インテル® Quartus® Prime プロ・エディションのユーザーガイド: デザインの推奨事項

ID 683082
日付 8/03/2023
Public
ドキュメント目次

3.1.1. データの同期レジスターチェーン

同期レジスターチェーン (シンクロナイザー) は、次の要件を満たす一連のレジスターとして定義されています。
  • チェーン内のレジスターがすべて、同じクロックまたは位相が関連するクロックを使用している
  • チェーン内の最初のレジスターが非同期で (つまり無関係なクロックドメインから) 駆動されている
  • チェーン内の最後のレジスターを除き、各レジスターが1つのレジスターのみにファンアウトされている

インテル® Quartus® Prime開発ソフトウェアで同期レジスターチェーンを識別する場合は、チェーン内のレジスターにリセットが含まれていないようにします。

同期レジスターチェーンの長さは、上の要件を満たしている、同期を行うクロックドメインのレジスターの数です。次の図の例では、2つのレジスターの同期チェーンを示しています。
図 46. 同期レジスターチェーンの例


シンクロナイザーのレジスター間パスで利用可能なタイミングスラックにより、メタステーブルな信号がセトリングするため、これは利用可能なセトリングタイムと呼ばれます。シンクロナイザーのMTBF計算で利用可能なセトリングタイムは、チェーン内の各レジスターの出力タイミングスラックの合計です。同期レジスターを追加することで利用可能になる追加セトリングタイムでは、メタスタビリティーのMTBFが改善します。