2.1. インテル® Stratix 10® エンベデッド・メモリー・ブロックにおけるバイトイネーブル
2.2. アドレス・クロック・イネーブルのサポート
2.3. 非同期クリアと同期クリア
2.4. メモリーブロックの誤り訂正コードのサポート
2.5. Force-to-Zero
2.6. コヒーレント読み出しメモリー
2.7. フリーズロジック
2.8. トゥルー・デュアル・ポート・デュアル・クロック・エミュレーター
2.9. インテル® Stratix 10® でサポートされているエンベデッド・メモリーIPコア
2.10. インテル® Stratix 10® エンベデッド・メモリーのクロッキング・モード
2.11. インテル® Stratix 10® エンベデッド・メモリーのコンフィグレーション
2.12. 読み出しアドレスレジスターおよび書き込みアドレスレジスターの初期値
2.8. トゥルー・デュアル・ポート・デュアル・クロック・エミュレーター
トゥルー・デュアル・ポート (TDP) ・デュアル・クロック・エミュレーター機能では、TDPデュアル・クロック・モードをエミュレートします。この機能により提供される インテル® Arria® 10デバイスとの下位互換性では、TDPデュアル・クロック・モードがサポートされています。
この機能がサポートされるのは次の状態の場合のみです。
- 2つの読み出し/書き込みポート動作モード
- AおよびBポート・クロッキング・モード用のクロックのカスタマイズ
注: Emulate TDP dual clock modeをオンにして、TDPデュアル・クロック・エミュレーター機能をデュアルポートRAM IPコアのパラメーター・エディターで有効にする必要があります。この機能を有効にする方法の詳細については を参照してください。
TDPデュアル・クロック・エミュレーターは、2つのDCFIFOと1つのRAMブロックで構成されています。 DCFIFOでは、コントロール信号に対するクロック・ドメイン・クロッシング (CDC) の問題が処理され、また、RAMブロックによる処理前後のデータ格納用の一時バッファーになります。
異なるクロック周波数によって生じる非確定レイテンシーのために、 valid 信号が導入され、出力データが有効であるかどうかを識別します。 valid 信号がアサートされると、正しい出力データに従う必要性が示されます。 valid 信号がディアサートされた場合は、出力データは破棄してください。
| 信号 | インテル® Arria® 10 TDPデュアル・クロック・モード | インテル® Stratix® 10でエミュレートされたTDPデュアル・クロック・モード |
|---|---|---|
| clocken | サポートあり | サポートあり |
| rden | サポートあり | サポートあり |
| wren | サポートあり | サポートあり |
| aclr | サポートあり | — |
| sclr | — | — |
| byteena | サポートあり | — |
ポートAへのクロック接続は低速クロック (クロックA) でなければならず、ポートBへのクロック接続は高速クロック (クロックB) でなければなりません。この場合、クロックBのクロック周波数をクロックAで割ると7以上になります。
TDPデュアル・クロック・エミュレーター機能を使用すると、ポートAとポートBではレイテンシーが異なったものになります。ポートAのレイテンシーが減少するとともに、2つのクロック周波数の差は大きくなり、最小レイテンシーは5クロックサイクルです。ポートBのレイテンシーは2クロックサイクルに固定されていて、出力レジスターはこのコンフィグレーションでは常に有効になっています。
次の図で示すのは、TDPデュアル・クロック・エミュレーター機能のタイミング図です。
図 14. ポートAの出力条件
図 15. ポートBの出力条件
図 16. ポートAのRead-During-Write条件
図 17. ポートBのRead-During-Write条件