インテル® Quartus® Primeプロ・エディションのユーザーガイド: タイミング・アナライザー

ID 683243
日付 1/31/2023
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ドキュメント目次

2.6.8.5.5. 送信元クロック周波数の倍数になる送信先クロック周波数

この例では、送信先クロック周波数の値が 5ns であり、10ns の送信元クロック周波数の整数倍です。PLL で両方のクロックを生成し、送信先クロックに位相シフトがある場合は、送信先クロックの周波数を送信元クロックの周波数の整数倍にすることができます。

次の例は、送信先クロックの周波数が送信元クロックの周波数の倍数であるデザインを表しています。

図 137. 送信元クロックの倍数になる送信先クロック

次のタイミング図は、タイミング・アナライザーが実行するデフォルトのセットアップ・チェック解析を示しています。

図 138. セットアップのタイミング図
図 139. セットアップ・チェックの計算

セットアップ関係は、エッジ 2 でデータをキャプチャーする必要があることを示しています。したがって、セットアップ要件を緩和することができます。デフォルトの解析を修正するには、ラッチエッジを 1 クロック周期シフトし、エンド・マルチサイクル・セットアップ例外を 2 にします。次のマルチサイクル例外割り当てにより、この例のデフォルト解析を調整します。

マルチサイクル制約

set_multicycle_path -from [get_clocks clk_src] -to [get_clocks clk_dst] \
     -setup -end 2

次のタイミング図は、この例に推奨されるセットアップ関係を示しています。

図 140. 推奨されるセットアップ解析

次のタイミング図は、タイミング・アナライザーが実行するデフォルトのホールドチェック解析を示しています。エンド・マルチサイクル・セットアップの値は 2 です。

図 141. デフォルトのホールドチェック
図 142. ホールドチェックの計算

この例において、ホールドチェック 1 は過剰に制約されています。データは 0ns のエッジで起動しており、0ns の前のラッチエッジでキャプチャーされたデータに対して確認する必要がありますが、これはホールドチェック 1 では発生しません。デフォルトの解析を修正するには、エンド・マルチサイクル・ホールド例外を 1 で使用する必要があります。