インテル® Quartus® Prime プロ・エディションのユーザーガイド: デザインの推奨事項

ID 683082
日付 8/03/2023
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ドキュメント目次

2.2.3.5.1. 推奨されるクロック・ゲーティング手法

ゲート使用クロックは、ターゲットのアプリケーションで消費電力の削減が必要な場合に、ゲート使用クロックによってデバイス・アーキテクチャーで必要な消費電力の低減が可能な場合にのみ使用します。 ロジックでゲーティングされるクロックを使用する必要がある場合は、堅牢なクロック・ゲーティング手法に従い、ゲーティングされるクロック信号で専用のグローバルクロック配線を使用していることを確認します。

クロック信号のゲーティングは、クロック・ネットワークのソース、各レジスター、またはその間で行うことができます。クロック・ネットワークはスイッチングの電力消費に関係するため、可能な限りソースでクロックをゲーティングして、末端ではなく、クロック・ネットワーク全体をシャットダウンするようにします。

図 14. 立ち上がりエッジでアクティブになるクロックに推奨されるクロック・ゲーティング手法

推奨される手法でゲート使用クロックを生成するには、レジスターを使用してクロックの非アクティブエッジでトリガーします。このコンフィグレーションでは、ゲートの1つの入力のみが一度に変化し、出力でのグリッチまたはスパイクを防ぎます。クロックが立ち上がりエッジでアクティブになる場合は、ANDゲートを使用します。逆に、立ち下がりエッジでアクティブになるクロックの場合は、ORゲートを使用してクロックとレジスターをゲーティングします。

イネーブル信号を生成するロジックでの遅延に注意します。イネーブルコマンドはクロックサイクルの半分未満で準備が完了している必要があります。そのため、イネーブルコマンドを生成するロジックが特に複雑な場合、またはクロックのデューティー・サイクルのバランスが著しく悪い場合に、問題が発生することがあります。ただし、クロックをゲーティングする他の手法によって生じる問題と比較した場合に、デューティー・サイクルとロジック遅延を慎重に管理することは、許容できる解決策になると考えられます。

タイミング・アナライザーでは、ANDゲートの出力にクロック設定を適用していることを確認します。これを行わないと、タイミング・アナライザーでの回路の解析は、レジスターを経由するクロックパスを最長クロックパスとし、レジスターを経由しないパスを最短クロックパスとして行われます。これにより、人工的なクロックスキューが発生します。

場合によっては、ゲート使用クロックをクロックイネーブル・ピンに変換することで、グリッチとクロックスキューが軽減し、最終的にはより正確なタイミング解析を得られることがあります。 インテル® Quartus® Prime開発ソフトウェアの設定によりゲート使用クロックをクロックイネーブル・ピンに自動変換するには、Auto Gated Clock Conversion オプションをオンにします。この変換は、シングルゲート・クロックとカスケードゲート・クロックの2種類のゲート使用クロックスキームに適用されます。