Nios® Vエンベデッド・プロセッサー・デザイン・ハンドブック

ID 726952
日付 10/31/2022
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ドキュメント目次

4.2. アプリケーションのリンク

Nios® Vプロセッサーのプロジェクトを生成すると、BSP Editorは2つのリンカー関連ファイルを生成します。
  • linker.x: リンカー・コマンド・ファイル。生成されたアプリケーションのmakefileが .elf バイナリーファイルを作成するために使用します。
  • linker.h: リンカーのメモリーレイアウトに関する情報が含まれています。
BSPプロジェクトに対してリンカー設定を変更すると、これら2つのリンカーファイルの内容が影響を受けます。
すべての Nios® Vプロセッサー・アプリケーションには、次のリンカーセクションが含まれています。
表 11.  リンカーセクション
リンカーセクション 説明
.text 実行可能なコードです。
.rodata プログラムの実行で使用される読み出し専用データです。
.rwdata プログラムの実行で使用される読み書きデータを格納します。
.bss 初期化されていない静的データが含まれています。
.heap 動的に割り当てられたメモリーが含まれます。
.stack 関数呼び出しパラメーターとその他の一時データを格納します。
追加のリンカーセクションを .elf ファイルに追加して、カスタムコードとデータを保持できます。これらのリンカーセクションは、物理メモリーデバイスとアドレスに対応するように定義された名前付きメモリー領域に配置されます。デフォルトでは、BSP Editorはこれらのリンカーセクションを自動的に生成します。ただし、特定のアプリケーションのリンカーセクションを制御することは可能です。