Fタイル・イーサネット・インテル® FPGAハードIPユーザーガイド

ID 683023
日付 3/28/2022
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ドキュメント目次

5. クロック

このセクションでは、さまざまなFタイル・イーサネット・インテル® FPGAハードIPコア・バリエーションに必要なクロック接続とクロック信号について説明します。
図 17. 汎用IPコアクロック接続の概念図この図は、単一のイーサネットIPコアとそれに関連するクロック信号を示しています。

F-Tile Reference and System PLL Clocks Intel® FPGA IPにより i_clk_ref および i_clk_sys クロックが生成されます。このクロックによりFタイル・イーサネット・インテル® FPGAハードIP (IPコア) を駆動します。

このIPコアでは、100〜250MHzの i_reconfig_clk 周波数範囲をサポートします。IPコア出力クロック (o_clk_pll) では、i_clk_rxi_clk_tx 入力信号の両方を駆動します。

すべてのIPコア・バリエーションで、Synchronous Ethernet (SyncE) 規格をサポートしています。

次の表で示しているのは、必要なクロック周波数を持つ必要な入力クロックと出力クロック、およびクロック関連のステータス信号です。クロック・ステータス・ポートを使用して、回路をリセットに保つか、クロックを駆動するPLLがロックされるまで保持できます。

表 22.  クロック信号ユーザーが提供する必要のある入力クロックと、IPコアによって提供される出力クロックについて説明します。
クロック名 説明
クロック入力
i_clk_tx TXデータパス・クロック

このクロックにより、ポート用のアクティブTXインターフェイスを駆動します。

このクロックソースは次のとおりです。
  • o_clk_pll クロック (ただし、Enable asynchronous adapter clocks パラメータがイネーブルされていない場合に限る)。
  • PTPタイルアダプターの o_clk_pll (ただし、Enable IEEE 1588 PTP パラメーターがイネーブルされている場合に限る)。
i_clk_rx RXデータパス・クロック

このクロックにより、ポート用のアクティブRXインターフェイスを駆動します。

このクロックソースは次のとおりです。
  • o_clk_pll クロック (ただし、Enable asynchronous adapter clocks パラメーターがイネーブルされていない場合に限る)。
  • PTPタイルアダプターの o_clk_pll (ただし、Enable IEEE 1588 PTP パラメーターがイネーブルされている場合に限る)。
i_clk_pll PTP関連データパス・クロック

このクロックにより、ポートの内部データパス・クロックを駆動します (ただし、Enable IEEE 1588 PTPEnable asynchronous adapter clocks パラメーターがイネーブルされている場合に限る)。

このクロックソースは、o_clk_pll PTPタイルアダプターの出力です。デザインで複数のPTPポートを使用する場合は、単一のクロックソースを使用してください。

次の周波数をサポートします。
  • 402.83203125MHz以上。対象は、すべてのイーサネット・モードで、FECなし、IEEE 802.3 BASE-R Firecode (CL74)、またはIEEE 802.3 RS(528,514) (CL91) の場合です。システムPLLは、805.6640625MHz以上の周波数である必要があります。
  • 415.0390625MHz以上。対象は、すべてのイーサネット・モードで、IEEE 802.3 RS(544,514) (CL134)、Ethernet Technology Consortium RS(272, 258) の場合です。システムPLLは、830.078125MHz以上の周波数である必要があります。
  • カスタムシステムPLL周波数でサポートする周波数は、402.83203125MHz以上です。
i_reconfig_clk Avalon® メモリーマップド・インターフェイス・リコンフィグレーション・クロック

このクロックを使用して、インターフェイスからコントロール・ステータス・レジスター (CSR) にアクセスします。このクロックでは、100〜250MHzの周波数をサポートします。

i_clk_ref PMAリファレンス・クロック
F-Tile Reference and System PLL Clock Intel® FPGA IPによりこのクロックを駆動します。
  • 156.25MHzが推奨周波数です。サポートされるのは、FHT PMAを使用している場合、またはオートネゴシエーションおよびリンク・トレーニングがイネーブルされている場合です。
  • 312.5MHz (FGT PMA使用、オートネゴシエーションとリンク・トレーニングなしの場合)
  • 322.265625MHz (FGT PMA使用、オートネゴシエーションとリンク・トレーニングなしの場合)
この周波数の指定は、Fタイル・イーサネット・インテル® FPGAハードIPPMA reference frequency パラメーター、およびF-Tile Reference and System PLL Clock Intel® FPGA IPFGT refclk frequency/FHT refclk frequency IPパラメーターで行ってください。
注: i_clk_ref は、仮想信号です。シミュレーションでは、この信号は0と表示されます。
クロックソースは、Fタイル・イーサネット・インテル® FPGAハードIP PMAの選択によって異なります。
  • FGT PMAを使用する場合、クロックソースは、F-Tile Reference and System PLL Clocks Intel® FPGA IPからの out_refclk_fgt_i 出力信号です。
  • FHT PMAを使用する場合、クロックソースは、F-Tile Reference and System PLL Clocks Intel® FPGA IPからの out_fht_cmmpll_clk_i 出力信号です。

Custom cadenceパラメーターがイネーブルされていない限り、このクロックは、i_clk_sys クロックと一致したPPMである必要があります。

i_clk_sys イーサネット・システム・クロック

F-Tile Reference and System PLL Clock Intel® FPGA IPによりこのクロックを駆動します。

Custom cadenceパラメーターがイネーブルされていない限り、クロック周波数はFEC typeによって異なります。
  • 805.6640625MHz以上。対象は、すべてのイーサネット・モードで、FECなし、IEEE 802.3 BASE-R Firecode (CL74)、またはIEEE 802.3 RS(528,514)(CL91) の場合です。
  • 830.078125MHz以上。対象は、すべてのイーサネット・モードで、IEEE 802.3 RS(544,514) (CL134)、Ethernet Technology Consortium RS(272, 258) の場合です。
  • 322.265625MHz以上も、PTPなしの10GEでサポートされます
この周波数の指定は、Fタイル・イーサネット・インテル® FPGAハードIPSystem PLL frequency IPパラメーター、およびF-Tile Reference and System PLL Clock Intel® FPGA IPMode of system PLL IPパラメーターで行ってください。
注: i_clk_sys は、仮想信号です。シミュレーションでは、この信号は0と表示されます。

F-Tile Reference and System PLL Clocks Intel® FPGA IPからの out_systempll_clk_i に接続します。

クロック出力
o_clk_pll システムPLLクロック

イーサネットIPポートに関連付けられたFタイルシステムPLLから派生したクロックです。o_clk_pll 周波数は、PLL周波数を2で割った値に等しくなります。次に示すのは、o_clk_pll 周波数です (ただし、カスタムシステムPLL周波数がイネーブルされていない場合に限る)。

次の周波数をサポートします。
  • 402.83203125MHz以上。対象は、すべてのイーサネット・モードで、FECなし、IEEE 802.3 BASE-R Firecode (CL74)、またはIEEE 802.3 RS(528,514) (CL91) の場合です。システムPLLは、805.6640625MHz以上の周波数である必要があります。
  • 415.0390625MHz以上。対象は、すべてのイーサネット・モードで、IEEE 802.3 RS(544,514) (CL134)、Ethernet Technology Consortium RS(272, 258) の場合です。システムPLLは、830.078125MHz以上の周波数である必要があります。
  • 161.1328125MHz以上で、PTPがイネーブルされていない場合。システムPLLは、322.265625MHz以上の周波数である必要があります。
  • カスタムシステムPLLを使用する場合は、カスタムシステムPLL周波数を2で割ります。
o_clk_tx_div
次の周波数をサポートします。
  • 156.25MHz (10GEの場合)
  • 312.5MHz (40GEの場合)
  • 390.625MHz (他のすべてのイーサネット・モード)

TX SERDESレートからのリカバリークロックを、33/66/68のいずれかで割ります。FEC modeおよびEthernet modeパラメーターにより異なります。o_clk_tx_div は次に等しくなります。

  • TX SERDESレートを33で割った値 (40GEの場合)。
  • TX SERDESレートを66で割った値 (ただし、FEC modeパラメーターが、次のいずれかに設定されている場合に限る)。
    • None (40GEを除く)
    • IEEE 802.3 BASE-R Firecode(CL74)
    • IEEE 802.3 RS(528,514)(CL91)
  • TX SERDESレートを68で割った値 (ただし、FEC modeパラメーターが、次のいずれかに設定されている場合に限る)。
    • IEEE 802.3 RS(544,514) (CL134)
    • Ethernet Technology Consortium RS(272, 258)
o_clk_rec_div64
次の周波数をサポートします。
  • 161.1328125MHz ± 200PPM (10GE/40GEの場合)
  • 402.83203125MHz ± 200 PPM。対象は、イーサネット・モード、FECなし (10GEおよび40GEを除く)、IEEE 802.3 BASE-R Firecode (CL74)、IEEE 802.3 RS(528,514) (CL91) の場合です。
  • 415.0390625MHz ± 200 PPM 対象は、イーサネット・モード、IEEE 802.3 RS(544,514) (CL134)、Ethernet Technology Consortium RS(272, 258) の場合です。

RXリカバリークロックから派生したクロックを64で割った値。

o_clk_rec_div
次の周波数をサポートします。
  • 156.25MHz ± 200PPM (10GEの場合)
  • 312.50MHz ± 200PPM (40GEの場合)
  • 390.625MHz ± 200PPM (他のすべてのイーサネット・モード)

RXリカバリークロックからのクロックを、33/66/68のいずれかで割ります。FEC modeパラメーターにより異なります。o_clk_rec_div は次に等しくなります。

  • RX SERDESレートを33で割った値 (40GEの場合)
  • RX SERDESレートを66で割った値 (ただし、FEC modeパラメーターが、次のいずれかに設定されている場合に限る)。
    • None (40GEを除く)
    • IEEE 802.3 BASE-R Firecode(CL74)
    • IEEE 802.3 RS(528,514)(CL91)
  • RX SERDESレートを68で割った値 (ただし、FEC modeパラメーターが、次のいずれかに設定されている場合に限る)。
    • IEEE 802.3 RS(544,514) (CL134)
    • Ethernet Technology Consortium RS(272, 258)
クロックステータス
o_tx_pll_locked このクロックにより、TX SERDES PLLがロックされていることを示します。
注: o_clk_tx_div 出力クロックは、o_tx_pll_locked 信号がHighになるまでは使用しないでください。
o_cdr_lock このクロックにより、リカバリークロックがデータにロックされていることを示します。
注: o_clk_rec_div64 出力クロックは、 o_cdr_lock 信号がHighになるまでは使用しないでください。

デザインの重要な考慮事項
  • ほとんどのイーサネットIPコンフィグレーションでは、出力クロック o_clk_pll、または同等のクロックを使用して、i_clk_tx および i_clk_rx 信号を駆動します。非同期アダプターのオプションでは、低速のクロックを使用してこれらの信号を駆動できます。
  • PTP channel onlyのシステムクロックを2で割った値です (周波数は402.83MHz以上)。 PTPがイネーブルされている場合、すべてのポートでは、PTPがイネーブルされている場合、同じシステムクロックを共有します。
  • リモート・リンク・パートナーからのリカバリー周波数は、± 200ppmの範囲で表示されます。このとき、ローカル・オシレーターは ± 100ppmであり、リモート・オシレーターは(無関係) ± 100ppmであると仮定しています。SyncEアプリケーションの場合、ローカル・オシレーターは、リカバリークロックと ± 4.6ppm以内で一致する必要があります。

F-Tile Reference and System PLL Clock Intel® FPGA IPのモードをコンフィグレーションしてください。次の表で示すリファレンス・クロックおよび出力周波数は、選択したシステムPLLモードに基づいています。

表 23.  システムPLLのモード: システムPLLリファレンス・クロックおよび出力周波数
システムPLLのモード リファレンス・クロック (MHz) 出力周波数 (MHz)
ETHERNET_FREQ_805_156 156.25 805.6640625
ETHERNET_FREQ_805_312 312.5 805.6640625
ETHERNET_FREQ_805_322 322.265625 805.6640625
ETHERNET_FREQ_830_156 156.25 830.078125
ETHERNET_FREQ_830_312 312.5 830.078125