AN 886: Agilex™ 7 デバイスのデザイン・ガイドライン

ID 683634
日付 10/09/2023
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ドキュメント目次

9.7.3. 対称型および非対称型マルチプロセッシング (SMPおよびAMP) モードの使用

Agilex™ 7 HPSのクアッドコア Arm* Cortex-A53 MPCore* では、対称型マルチプロセッシング (SMP) と非対称型マルチプロセッシング (AMP) の両方の動作モードをサポートします。

SMPモードでは、単一のオペレーティング・システムのインスタンスで4つのすべてのコアを制御します。SMPのコンフィグレーションは、さまざまなオペレーティング・システムのメーカーによって広くサポートされており、マルチプロセッシングの最も一般的で簡単なコンフィグレーション・モードです。

Linuxおよび商用に開発されたオペレーティング・システムには、CPUコアのリソースを最大限に活用し、それを効率的に使用する機能があります。それにより、最適なパフォーマンスと使いやすさが実現します。例えば、SMP対応のオペレーティング・システムには、プロセッサー親和性を設定するオプションがあります。つまり、各タスクまたはスレッドを特定のコアで実行するように割り当てることができます。この機能により、それぞれの Arm* Cortex-A53コアへのワークロード分散をより適切に制御し、AMPの代替としてシステムの応答性を高めることができます。

ガイドライン: 商用のオペレーティング・システムで利用可能な性能および最適化を理解し、SMP対応のオペレーティング・システムまたはRTOSでパフォーマンス要件およびリアルタイム要件が満たされるかを確認します

AMPのコンフィグレーションでは、最大4つの異なるオペレーティング・システムを4つの Cortex*-A53コアで実行することができます。これにより、より多くの有効な組み合わせが可能になります。AMPとSMPを組み合わせ、2つのコアでSMPを実行し、残りの2つのコアでAMPを実行することも可能です。

特別な考慮事項

  • AMPの使用は、プロセスの管理とスケジュール、プロセス間通信の処理、イベント間の同期、オペレーティング・システムの2つのインスタンス間の安全なプロセス管理を行う手法を理解している場合のみに限ります。
  • OSプロバイダーは一般的に、提供しているオペレーティング・システムをAMPモードで使用するためのサポートを提供しません。そのため、AMPモードを使用する場合は通常、特別なサポート契約が必要になります。
  • AMPを使用する場合は、Cortex-A53のバーチャライゼーション機能を使用することが最適です。Cortex-A53に含まれるバーチャライゼーションに向けたネイティブ・ハードウェア・サポートにより、AMPのリソース共有問題のほとんどを解決することができます。