Intel® Stratix® 10のクロッキングおよびPLLユーザーガイド

ID 683195
日付 12/07/2017
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ドキュメント目次

2.2.6. クロックの逓倍と分周

インテル® Stratix 10® PLL出力周波数は、次のスケールファクターによって入力基準クロックソースに関連します。

  • M/(N × C)(I/O PLLの場合)
  • M/(N × C × 2) (fPLLコア・アプリケーションの場合)

入力クロックは、プレスケール・ファクターNで除算され、 Mフィードバック係数が乗算されます。制御ループは、 f in ×( M / Nに一致するようにVCOを駆動します。 インテル® Quartus® Primeソフトウェアは、I/O PLLおよびfPLLのために インテル® FPGA IPコアに入力される入力周波数、乗算および除算値に応じて、適切なスケール係数を自動的に選択します。

プリスケール・カウンターのNと逓倍カウンターのM

各PLLは、プリスケール・カウンターNと逓倍カウンターMをそれぞれ1つずつ有します。これら2つのカウンターの目的は周波数分周を計算することであるため、MカウンターとNカウンターはデューティ・サイクル・コントロールを使用しません。

ポスト・スケール・カウンター(C

各出力ポートは、独自のポスト・スケール・カウンター、Cを有します。周波数の異なる複数のCカウンター出力では、VCOは周波数規格に適合する出力周波数の最小公倍数に設定されます。たとえば、1 つのI/O PLLから要求される出力周波数が55 MHz100 MHzである場合、Quartus IIソフトウェアはVCO周波数を1.1 GHzに設定します(VCOの周波数範囲内での55 MHz100 MHzの最小公倍数)。その後、ポストスケール・カウンターのCは各出力ポートのVCO周波数を分周します。

ポスト・スケール・カウンター(L

fPLLは、追加のポスト・スケール・カウンターであるLを有します。Lカウンターは、 M/(N × L)スケーリング係数を使用して、クロックソースからの周波数を合成します。Lカウンターは差動クロック・ペア(0℃と180℃)を生成し、HSSIクロック・ネットワークをドライブします。

デルタ・シグマ変調器

デルタ・シグマ・モジュレータ(DSM)は、fPLLがフラクショナル・モードで動作することができるよう、M逓倍カウンターと併せて使用されます。DSMは、サイクル間ベースでMカウンター係数をダイナミックに変更します。異なるMカウンター係数によって「平均的な」M係数を非整数にすることができます。

フラクショナル・モード

フラクショナル・モードでは、Mカウンターの値はMフィードバック係数とフラクショナル値の合計に等しくなります。フラクショナル値は K/2 X に等しく、Kは0と(2 X – 1)の間の整数です。また、 X = 32です。

整数モード

整数モードのfPLL動作では、Mは整数値であり、DSMはディセーブルされます。

I/O PLLは整数モードでのみ動作可能です。