AN 802: インテル® Stratix® 10 SoC デバイスのデザイン・ガイドライン

ID 683117
日付 4/17/2019
Public
ドキュメント目次

4.1.2. USBインターフェイスのデザイン・ガイドライン

インテル® Stratix® 10 HPSでは、1.8 Vの専用HPS I/Oを使用し、組み込みUSB MACを業界標準のUSB 2.0 ULPI PHYに直接接続することができます。FPGA配線リソースを使用せず、タイミングが固定されているため、デザインは簡潔になります。

このガイドでは、サポートされているすべてのPHY動作速度 (高速HS 480 Mbps、フルスピードFS 12 Mbps、および低速LS 1.5 Mbps) を網羅するデザイン・ガイドラインについて説明します。

ガイドライン: インテルでは、デバイスがクロックを供給する場合のUSB PHYモードと、外部クロックがソースの場合のUSB PHYモードをどちらもサポートするようにボードをデザインすることを推奨しています。

Stratix 10 SoC開発キットはMicrochip USB3320 USB PHYを使用します。このデバイスは、HPS USBモジュールで動作することが知られています。

インテルStratix 10 SoCのULPI MACとPHY間のインターフェイスは、8ビットのデータと次の制御信号で構成されます。
  • STP
  • NXT
  • DIR

最後に、60 MHzの静的クロックがPHYまたは外部オシレーターから駆動され、一部のHPSからUSB MACのレジスターアクセスなどの動作に必要とされます。PHYメーカーより提供されているリセットおよび電源投入に関する推奨事項に従っていることを確認してください。

USB PHYが入力クロックモードと出力クロックモードをどちらともサポートする場合、インテルでは、ボードをどちらのモードもサポートするようにデザインし、潜在的なタイミング問題を軽減できるようにすることを推奨します。通常これらのモードは、HighまたはLowにプルされる受動ブートストラップ・ピンで選択されます。
  • 出力モード—出力クロックモードでは、クロックはUSB PHYによって生成されます。信号はすべてこのクロックに同期しています。
    図 17. 出力モード
  • 入力モード—入力クロックモードでは、PHYは外部ソースからのクロックを受信します。信号はすべてこのクロックに同期しています。このモードにおいてクロックは、FPGAのPLLまたは外部ソースで生成できます。
    図 18. 入力モード

ガイドライン: USB信号のトレース長が最小になっていることを確認します。

60 MHzにおける周期は16.67 nsであり、その間に、例えばクロックは外部PHYからMACに移動し、そしてデータおよび制御信号はMACからPHYに移動する必要があります。往復遅延があるため、クロックおよびULPI信号の最大長は重要です。予備のタイミングデータに基づき、最大長は7インチ未満にすることが推奨されます。これは5 nsのTco仕様のPHYに基づいています。仕様がそれよりも遅い場合は、それに応じて全長を短くする必要があります。
図 19. トレース長
バスのUSB PHY側にセットアップ・タイミングのマージンがほとんどない場合、PHYを入力クロックモードに切り替え、60 MHzのクロックソースをボードから供給することができる場合があります。
図 20. システム図とボード仕様

ガイドライン: シグナル・インテグリティーが考慮されていることを確認します。

シグナル・インテグリティーは主に、PHYからHPSのMACに駆動されるCLK信号において重要です。これらの信号は最大長のポイントツーポイントであるため、通常は終端せずに実行できますが、インテルでは、トレースをシミュレーションし反射を最小限に抑えることを推奨しています。シミュレーションで特に示されない限り、FPGAからの50 Ω出力設定を使用することが一般的に推奨されます。可能であれば、PHYベンダーが提供する同様の設定を使用します。

ガイドライン: OTG動作を使用する場合はデザインを適切に行います。

On-the-Go (OTG) 機能を使用する場合、SoCはホストまたはエンドポイントになることができます。ホストモードにおいては、USBフラッシュドライブをサポートしている場合や、潜在的にUSBハードドライブをサポートしている場合などの電力供給を考慮してください。これらの電力要件と逆電流は通常、インテルStratix 10 SoC FPGA 開発キットで使用されているような外部ダイオードと電流リミッターを使用し考慮する必要があります。

インテルStratix 10 SoC 開発ボードの回路図に関しては、Stratix 10 FPGA Development Kit User Guideを参照ください。