インテル® Quartus® Primeプロ・エディションのユーザーガイド: タイミング・アナライザー

ID 683243
日付 1/31/2023
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2.6.8.5.8. 送信先クロック周波数の倍数になる送信元クロック周波数 (オフセットあり)

この例では、送信元クロックの周波数は送信先クロックの周波数の整数倍であり、送信先クロックには正の位相オフセットがあります。送信元クロックの周波数は 5ns、送信先クロックの周波数は 10ns です。また、送信先クロックには、送信元クロックに対して 2ns の正のオフセットがあります。PLL が異なる乗算で両方のクロックを生成する場合は、送信元クロックの周波数を送信先クロックの周波数の整数倍にし、オフセットを使用することができます。
図 155. 送信先クロック周波数の倍数である送信元クロック周波数 (オフセットあり)

次のタイミング図は、タイミング・アナライザーが実行するデフォルトのセットアップ・チェック解析を示しています。

図 156. セットアップのタイミング図
図 157. セットアップ・チェックの計算

この例におけるセットアップ関係は、データがエッジ 1 で起動しておらず、エッジ 3 で起動するデータをキャプチャーする必要があることを示しています。したがって、セットアップ要件を緩和することができます。デフォルトの解析を修正するには、起動エッジを 2 クロック周期シフトし、スタート・マルチサイクル・セットアップ例外を 3 にします。

次のマルチサイクル例外により、この例のデフォルトの解析を調整します。

マルチサイクル制約

set_multicycle_path -from [get_clocks clk_src] -to [get_clocks clk_dst] \
     -setup -start 3

次のタイミング図は、この例に推奨されるセットアップ関係を示しています。

図 158. 推奨されるセットアップ・チェック解析

タイミング・アナライザーは、次の計算を実行してホールドチェックを判断します。

図 159. ホールドチェックの計算

次のタイミング図は、タイミング・アナライザーが実行するデフォルトのホールドチェック解析を示しています。スタート・マルチサイクル・セットアップの値は 3 です。

図 160. デフォルトのホールドチェック解析

この例において、ホールドチェック 2 は過剰に制約されています。次のデータの起動は 10ns のエッジになり、現在の 12ns のラッチエッジでキャプチャーされるデータに対して確認する必要がありますが、これはホールドチェック 2 では発生しません。デフォルトの解析を修正するには、マルチサイクル・ホールド例外を 1 で指定する必要があります。