

ID 683634
日付 10/09/2023
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ドキュメント目次

3.6. デバイスの移行

表 17.  デバイスの移行に関するチェックリスト
番号 チェック欄 チェック項目
1   デバイス移行の可否および要件を考慮します。
2   Agilex™ 7 FPGA外部メモリー・インターフェイスの概要および外部メモリー・インターフェイスIPサポートセンターのウェブページで、外部メモリー・インターフェイスのピンペアについて確認します。

Agilex™ 7デバイスは、 Agilex™ 7デバイスシリーズ内で、垂直、水平、および条件付き移行をサポートします。そのため、集積度が異なるデバイスへの移行が可能です (パッケージにおいて専用入力ピン、コンフィグレーション・ピン、および電源ピンが同じ場合)。この機能により、将来的なアップグレードやデザイン変更が、ボードレイアウトを変更することなくできるようになります。ボード上のFPGAは、集積度の異なる Agilex™ 7デバイスに置き換えることができます。

デザインを他のデバイス集積度に移行するオプションが必要かを判断します。デバイスの集積度とパッケージを選択する際は、今後のデバイス移行を考慮することにより、デザインの完成が近づいた際に柔軟に対応できるようにします。移行の可能性がある場合は、 Quartus® Prime開発ソフトウェアで移行オプションを指定します。これは、デザインサイクルの開始時、または Quartus® Prime開発ソフトウェアでデバイス移行の選択が可能になったらすぐに行います。移行デバイスを選択すると、デザインのピン配置に影響する可能性があります。これは、フィッターでデザインと選択デバイスとの互換性を保証するためです。移行デバイスの追加は、デザインサイクルの後半でも可能です。ただしその場合は、ピン割り当ての確認に時間を費やすことになります。また、場合によっては、デザインまたはボードレイアウトを変更し、新しいターゲットデバイスに適合させることが必要になります。このような問題の検討は、デザインが完成に近づいて移行の準備が整う最後の段階で行うよりも、デザインサイクルの早い段階で行うほうが簡単です。

Quartus® PrimeのPin Plannerは、現在選択しているデバイスと比較し、移行デバイスで機能が変化するピンを強調表示します。

表 18.  垂直、水平、および条件付き移行のガイドライン
用語 定義 Quartus® Primeのサポート フル/部分的 リソース、ピン数、機能 ビットストリーム要件 備考
垂直移行 同じパッケージボール数でコアロジック密度が異なるFPGA製品間の移行 あり ケースごとに異なり、フルの場合や部分的な場合がある 移行時には、FPGAコアのリソースやIO/トランシーバー数などの製品の違いに注意する必要がある 移行後に再生成すること ボードを設計する際は、 Quartus® Primeのデザイン・ガイドラインとピンテーブルに従う必要がある
水平移行 同じパッケージボール数で同じコアロジック密度を備え、機能セットが異なるFPGA製品間の移行 あり ケースごとに異なり、フルの場合や部分的な場合がある 移行時には、製品の機能やIO/トランシーバー数などの製品の違いに注意する必要がある 移行後に再生成すること ボードを設計する際は、 Quartus® Primeのデザイン・ガイドラインとピンテーブルに従う必要がある
条件付き移行 上記のカテゴリーに当てはまらない移行で、サポート対象であることが伝えられている場合 なし ほとんどの場合で部分的 移行による製品の違いの他にも、ピン、一次または二次機能が失われる可能性がある 移行後に再生成すること インテルのサポートチームがガイドするボード設計が必要