PCI Express* 用のインテル® Stratix® 10 HタイルおよびLタイル Avalon® メモリー・マップド・ハードIPユーザーガイド

ID 683667
日付 6/03/2020
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ドキュメント目次

A.2. データリンク層

データリンク層は、トランザクション層と物理層の間に位置します。データリンク層はパケットの整合性を維持し、PCI Expressリンクレベルで (DLLパケット送信によって) 通信します。

DLLは次の機能を実装しています。

  • DLLパケット (DLLP) の受信および送信によるリンク・マネジメントは、次の機能に使用されます。
    • DLLP受信および送信のパワー・マネジメント
    • ACK/NAK パケットの送受信
    • TLPおよびDLLPのCRCの生成およびチェックによるデータの整合性
    • NAK DLLPの受信またはリプレイ・タイムアウトの場合、リトライ (リプレイ) バッファーを使用したTLPの再送信
    • リトライバッファーのマネジメント
    • 物理層のLTSSM (Link Training and Status State Machine) を介したエラーの場合のリンク再トレーニング要求
図 81. データリンク層

DLLには、次のサブブロックが含まれています。

  • Data Link Control and Management State Machine - このステートマシンは、物理層のLTSSMステートマシンとトランザクション層の両方を接続します。リンクおよびフロー・コントロール・クレジットを初期化し、ステータスをトランザクション層にレポートします。
  • Power Management - この機能は、ハンドシェイクを処理して低電力モードに入ります。このような遷移は、Configuration Spaceのレジスター値および受信したPM (Power Management) DLLPに基づいて行われます。インテルStratix 10用ハードIPのPCIe IPコアの全バリアントは、低電力モードをサポートしていません。
  • Data Link Layer Packet Generator and Checker - このブロックは、DLLPの16ビットCRCに関連付けられており、送信されたパケットの整合性を維持します。
  • Transaction Layer Packet Generator - このブロックは、シーケンス番号および32ビットのLCRC (Link CRC) を含む送信パケットを生成します。パケットは、内部ストレージ用のリトライバッファーにも送信されます。リトライモードでは、TLPジェネレーターがリトライバッファーからパケットを受信し、送信パケットのCRCを生成します。
  • Retry Buffer - NAK DLLPを受信した場合、リトライバッファーはTLPを格納し、すべての未確認パケットを再送信します。ACK DLLPを受信した場合は、リトライバッファーはすべての確認済みパケットを破棄します。
  • ACK/NAK Packet - ACK/NAKブロックはACK/NAK DLLPを処理し、送信されたパケットのシーケンス番号を生成します。
  • Transaction Layer Packet Checker - このブロックは、受信したTLPの整合性をチェックし、ACK/NAK DLLPの送信要求を生成します。
  • TX Arbitration - このブロックはトランザクションをアービトレーションします。優先順位は、次の順になります。
    • FCデータリンク層パケットの初期化
    • ACK/NAK DLLP (高優先度)
    • FC DLLPの更新 (高優先度)
    • PM DLLP
    • リトライバッファーTLP
    • TLP
    • FC DLLPの更新 (低優先度)
    • ACK/NAK FC DLLP (低優先度)