インテル® Quartus® Primeプロ・エディションのユーザーガイド: タイミング・アナライザー

ID 683243
日付 1/31/2023
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2.6.8.5.7. 送信先クロック周波数の倍数になる送信元クロック周波数

この例では、送信元クロック周波数の値が 5ns であり、10ns の送信先クロック周波数の整数倍です。PLL で両方のクロックを生成し、異なる乗算係数と分周係数を使用する場合は、送信元クロックの周波数を送信先クロックの周波数の整数倍にすることができます。

次の例では、送信元クロックの周波数は送信先クロックの周波数の倍数です。

図 149. 送信先クロック周波数の倍数になる送信元クロック周波数

次のタイミング図は、タイミング・アナライザーが実行するデフォルトのセットアップ・チェック解析を示しています。

図 150. デフォルトのセットアップ・チェック解析
図 151. セットアップ・チェックの計算

セットアップ関係は、エッジ 1 で起動しているデータにはキャプチャーが必要なく、エッジ 2 で起動しているデータにキャプチャーが必要なことを示しています。したがって、セットアップ要件を緩和することができます。デフォルトの解析を修正するには、起動エッジを 1 クロック周期シフトし、スタート・マルチサイクル・セットアップ例外を 2 にします。次のマルチサイクル例外により、この例のデフォルトの解析を調整します。

マルチサイクル制約

set_multicycle_path -from [get_clocks clk_src] -to [get_clocks clk_dst] \
     -setup -start 2

次のタイミング図は、この例に推奨されるセットアップ関係を示しています。

図 152. 推奨されるセットアップ・チェック解析

次のタイミング図は、タイミング・アナライザーが実行するデフォルトのホールドチェック解析を示しています。スタート・マルチサイクル・セットアップの値は 2 です。

図 153. デフォルトのホールドチェック
図 154. ホールドチェックの計算

この例において、ホールドチェック 2 は過剰に制約されています。次のデータの起動は 10ns のエッジになり、現在の 10ns のラッチエッジでキャプチャーされるデータに対して確認する必要がありますが、これはホールドチェック 2 では発生しません。デフォルトの解析を修正するには、スタート・マルチサイクル・ホールド例外を 1 で使用します。