インテル® Quartus® Prime プロ・エディションのユーザーガイド: デザインの推奨事項

ID 683082
日付 8/03/2023
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ドキュメント目次

3.2.1.1.2. シンクロナイザー・チェーン

MTBF概要レポートには、Number of Synchronizer Chains Found (検出されたシンクロナイザー・チェーン数) と、Shortest Synchronizer Chain (最短シンクロナイザー・チェーン) の長さもリストされます。これは、レポートが正確な情報に基づいているかを判断するのに役立ちます。

特定されたシンクロナイザー・チェーンの数が想定していた数とは異なる場合、または最短のシンクロナイザー・チェーンの長さが予想よりも短い場合、デザインの Synchronizer Identification 設定を追加または変更する必要があります。このレポートでは、Worst Case Available Settling Time も報告されます。これは、ワーストケースのMTBFをもつシンクロナイザーで利用可能なセトリングタイムとして定義されています。

報告された Fraction of Chains for which MTBFs Could Not be Calculated (MTBFを計算できなかったチェーンの割合) を使用して、メタスタビリティー解析において高い割合でチェーンが欠落しているかを判断することができます。例えば、割合が1の場合、デザインのチェーンに対してMTBFを計算できなかったことを意味します。適切な Synchronizer identification オプションでチェーンを識別していない場合、またはパスがタイミング解析されておらず、メタスタビリティー解析に有効なスラックがない場合、MTBFは計算されません。場合によっては、タイミング制約を修正し、該当するレジスターチェーンで完全な解析ができるようにする必要があります。