AN 886: Agilex™ 7 デバイスのデザイン・ガイドライン

ID 683634
日付 10/09/2023
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ドキュメント目次

5.2.2.3.1. I/Oの信号タイプ

表 30.  I/Oの信号タイプのチェックリスト
番号 チェック欄 チェック項目
1   I/Oの信号タイプは、システム要件に基づきプランニングします。
2   ソフトウェアにより、差動ピンペアのネガティブピン位置の割り当てを行います。

Agilex™ 7デバイスでは、幅広い業界I/O規格 (シングルエンド、電圧リファレンス形式のシングルエンド、および差動など) をサポートしています。次の一般的なガイドラインに従い、信号タイプを選択します。

シングルエンドI/O信号は、シンプルなレールツーレール・インターフェイスを提供します。その速度は、大きな電圧振幅とノイズによって制限されます。シングルエンドI/Oでは、システム内の反射によって望ましくない影響が発生しない限り、終端は不要です。

電圧リファレンス形式の信号は、電圧レベルが同時に変化するピンからの同時スイッチング出力 (SSO) の影響を低減します (外部メモリー・インターフェイスのデータとアドレスバスなど)。また、電圧リファレンス形式の信号では、電圧スイングを低減してロジックの遷移速度を向上させ、終端要件による反射によって発生するノイズを最小限に抑えます。ただし、リファレンス電圧ソース (VTT) には、追加の終端コンポーネントが必要です。

差動信号では、シングルエンド信号および電圧リファレンス形式の信号のインターフェイス・パフォーマンスの障壁を取り除き、追加の密結合反転データペアを使用して、優れたスピードを実現します。また、差動信号では、クリーンなリファレンス電圧の要件が回避されます。これは、より低いスイング電圧とコモンモード・ノイズ除去能力を備えるノイズ耐性によって可能になります。この実装に関する考慮事項には、サンプリング・クロック生成に向けた専用PLLの要件や、反転ペアと非反転ペアの間の位相差をなくすためのトレース長の一致などがあります。

Agilex™ 7 I/Oピンはペアで構成されており、差動規格をサポートします。FシリーズおよびIシリーズでは、各 I/Oピンペアで単方向の差動入力または出力動作をサポートすることができます。真の差動チャネルの半分は専用のトランスミッター・ピンをサポートし、残りの半分は専用の真のレシーバーピンをサポートします。Mシリーズでは、各I/Oピンペアを差動入力または出力動作としてコンフィグレーションすることができます。

デザインのソースコードでは、ピンの1つのみを指定して差動ペアを表し、そのペアのポジティブ端にピン割り当てを行います。差動I/O規格を指定すると、 Quartus® Prime開発ソフトウェアは、対応するネガティブピンを自動的に配置します。