AN 763: インテル® Arria® 10 SoCデバイスのデザイン・ガイドライン

ID 683192
日付 8/14/2020
Public
ドキュメント目次

5.1.3.4. 対称型および非対称型マルチプロセッシング・モード (SMPおよびAMP)

インテル® Arria® 10 HPSのデュアルコア Arm* Cortex-A9 MPCore* は、対称型マルチプロセッシング (SMP) と非対称型マルチプロセッシング (AMP) のコンフィグレーション・モードをサポートすることができます。

ガイドライン: 市販のオペレーティング・システムで利用可能なパフォーマンスおよび最適化を理解し、SMP対応のOSまたはRTOSが、パフォーマンス要件およびリアルタイム要件を満たしているかを確認します。

SMPモードでは、単一のOSインスタンスが両方のコアを制御します。SMPのコンフィグレーションは、さまざまなOSメーカーによって広くサポートされており、マルチプロセッシングの最も一般的で簡単なコンフィグレーション・モードです。

Linux*および商業用に開発されたオペレーティング・システムは、CPUコアのリソースを最大限に活用する機能を提供しており、それらを効率的に使用することで、最適なパフォーマンスと使いやすさを実現します。例えば、SMP対応のオペレーティング・システムは、プロセッサー親和性を設定するオプションを提供します。つまり、各タスクまたはスレッドを特定のコアで実行するように割り当てることができます。この機能により、ソフトウェア開発者は、それぞれの Arm* Cortex-A9コアへのワークロード分散をより適切に制御し、AMPの代替としてシステムの応答性を高めることができます。

AMP (非対称型マルチプロセッシング) のコンフィグレーションでは、2つの異なるオペレーティング・システム、もしくは単一のオペレーティング・システムの2つのインスタンスが2つのコアで動作します。オペレーティング・システムの2つのインスタンスには、CPUリソースの共有方法に関する固有の情報がないため、MPUシステム・コンプレックスで利用可能なリソースをアプリケーションで効率的に使用するためには、いくつかの複雑な内容を考慮する必要があります。
注: プロセスの管理とスケジュール、プロセス間通信の処理、イベント間の同期、オペレーティング・システムの2つのインスタンス間の安全なプロセス管理を行う手法を理解している場合にのみ、AMPを使用します。
注: OSプロバイダーは一般的に、提供しているOSをAMPモードで使用するためのサポートを提供しません。そのため、それらをAMPモードで使用する場合は通常、特別なサポート契約が必要になります。