HDMI インテル® Arria 10 FPGA IPデザイン例のユーザーガイド

ID 683156
日付 5/12/2021
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ドキュメント目次

4.1. HDCP (High-bandwidth Digital Content Protection)

HDCP (High-bandwidth Digital Content Protection) は、デジタル権利保護の形態の1つで、ソースとディスプレイ間の安全な接続を確立するためのものです。

インテルは、Digital Content Protection LLCグループによってライセンス供与されている独自のテクノロジーを作成しました。HDCPはコピー防止の方法であり、オーディオ/ビデオ・ストリームが送信機と受信機の間で暗号化され、違法コピーから保護されます。

HDCPの機能は、HDCP Specification version 1.4およびHDCP Specification version 2.3に準拠しています。

HDCP 1.4 IPおよびHDCP 2.3 IPは、ハードウェアのコアロジック内ですべての計算を実行します。機密値 (秘密鍵やセッション鍵など) には暗号化されたIPの外部からアクセスすることはできません。

表 51.  HDCP IPの機能
HDCP IP 機能
HDCP 1.4 IP
  • 認証交換
    • マスターキー (Km) の計算
    • ランダムなAnの生成
    • セッションキー (Ks)、M0およびR0の計算
  • リピーターによる認証
    • VとV’の計算および検証
  • リンクの整合性の検証
    • フレームキー (Ki)、MiおよびRiの計算
  • すべての暗号モード (hdcpBlockCipher、hdcpStreamCipher、hdcpRekeyCipher、およびhdcpRngCipherなど)
  • 元の暗号化ステータス信号 (DVI) と拡張暗号化ステータス信号 (HDMI)
  • 真の乱数ジェネレーター (TRNG)
    • ハードウェア・ベースの完全なデジタル実装および非決定論的乱数ジェネレーター
HDCP 2.3 IP
  • マスターキー (km)、セッションキー (ks)、ノンス (rn、riv) の生成
    • NIST.SP800-90Aの乱数生成に準拠
  • 認証と鍵交換
    • NIST.SP800-90Aの乱数生成に準拠しているrtxおよびrrxの乱数の生成
    • DCP公開鍵 (kpubdcp) を使用する受信者証明書 (certrx) の署名検証
    • 3072ビットのRSASSA-PKCS#1 v1.5
    • マスターキー (km) のRSAES-OAEP (PKCS#1 v2.1) 暗号化と復号化
    • AES-CTRモードを使用するkd (dkey0、dkey1) の導出
    • HとH’の計算と検証
    • Ekh (km) とkm (ペアリング) の計算
  • リピーターによる認証
    • VとV’の計算と検証
    • MとM’の計算と検証
  • システム更新の可能性 (SRM)
    • kpubdcpを使用するSRM署名検証
    • 3072ビットのRSASSA-PKCS#1 v1.5
  • セッションキーの交換
  • Edkey (ks) とrivの生成と計算
  • AES-CTRモードを使用するdkey2の導出
  • 位置確認
    • LとL’の計算と検証
    • ノンスの生成 (rn)
  • データストリーム管理
    • AES-CTRモードベースのキーストリーム生成
  • 非対称暗号アルゴリズム
    • モジュラス長が1024 (kpubrx) ビットおよび3072 (kpubdcp) ビットのRSA
    • モジュラス長が512 (kprivrx) ビットで指数長が512 (kprivrx) ビットのRSA-CRT (中国剰余定理)
  • 低レベルの暗号化機能
    • 対称暗号アルゴリズム
      • キー長が128ビットのAES-CTRモード
    • ハッシュ、MGF、HMACアルゴリズム
      • SHA256
      • HMAC-SHA256
      • MGF1-SHA256
    • 真の乱数ジェネレーター (TRNG)
      • NIST.SP800-90A準拠
      • ハードウェア・ベースの完全なデジタル実装および非決定論的乱数ジェネレーター