H-tile Ethernet Hard IPユーザーガイド: インテル® Stratix® 10デバイスおよび インテル® Agilex™ デバイス用

ID 683430
日付 12/08/2020
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ドキュメント目次

5. リセット

イーサネット・レジスターでは、3つの異なるソフトリセットを制御します。 この3つのソフトリセットは、セルフクリアではありません。ソフトウェアでは、ソフトリセットをクリアするため、それを適切なレジスターに書き込みます。 さらに、IPコアには3つのハードリセット信号があります。

外部ハードリセット i_csr_rst_n またはソフトリセット eio_sys_rst をアサートすると、すべてのイーサネット・レジスターが元の値に戻ります。これには統計情報カウンターも含まれます。また、すべてのトランシーバー・レジスターも元の値に戻ります。追加の専用リセット信号 i_reconfig_reset により、トランシーバー・リコンフィグレーションおよびイーサネット・リコンフィグレーションのインターフェイスがリセットされます。

図 18. 汎用IPコア・リセット・ロジックの概念図3つのハードリセットは、トップレベルのポートです。3つのソフトリセットは、PHY_CONFIG レジスターの出力の内部信号です。ソフトウェアでは、PHY_CONFIG の適切なビットを書き込み、ソフトリセットをアサートします。

一般的なリセット信号によりリセットする機能は次のとおりです。

  • soft_tx_rsti_tx_rst_n: TX PCSおよびTX MACをリセットします。このリセットにより、o_tx_lanes_stable 出力信号がデアサートされます。
  • soft_rx_rsti_rx_rst_n: RX PCSおよびRX MACをリセットします。このリセットにより、o_rx_pcs_ready 出力信号がデアサートされます。
  • eio_sys_rsti_csr_rst_n: IPコアをリセットします。TXおよびRX MAC、イーサネット・リコンフィグレーション・レジスター、PCS、およびトランシーバーをリセットします。このリセットにより、o_tx_lanes_stable および o_rx_pcs_ready 出力信号がデアサートされます。この信号を使用して、トランシーバーの再キャリブレーションのたびにIPコアをリセットします。
表 17.  リセット信号の機能
リセット信号 ブロック
MAC TXデータパス PCS TXデータパス MAC RXデータパス PCS RXデータパス PHY CSR (MAC/PHY) TX統計情報 RX統計情報
i_csr_rst_neio_sys_rst

i_tx_rst_n

soft_tx_rst

X

X

X

X

X

X

i_rx_rst_n、

soft_rx_rst

X

X

X

X

X

X

soft_clear_tx_stats

X

X

X

X

X

X

X

soft_clear_rx_stats

X

X

X

X

X

X

X

さらに、同期 i_reconfig_reset 信号では、IPコア・トランシーバー・リコンフィグレーション・インターフェイスとイーサネット・リコンフィグレーション・インターフェイスをリセットします。関連クロック i_reconfig_clk では、2つのインターフェイスをクロッキングします。

システムの考慮事項

  • システムリセットは、IPコアの動作を開始する前に実行する必要があります。そのためには、i_csr_rst_ni_reconfig_reset を一緒にアサートおよびデアサートします。両方の信号をアサートするには、i_csr_rst_n 信号を0に設定し、i_reconfig_reset 信号を1に設定します。両方の信号をデアサートするには、 i_csr_rst_n を1に設定し、i_reconfig_reset を0に設定します。IPコアでは、正しいリセットシーケンスを実装し、IPコア全体をリセットします。
  • 送信リセットのアサートは、ダウンストリーム・レシーバーが整列済みの状態で行うと、レシーバーのアライメントが失われます。ダウンストリーム・レシーバーでは、ロックを失う前に、誤った形式のフレームを受信する可能性があります。

  • 受信リセットのアサートは、アップストリーム・トランスミッターによるパケット送信中に行うと、送信中のパケットが破損します。

  • ATX PLLがロックを失うと、IPコアでは、送信側と受信側を強制的にリセットします。IPコアによってイーサネット・ハードIPもリセットするには、ATX PLLがロックを失った後に i_csr_rst_n 信号をアサートしてください。

  • IPコアでシリアルリンクの信号が失われると、受信リセットがアサートされます。

  • eio_sys_rst リセットがアサートされている間は、他のレジスターにはアクセスしないでください。
  • オート・ネゴシエーションとリンク・トレーニング (AN/LT) がイネーブルされている場合、eio_sys_rst リセットは、AN/LT動作が完了するまでは使用しないでください。データモードでは、eio_sys_rst リセットは、他のAvalon-MMアクセスの処理中以外は使用できます。

次の図で示すのは、i_tx_rst_n および i_rx_rst_n リセット信号をアサートしたときのTXデータパスおよびRXデータパスのリセットシーケンスです。

図 19. TXデータパスのリセットシーケンス
図 20. RXデータパスのリセットシーケンス