インテル® Quartus® Primeプロ・エディションのユーザーガイド: タイミング・アナライザー

ID 683243
日付 1/31/2023
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ドキュメント目次

2.6.8.4.3. 位相シフトの考慮 (-phase)

次の例では、デザインに PLL が含まれており、クロックで位相シフトを実行し、そのクロックのドメインと位相シフトが発生しないドメインでデータをやり取りしています。 これは、送信先クロックが前方向に位相シフトし、送信元クロックがシフトしない場合に発生します。デフォルトのセットアップ関係はその位相シフトになり、データが有効になるウィンドウがシフトします。

例えば、次のコードでは、PLL の 1 つの出力を少量 (この場合は 0.2ns) 前方に位相シフトします。

クロスドメインの位相シフト

create_generated_clock -source pll|inclk[0] -name pll|clk[0] pll|clk[0] create_generated_clock -source pll|inclk[0] -name pll|clk[1] -phase 30 pll|clk[1]

この位相シフトのデフォルトのセットアップ関係は、図 A に示すように 0.2ns で、ホールド関係が負になるシナリオが発生します。そのため、タイミング・クロージャーの達成はほぼ不可能です。

図 112. 位相がシフトされたセットアップとホールド

次の制約により、データ転送が次のエッジになります。

set_multicycle_path -setup -from [get_clocks clk_a] -to [get_clocks clk_b] 2

ホールド関係はセットアップ関係から派生するため、マルチサイクルのホールド制約は不要です。