インテル® Quartus® Primeプロ・エディションのユーザーガイド: タイミング・アナライザー

ID 683243
日付 1/31/2023
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ドキュメント目次

1.2.8. データとしてのクロックの解析

ほとんどの FPGA デザインには、2 つのノード間を結ぶシンプルな接続が含まれます。これはデータパスあるいはクロックパスと呼ばれます。

データパスは、同期要素の出力と別の同期要素の入力を結ぶ接続です。

クロックは、同期要素のクロックピンへの接続です。ただし、より複雑な FPGA デザイン (ソースシンクロナス・インターフェイスを使用しているなど) の場合は、この単純な図は十分ではありません。タイミング・アナライザーは、クロック分周器や DDR ソースシンクロナス出力などの要素をもつ回路において、データとしてのクロックの解析を実行します。

入力クロックポートと出力クロックポート間の接続は、クロックパスまたはデータパスとして扱うことができます。単純なソース・シンクロナス出力で示すデザインでは、ポート clk_in からポート clk_out へのパスはクロックパスとデータパスの両方になります。クロックパスは、ポート clk_in からレジスター reg_data のクロックピンになります。データパスは、ポート clk_in からポート clk_out になります。

図 32. 単純なソース・シンクロナス出力

データとしてのクロックの解析を使用すると、タイミング・アナライザーでは、ユーザーによる制約に基づきより正確なパスの解析が提供されます。クロックパス解析では、タイミング・アナライザーはフェーズ・ロック・ループ (PLL) に関連するすべての位相シフトを含めます。データパス解析では、タイミング・アナライザーは PLL に関連する位相シフトを無視するのではなく、それらの位相シフトを含めます。

また、データとしてのクロックの解析は、内部生成されるクロック分周器にも適用されます。次の図は、インバーター・フィードバック・パスの波形で、タイミング解析時に解析されるものです。分周器レジスターの出力により起動時間が決まり、レジスターのクロックポートによりラッチ時間が決まります。

図 33. クロック分周器