H-tile Ethernet Hard IPユーザーガイド: インテル® Stratix® 10デバイスおよび インテル® Agilex™ デバイス用

ID 683430
日付 12/08/2020
Public
ドキュメント目次

3.2. RTLパラメーター

H-tile Ethernet Hard IPによるパラメーターの提供は、生成されたRTLで行います。これをお使いのIPコア・インスタンス用に変更できます。IPコア・バリエーションをパラメーター・エディターから生成すると、RTLモジュールが作成されます。デザインでは、このモジュールの複数のインスタンスをインスタンス化する場合があります。RTLパラメーター値は、各インスタンスに対して指定できます。各RTLパラメーターによって、IPコアの1つ以上のレジスターフィールドの初期値およびリセット値が決まります。

RTLパラメーターを使用すると、IPコア・インスタンスをカスタマイズして、お使いのIPコア・バリエーション用に選択したデフォルトや同じIPコア・バリエーションの他のインスタンスとは異なるものにすることができます。この機能により、デザインを微調整する際に、電源投入後に再生成やレジスターの読み書きを行う必要がなくなります。さらに、パラメーター値を指定して、それが複数のインスタンスで同一にならないようにできます。例えば、インスタンスごとに異なるTX送信元アドレスを指定する際には、関連するレジスターへの書き込みは不要です。

RTLパラメーターにアクセスするには、IPコンフィグレーションおよびテストファイルを参照してください。シミュレーション・ベースのRTLパラメーターは次の場所にあります。<your_project_directory>\<your_IP_name>\sim\<your_IP_name>.v合成ベースのRTLパラメーターは次の場所にあります。<your_project_directory>\<your_IP_name>\synth\<your_IP_name>.v

表 14.   H-tile Ethernet Hard IPのRTLパラメーター

パラメーター

パラメーターの説明

すべてのIPコア・バリエーションで使用可能なパラメーター
sim_mode IPコアをシミュレーション・モードにするかどうかを指定します。このモードでは、アライメント・マーカー期間が短縮され、RX PCSアライメントまでの時間を低減します。
  • 値が enable (デフォルト値) の場合: IPコアでは、より短いアライメント・マーカー期間を実装し、シミュレーションでのRX PCSのアライメントを加速します。シミュレーション・リンク・パートナーのアライメント・マーカー期間は同じにしてください。このモードは、シミュレーションのみを目的としています。
  • 値が disable の場合: IPコアでは、MACでは、標準アライメント・マーカー期間の実装をIEEE Standard 802.3–2015での指定どおりに行います。

このパラメーター値によって、次のレジスターフィールドの初期値およびリセット値が決定されます。

  • オフセット0x360で RXPCS_CONF レジスターの am_interval[13:0]フィールド (ビット [13:0])
  • オフセット0x40Bで TXMAC_EHIP_CFG レジスターの am_period[15:0]フィールド (ビット [31:16])
MAC+PCS IPコア・バリエーションのみで使用可能なパラメーター
rx_pause_daddr PAUSEフレームおよびPFCフレームの宛先アドレスを設定します。RX MACでは、このアドレスを使用して着信PAUSEフレームとPFCフレームが現在のIPコアに適用するかどうかをフィルタリングします。
  • デフォルト値は、0x01_80_C2_00_00_01です。これは、PAUSEおよびPFCのイーサネット標準マルチキャスト・アドレスです。
  • 範囲は0から248–1までです。
  • 値はユニキャスト・アドレスまたはマルチキャスト・アドレスです。
  • RX MACでPAUSEフレームとPFCフレームを処理するのは、宛先アドレスがこのアドレスと一致する場合のみです。(実際には RX_PAUSE_DADDR レジスターのアドレス)

このパラメーターの値によって、オフセット0x707および0x708での RX_PAUSE_DADDR レジスターの初期値およびリセット値が決まります。

source_address_insertion IPコアで、発信パケットの送信元アドレスの上書きをサポートするかどうかを選択します。この送信元アドレスは、IPコアがTX MACインターフェイス上で受信するものです。このとき使用するのは、オフセット0x40Cおよび0x40Dでの TXMAC_SADDR レジスター値です。
  • デフォルト値は、パラメーター・エディターの Use source address insertion パラメーターの値です。
  • 値が enable の場合: i_tx_skip_crc の値が0の場合、IPコアがTX MACクライアント・インターフェイス上で受信するパケットで、TX MACによって送信元アドレスのフィールドが上書きされます。このとき使用するのは、TXMAC_SADDR レジスターの値で、オフセットは0x40Cおよび0x40Dです。
    注: IPコアでは、イーサネットPAUSEおよびPFCパケットの送信元アドレスは上書きしません。これは、IPコアによって、TX MACクライアント・インターフェイス上で i_tx_pause 信号または i_tx_pfc[n] 信号のアサートに応答して、イーサネット・リンク上で生成されるものです。
  • 値が disable の場合: TX MACでは、TX MACクライアント・インターフェイス上で受信したパケット内の送信元アドレスのフィールドは上書きしません。

このパラメーターの値によって、オフセット0x40Aでの TXMAC_CONTROL レジスターの en_saddr_insert フィールド (ビット [3]) の初期値およびリセット値が決まります。

tx_pause_daddr TX MACによってPAUSEフレームおよびPFCフレームに挿入される宛先アドレスを設定します。このアドレスは、IPコアによってイーサネット・リンク上で送信され、TX MACクライアント・インターフェイス上の i_tx_pause 信号または i_tx_pfc[n] 信号のアサートに応答したものです。
  • デフォルト値は、0x01_80_C2_00_00_01です。これは、PAUSEおよびPFCのイーサネット標準マルチキャスト・アドレスです。
  • 範囲は0から248-1までです。
  • 値はユニキャスト・アドレスまたはマルチキャスト・アドレスのどちらかです。

このパラメーターの値によって、オフセット0x60Dと0x60Eでの TX_PFC_DADDR レジスターの初期値およびリセット値が決まります。

tx_pause_saddr TX MACによってPAUSEフレームおよびPFCフレームに挿入される送信元アドレスを設定します。このアドレスは、IPコアによってイーサネット・リンク上で送信され、TX MACクライアント・インターフェイス上の i_tx_pause 信号または i_tx_pfc[n] 信号のアサートに応答したものです。
  • デフォルト値は、RTLパラメーター txmac_saddr の値です。これは、初期送信元アドレスとしてIPコアによってすべてのTXパケットに挿入され、ソースMACアドレス挿入がイネーブルのときにTX MACクライアント・インターフェイスに書き込まれます。
  • 範囲は0から248–1までです。
  • 値はユニキャスト・アドレスです。

このパラメーターの値によって、オフセット0x60Fおよび0x610での TX_PFC_SADDR レジスターの初期値およびリセット値が決まります。

txmac_saddr TX MACによってパケットに挿入される送信元アドレスを設定します。これは、ソースMACアドレス挿入がイネーブルのときにTX MACクライアント・インターフェイスに書き込まれます。
  • デフォルト値は、パラメーター・エディターの TX MAC source address パラメーターに対して指定した値です。
  • 範囲は0から248-1です。
  • インテル® FPGAチームでは、各IPコア・インターフェイスのプログラミングに一意のユニキャストMACアドレスを使用することをお勧めしています。

このパラメーターの値によって、オフセット0x40Cと0x40Dでの TXMAC_SADDR レジスターの初期値とリセット値が決まります。