インテル® Arria® 10 トランシーバーPHY ユーザーガイド

ID 683617
日付 4/20/2017
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ドキュメント目次

5.2.1.9. KR FEC ブロック

エンハンストPCS のKR FEC ブロックは、IEEE 802.3 仕様の10G-KRFEC と40G-KRFEC に従ってデザインされています。KR FEC は、PCS サブレイヤとPMA サブレイヤの間のサブレイヤである順方向誤り訂正 (FEC) サブレイヤを実装します。

イーサネットなど、ほとんどのデータ転送システムはビットエラー・レート (BER) の最小要件を有します。ただし、チャネルの歪みやチャネル内のノイズによって必要なBERが達成できないこともあります。このような場合、順方向誤り制御訂正を追加することにより、システムのBER 性能を向上させることができます。

FEC サブレイヤはオプションであり、バイパスすることができます。FEC サブレイヤを使用すると、製造や環境条件におけるバリエーションを可能にする追加のマージンを提供することができます。FEC は以下の事項を達成することができます。

  • 10GBASE-R/KR および40GBASE-R/KR プロトコルの順方向誤り訂正メカニズムをサポートする
  • イーサネットMAC の動作の全二重モードをサポートする
  • 10GBASE-R/KR および40GBASE-R/KR プロトコル用に定義されたPCS、PMA、および物理媒体依存 (PMD) サブレイヤをサポートする
  • 64/66 ビットでエンコードされた、どのプロトコルにおいても最大のトランシーバー・データレートをサポートする

KR FEC を使用すると、システムのBER 性能を向上させることができます。

トランスコード・エンコーダー

KR 順方向誤り訂正 (KR FEC) のトランスコード・エンコーダー・ブロックは、トランスコード・ビットを生成することによって65 ビットのトランスコーダー・ファンクションに64B/66B を実行します。トランスコード・ビットは、2 ビットの同期ヘッダー (S0 とS1) と64 ビットのペイロード (D0、D1、…、D63) で構成される64B/66B エンコーダーの後の、66 ビットの組み合わせから生成されます。DC バランスされたパターンを確実にするために、トランスコード・ワードは2 番目の同期ビットS1 およびペイロードビットD8 上でXOR 機能を実行することによって生成されます。トランスコード・ビットは、トランスコード・エンコーダーの65 ビット・パターン出力のLSB になります。

図 238. トランスコード・エンコーダー


KR FEC エンコーダー

FEC (2112、2080) は、IEEE 802.3 仕様の条項74 で指定されているFEC コードです。このコードは短縮サイクルコード (2112、2080) です。2080 メッセージビットの各ブロックでは、合計2112 ビットを形成するために、エンコーダーによって別の32 個のパリティーチェックが生成されます。ジェネレーターの多項式は以下のようになります。

g (x) = x32 + x23 + x21 + x11 + x2 +1

KR FEC スクランブラ

KR FEC スクランブラ・ブロックは、レシーバーでFEC ブロック同期を確立し、DC バランスを確保するために必要な生成多項式、x58 + x39 +1 に基づいてスクランブルを実行します。

KR FEC TX ギアボックス

KR FEC TX ギアボックスは、65 ビットの入力ワードを64 ビットの出力ワードに変換し、KR FEC エンコーダーをPMA とインターフェイスします。このギアボックスはエンハンストPCS で使用されるTX ギアボックスとは異なります。KR FEC TX ギアボックスは、FEC ブロックに整合します。エンコーダー出力 (また、スクランブラ出力) が特有のワード・サイズ・パターンを有しているため、ギアボックスは、こうしたパターンを処理するために特別にデザインされています。