インテル® Quartus® Primeプロ・エディションのユーザーガイド: タイミング・アナライザー

ID 683243
日付 1/31/2023
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2.6.8.5.2. エンド・マルチサイクル・セットアップ = 2、エンド・マルチサイクル・ホールド = 0

この例で、エンド・マルチサイクル・セットアップの割り当て値は 2、エンド・マルチサイクル・ホールドの割り当て値は 0 です。

マルチサイクル制約

set_multicycle_path -from [get_clocks clk_src] -to [get_clocks clk_dst] \
    -setup -end 2
注: デフォルトのエンド・マルチサイクル・ホールド値は 0 であるため、タイミング・アナライザーは、エンド・マルチサイクル・ホールド値を必要としません。

この例では、セットアップ関係を 1 クロック周期緩和するために、ラッチエッジを次のラッチエッジに動かしています。ホールド解析はデフォルトの設定から変化しません。次に、タイミング・アナライザーが実行する解析のセットアップ・タイミング図を示します。ラッチエッジは、デフォルトのシングルサイクル解析よりも 1 クロックサイクル遅くなります。

図 118. セットアップのタイミング図この図は、タイミング・アナライザーが実行する解析のセットアップ・タイミング図を示しています。マルチサイクル制約がない場合、ラッチエッジはエッジ 1 です。ただし、マルチサイクル制約がある場合、ラッチエッジはエッジ 2 になります。
図 119. セットアップ・チェックの計算

最も制約が厳しいセットアップ関係は、エンド・マルチサイクル・セットアップ割り当てが 2 の場合の 20ns です。次の図は、タイミング・アナライザーのセットアップ・レポートで、起動エッジとラッチエッジが強調表示されています。

図 120. セットアップ・マルチサイクル例外のあるセットアップ・レポート

マルチサイクル・ホールドのラッチエッジおよび起動エッジは、デフォルト設定でのホールド解析の結果と同じになるため、この例のマルチサイクル・ホールド解析は、シングルサイクルのホールド解析と同等になります。ホールドチェックは、セットアップ・チェックに相対します。通常、タイミング・アナライザーは、最も制約が厳しいセットアップ・チェックのエッジだけでなく、考えられるすべてのセットアップ・チェックでホールドチェックを実行します。

図 121. ホールドのタイミング図この図は、ホールドのラッチエッジが 0ns と 10ns ではなく、10ns と 20ns であることを示しています。
図 122. セットアップ・マルチサイクル例外のあるホールドレポート
図 123. ホールドチェックの計算