インテル® Quartus® Primeプロ・エディションのユーザーガイド: タイミング・アナライザー

ID 683243
日付 1/31/2023
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ドキュメント目次

2.2. ステップ 1: タイミング・アナライザーの設定を指定

タイミング解析を実行する前に、 インテル® Quartus® Prime プロジェクトを開き、フィッターを実行してタイミング・ネットリストを生成する必要があります。タイミング解析の一般的な設定、およびタイミング解析結果に影響を与えるその他のプロジェクト全体のコンパイラー設定を検討し、指定することができます。
タイミング・アナライザーの一般的な設定を指定するには、次の手順に従います。
  1. File > New Project Wizard をクリックして新しいプロジェクトを作成する、もしくは File > Open Project をクリックして既存のプロジェクトを開きます。
  2. Assignments > Settings > Timing Analyzer をクリックして Timing Analyzer の設定を開きます。
    図 37. タイミング・アナライザー・ページ (設定ダイアログボックス)


  3. Timing Analyzer ページで、1 つもしくは複数の .sdc ファイルをタイミング解析に指定し、次の任意のオプションを指定します。
    表 3.  タイミング・アナライザーの一般設定
    設定 詳細
    SDC files to include in the project プロジェクトの Synopsis Design Constraint (.sdc) ファイルの名前と処理順序を指定します。
    Interactive Timing Analysis タイミング解析の自動実行、制約の自動読み取り、およびレポートの自動生成オプションを指定します。オンまたはオフにします。
    • Automatically launch Timing Analyzer GUI after a full compilation では、フルコンパイル後にタイミング・アナライザー GUI を自動的に起動します (デフォルトはオン)
    • Automatically read constraints and update the timing netlist when project is opened では、タイミング・アナライザーでプロジェクトを開いた際に自動的に制約を読み取り、タイミング・ネットリストを更新します (デフォルトはオン)
    • Automatically run setup summary report when project is opened では、タイミング・アナライザーでプロジェクトを開いた際に自動的にセットアップの概要レポートを実行します (デフォルトはオン)
    Default Reporting オプションの Report worst-case paths during compilation を指定すると、コンパイル時にワーストケースのパスが自動的に報告されます (デフォルトはオン)。Paths reported per clock domain では、クロックドメインごとに報告されるパスを指定します (デフォルトは 10)。また、Show routing では、レポートでルーティングを表示するかを指定します (デフォルトはオフ)。
    Tcl Script Options Tcl Script File name で、タイミング解析のカスタムスクリプトのファイル名を指定します。Run default timing analysis before running custom script により、カスタムスクリプトの実行前にデフォルトのタイミング解析を実行するかを指定することができます。
    Metastability Analysis メタスタビリティー解析において、タイミング・アナライザーがレジスターを同期レジスターチェーンの一部として識別する方法を指定します。
  4. タイミング解析に大きな影響を与える可能性のあるプロジェクト全体のコンパイラー設定を検討して指定します。
    表 4.  タイミング解析に影響するコンパイラーの設定
    設定 詳細 位置
    Enable multicorner support for Timing Analyzer and EDA Netlist Writer (デフォルトはオン) デフォルトでは、マルチコーナー・タイミング解析を実行するようにタイミング・アナライザーに指示します。この場合は、ベストケースおよびワーストケースの動作条件に対してデザインを解析します。 Assignments > Settings > Compilation Process Settings
    Optimization Mode (デフォルトは Balanced) 合成およびフィット時のコンパイラーによる最適化作業の焦点を指定します。Balanced 戦略を指定する、もしくは PerformanceAreaPowerRoutability、またはCompile Time で最適化を行います。 Assignments > Settings > Compiler Settings
    SDC Constraint Protection (デフォルトはオフ)

    レジスターのマージで .sdc 制約を検証します。このオプションは、コンパイルを通して .sdc 制約の有効性を維持するのに役立ちます。

    Assignments > Settings > Compiler Settings > Advanced Settings (Synthesis)
    Synchronization Register Chain Length (デフォルトは 3)

    コンパイラーが同期チェーンとみなす行内のレジスターの最大数を指定します。コンパイラーは、これらのレジスターをメタスタビリティー解析で考慮します。コンパイラーは、これらのレジスターの最適化 (リタイミングなど) を防ぎます。ゲートレベルのリタイミングが有効になっている場合、コンパイラーはこれらのレジスターを削除しません。

    Assignments > Settings > Compiler Settings > Advanced Settings (Synthesis)
    Optimize Design for Metastability (デフォルトはオン)

    この設定により平均故障間隔 (MTBF) を大きくすることで、デザインの信頼性を向上させます。フィッターは、デザインのシンクロナイザー・レジスターの出力セットアップ・スラックを増やします。このスラックにより、デザインの MTBF は指数関数的に増加します。このオプションは、タイミング・アナライザーをタイミング重視のコンパイルに使用している場合にのみ適用されます。タイミング・アナライザーの report_metastability コマンドを使用して、デザインで検出されたシンクロナイザーを確認し、MTBF の概算を作成します。

    Assignments > Settings > Compiler Settings > Advanced Settings (Fitter)