AN 763: インテル® Arria® 10 SoCデバイスのデザイン・ガイドライン

ID 683192
日付 8/14/2020
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ドキュメント目次

3.4.1. HPSをSDRAMに接続するための考慮事項

インテル® Arria® 10 HPSのハード・メモリー・コントローラーは、ほかのハード・メモリー・コントローラーとともにFPGA I/Oカラムにあります。HPSは、1つのハード・メモリー・コントローラー・バンクのみを使用することができます。これは、アドレスまたはコマンド、およびECC信号が属するI/Oバンク2KのHPSブロックの最も近くに配置されています。I/Oバンク2Jは、16ビットおよび32ビット・インターフェイスのDQ/DQSデータグループ信号に使用します。I/Oバンク2IはKF40パッケージでのみ利用することができ、より広い64ビット・インターフェイスのDQ/DQSデータグループ信号に使用されます。バンク2Iは、64ビット・インターフェイスの上位32ビットに使用します。

インテル® Arria® 10 HPS EMIF IPのインスタンス化

外部SDRAMを インテル® Arria® 10 HPSに接続するには、HPSに固有のEMIF IPを使用する必要があります。以下のガイドラインに従い、正しいEMIF IPをHPSに適切にインスタンス化およびコンフィグレーションします。

ガイドライン: プラットフォーム・デザイナーで、「Intel Arria 10 External Memory Interfaces for HPS」 IPをインスタンス化します。

プラットフォーム・デザイナーで特定のEMIF IPを使用し、HPSを外部SDRAMに接続する必要があります。このプラットフォーム・デザイナーのコンポーネントは、「Intel Arria 10 External Memory Interfaces for HPS」と呼ばれ、プラットフォーム・デザイナーの「IP Catalog」ペイン、「Processors and Peripherals」グループ内の「Hard Processor Components」サブグループにあります。

コンパイル時に、 インテル® Quartus® PrimeはこのIPの設定 (メモリータイプ、幅、タイミングなど) を使用し、I/O AUXブロックのキャリブレーション・アルゴリズムを生成します。このコードはデバイスのコンフィグレーション中に実行され、HPS EMIFインターフェイスをセットアップおよびキャリブレーションします。

ガイドライン: hps_emifコンジットをHPSコンポーネントに接続します。

HPSに接続されるハード・メモリー・コントローラーには専用の接続があります。これは、プラットフォーム・デザイナーで接続する必要があります。HPS IPコンポーネント向け インテル® Arria® 10 EMIFは、この接続をhps_emifと呼ばれるコンジットを介して公開します。これは、HPSコンポーネントの「emif」コンジットに接続する必要があります。

図 7.  hps_emifに接続されるHPSコンポーネント

ガイドライン: HPSが外部SDRAMまたはL3 SDRAMインターコネクトのリソースにアクセスしている際に、HPS EMIF IPブロックがリセットされないようにします。

アプリケーションがHPS EMIF IPのリセットアサートと連携してコンテキストを保存および回復できない限り、HPS EMIF IPブロックへのリセットのアサートは、HPSのリセットアサートに一致する必要があります。これは、HPS EMIFリセット入力を、リセットソースからのリセットの1つまたはリセットの組み合わせに接続することで実現することができます。リセットソースには、HPSリセット出力 (h2f_reset h2f_cold_resetなど)、HPSのコールドリセットまたはウォームリセット入力も提供するシステム内のほかのリセット (HPS_nPORHPS_nRST、FPGA-to-HPSコールドリセットまたはウォームリセット要求) があります。

上記で説明されている方法ではなく、HPSをリセットせずにHPS EMIF IPをリセットする場合、アプリケーションでは、HPS EMIF IPのリセットがアサートされる前に、リセット・マネージャーのbrgmodrstレジスターのビット6 (drsch) を使用して、L3 SDRAMインターコネクトがリセットに入るようにする必要があります。また、HPS EMIF IOPLLがロックされるまでそれを維持する必要があります。これに従わない場合は、外部SDRAM、またはL3 SDRAMインターコネクト内のリソースへのその後のアクセスにおいて、プロセッサーがロックアップする可能性があります。

ガイドライン: HPSメモリー・コントローラーのデータマスク (DM) ピンが有効になっていることを確認します。

プラットフォーム・デザイナーでメモリー・コントローラーをインスタンス化する際は、チェックボックスを選択し、データ・マスク・ピンを有効にする必要があります。この制御が有効になっていない場合は、マスターがメモリーのネイティブ・ワード・サイズよりも小さいSDRAMのデータにアクセスするたびに、データの破損が発生します。

ガイドライン: HPS IP向けArria 10 EMIFおよび、ご利用の特定のデバイスとパッケージの組み合わせでサポートされているコンフィグレーションのDDR3またはDDR4コンポーネント、もしくはモジュールのみを選択します。

インテル® の外部メモリー・インターフェイス・スペック・エスティメーターは、 インテル® FPGAおよびSoCデバイスでサポートされている外部メモリー・インターフェイスの種類、コンフィグレーションおよび最大のパフォーマンス特性を比較できるパラメトリック・ツールです。
注: デバイスとパッケージの組み合わせのすべてで64または72ビット幅のインターフェイスがサポートされているわけではありません。

外部メモリー・インターフェイス・スペック・エスティメーターの詳細に関しては、インテルFPGAのウェブサイトで提供されている外部メモリー・インターフェイスのページを参照してください。

詳細は、 インテル® Arria® 10コア・ファブリックおよび汎用I/Oハンドブック内の「Arria 10デバイスにおける外部メモリー・インターフェイス」の章を参照してください。