インテル® Quartus® Primeプロ・エディションのユーザーガイド: タイミング・アナライザー

ID 683243
日付 1/31/2023
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ドキュメント目次

1.2.3. クロックのホールド解析

クロックのホールドチェックを実行する際に、タイミング・アナライザーは、送信元と送信先レジスターのすべてのペアに対して存在し得るセットアップ関係ごとに、ホールド関係を特定します。タイミング・アナライザーは、すべてのセットアップ関係において隣接するすべてのクロックエッジをチェックし、ホールド関係を判断します。

タイミング・アナライザーは、各セットアップ関係に対して 2 つのホールドチェックを実行します。最初のホールドチェックでは、現在の起動エッジで起動するデータが前のラッチエッジでキャプチャーされないことを確認します。2 番目のホールドチェックでは、次の起動エッジで起動するデータが現在のラッチエッジでキャプチャーされないことを確認します。存在し得るホールド関係の中から、タイミング・アナライザーは最も制限のあるホールド関係を選択します。最も制限のあるホールド関係とは、ラッチエッジと起動エッジ間の差が最小のホールド関係のことであり、それによってレジスター間パスの最小許容遅延が決まります。次の例の場合、タイミング・アナライザーは、2 つのセットアップ関係 (セットアップ A とセットアップ B) とそれぞれのホールドチェックにおける最も制限のあるホールド関係として、ホールドチェック A2 を選択します。

図 11. セットアップとホールドチェックの関係
図 12. 内部レジスター間パスのクロック・ホールド・スラック

タイミング・アナライザーのホールドチェックでは、データ到着時間の計算に最小遅延を使用し、データ所要時間の計算に最大遅延を使用します。

図 13. 入力ポートから内部レジスターへのクロック・ホールド・スラック算出方法
図 14. 内部レジスターから出力ポートへのクロック・ホールド・スラック算出方法