インテル® Quartus® Primeプロ・エディションのユーザーガイド: タイミング・アナライザー

ID 683243
日付 1/31/2023
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ドキュメント目次

2.7.2.4. get_pins コマンドの使用

get_pins コマンドがサポートするオプションでは、ワイルドカード文字 (*) の一致動作を制御します。 使用するオプションの組み合わせに応じて、ワイルドカード文字 (*) は階層の個々のレベルを考慮または無視するようになります。パイプ文字 (|) は、階層のレベルを示します。デフォルトでは、ワイルドカード文字 (*) は単一の階層レベルにのみ一致します。

以下の例により、次のノード名とピン名をフィルタリングして、機能を説明します。

  • lvl (lvl という名前の階層レベル)
  • lvl|dataa (インスタンス lvl の入力ピン)
  • lvl|datab (インスタンス lvl の入力ピン)
  • lvl|cnod (インスタンス lvlcnod という名前の組み合わせノード)
  • lvl|cnod|datac (cnod という名前の組み合わせノードへの入力ピン)
  • lvl|cnod|datad (組み合わせノード cnod への入力ピン)
表 34.  検索文字列と検索結果の例
検索文字列 検索結果
get_pins *|dataa lvl|dataa
get_pins *|datac <empty> 6
get_pins *|*|datac lvl|cnod|datac
get_pins lvl*|* lvl|dataa, lvl|datab
get_pins -hierarchical *|*|datac <empty>6
get_pins -hierarchical lvl|* lvl|dataa, lvl|datab
get_pins -hierarchical *|datac lvl|cnod|datac
get_pins -hierarchical lvl|*|datac <empty>6
get_pins -compatibility_mode *|datac lvl|cnod|datac 7
get_pins -compatibility_mode *|*|datac lvl|cnod|datac

デフォルトの方法では、パイプ文字 (|) を使用してインスタンスの階層レベルとノードおよびピンを区切ります。階層のレベルが一致し、ワイルドカードを含む文字列の値がインスタンス名またはピン名と一致すると、一致が発生します。例えば、コマンド get_pins <instance_name>|*|datac では、指定されているインスタンスのレジスターのすべての datac ピンが返されます。ただし、コマンド get_pins *|datac では、階層レベルが一致しないため、空のコレクションが返されます。

-hierarchical 一致スキームを使用すると、デザインのすべての階層のセルまたはピンのコレクションが返されます。

例えば、コマンド get_pins -hierarchical *|datac は、デザインのすべてのレジスターのすべての datac ピンを返します。ただし、コマンド get_pins -hierarchical *|*|datac では、空のコレクションが返されます。複数のパイプ文字 (|) はサポートされません。

-compatibility_mode オプションは、任意の数の階層レベルでワイルドカード文字列に一致するコレクションを返します。例えば、-compatibility_mode を使用する場合に、アスタリスクをパイプ文字と一致させることができます。

6 検索結果は <empty> です。ワイルドカード文字 (*) は、デフォルトで、パイプ文字 (|) が示す複数の階層レベルに一致していません。このコマンドは、デザインのトップレベルのインスタンスにある datac という名前のピンに一致するものです。
7 -compatibility_mode を使用する際に、ワイルドカードでパイプ文字 (|) を使用すると、タイミング・アナライザーはそれを特殊文字として扱いません。