インテル® Quartus® Primeプロ・エディションのユーザーガイド: タイミング・アナライザー

ID 683243
日付 1/31/2023
Public

このドキュメントの新しいバージョンが利用できます。お客様は次のことを行ってください。 こちらをクリック 最新バージョンに移行する。

ドキュメント目次

2.5.1.17. パイプライン情報レポート

タイミング・アナライザーの Reports > Design Metrics > Report Pipelining Information... コマンドを使用すると、デザインで過剰なパイプラインが発生している可能性のある領域の特定に役立つレポートを生成することができます。過剰なパイプラインは、領域を不必要に消費します。同等のスクリプトコマンドは report_pipelining_info です。

Report Pipelining Information... では、推奨されるパイプライン・ステージの調整を行う際に機能の解析を行いません。パイプライン・ステージを削除することで機能が変わる可能性があることに注意する必要があります。場合によっては、機能上の理由からレジスター・パイプラインのすべてのステージが必要なこともあります。このレポートは、必要以上のレジスターで距離をカバーしている位置を特定するのに役立ちます。

図 73. Report Pipelining Information レポート
図 74. 詳細なパイプライン・レポート

詳細レポートは、すべてのレジスターをツリー構造で示します。パイプラインの過不足に関する推奨事項は、メインレポートに記載されます。次の図では、バスチェーン内のすべてのレジスターをツリー構造で示しています。

図 75. 詳細なパイプライン・レポートの結果

潜在的な過剰パイプラインを特定する際に、Report Pipelining Information では次の内容が報告されます。

  • バス全体で推奨されるパイプライン・ステージの調整
  • バス全体の 1 ビットの最小合計スラック
  • バス全体の 1 ビットの最小平均スラック
  • レジスター間の距離
  • デザインのバスの幅
  • シーケンシャル・レジスター数
  • バス上のレジスター数

Recommended Pipeline Stage Adjustment Across Bus は、各ビットのバスから削除できるレジスターの数を報告します。Average Distance Per Stage、Max Distance Per Stage、および Min Distance Per Stage 列は、ロジック・アレイ・ブロック (LAB) で測定されたマンハッタン距離を報告します。Bus Average Depth、Bus Max Depth、および Bus Min Depth 列は、シーケンシャルなシングル・ファンアウト・レジスターの数を報告します。複数のクロックソースをもつレジスターの場合、レポートには最速のものが記載されます。

Recommended Pipeline Stage Adjustment Across Bus 列の 1+ 記号は、バスにレジスターを追加してタイミング要件を満たす必要がある可能性を意味します。Fast Forward Timing Closure Recommendations レポートを参照してください。

レポートで複数のシーケンシャル・レジスターをもつ大規模なレジスターチェーンが特定され、レジスター間の距離が短い場合、その状態は過剰なパイプラインである可能性を示しています。一部のレジスターを削除することで、デバイス領域の一部を回復し、輻輳を軽減できる可能性があります。

このレポートでは、次のオプションを利用することができます。

図 76. Report Pipelining Information ダイアログボックス
表 19.  Report Pipelining Information の設定
オプション 利用可能な設定
Pipeline レジスター・パイプラインの報告にしきい値を指定します。レポートに含める Minimum average bus depthMinimum bus width、および Maximum number of rows を定義することができます。
Report panel name レポートパネルの名前を指定します。オプションで File name を有効にして、情報をファイルに書き込むことができます。.htm または .html をサフィックスとして追加すると、タイミング・アナライザーはレポートを HTML として生成します。File name を有効にすると、最新のデータでファイルを上書き (Overwrite) または追加 (Append) することができます。
Tcl command 選択した GUI オプションに対応する Tcl 構文を表示します。コマンドは、Console から Tcl ファイルにコピーすることができます。