HDMI インテル® Arria 10 FPGA IPデザイン例のユーザーガイド

ID 683156
日付 5/12/2021
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ドキュメント目次

2.6. Dynamic Range and Mastering (HDR) InfoFrameの挿入とフィルタリング

HDMI Intel® FPGA IPのデザイン例には、RX-TXループバック・システムにHDR InfoFrameを挿入するデモンストレーションが含まれています。

HDMI Specification version 2.0bでは、Dynamic Range and Mastering InfoFrameをHDMI補助ストリームを介して送信することができます。デモンストレーションでは、補助パケット・ジェネレーター・ブロックでHDRの挿入をサポートしています。モジュールの信号リストの表で指定されているように目的のHDR InfoFrameパケットをフォーマットするだけで、HDR InfoFrameの挿入が各ビデオフレームで1回発生します。

このコンフィグレーション例では、着信補助ストリームにすでにHDR InfoFrameが含まれているインスタンスでは、ストリーミングされるHDRコンテンツがフィルタリングされます。フィルタリングにより、送信されるHDR InfoFrameの競合を回避し、HDRサンプル・データ・モジュールで指定されている値のみが使用されるようになります。

図 11. Dynamic Range and Mastering InfoFrameの挿入を行うRX-TXリンク次の図は、RX-TXリンクのブロック図を表しています。これには、HDMI TXコアの補助ストリームへのDynamic Range and Mastering InfoFrameの挿入が含まれています。
表 12.  補助データ挿入ブロック (aux_retransmit) の信号
信号 方向 説明
クロックとリセット
clk 入力 1 クロック入力。このクロックは、ビデオクロックに接続する必要があります。
reset 入力 1 リセット入力
補助パケット信号
tx_aux_data 出力 72 マルチプレクサーからのTX補助パケット出力
tx_aux_valid 出力 1
tx_aux_ready 出力 1
tx_aux_sop 出力 1
tx_aux_eop 出力 1
rx_aux_data 入力 72 マルチプレクサーに入る前にパケット・フィルター・モジュールに渡されるRX補助データ
rx_aux_valid 入力 1
rx_aux_sop 入力 1
rx_aux_eop 入力 1
コントロール信号
hdmi_tx_vsync 入力 1 HDMI TXビデオのVsync。この信号は、リンク・スピード・クロック・ドメインに同期している必要があります。コアは、この信号の立ち上がりエッジで補助ストリームにHDR InfoFrameを挿入します。
表 13.  HDRデータモジュール (altera_hdmi_hdr_infoframe) の信号
信号 方向 説明
hb0 出力 8 Dynamic Range and Mastering InfoFrameのヘッダーバイト0: InfoFrameタイプコード
hb1 出力 8 Dynamic Range and Mastering InfoFrameのヘッダーバイト1: InfoFrameバージョン番号
hb2 出力 8 Dynamic Range and Mastering InfoFrameのヘッダーバイト2: InfoFrameの長さ
pb 入力 224 Dynamic Range and Mastering InfoFrameのデータバイト
表 14.  Dynamic Range and Mastering InfoFrameのデータ・バイト・バンドルのビットフィールド
ビットフィールド 定義 静的メタデータタイプ1
7:0 データバイト1: {5'h0, EOTF[2:0]}
15:8 データバイト2: {5'h0, Static_Metadata_Descriptor_ID[2:0]}
23:16 データバイト3: Static_Metadata_Descriptor display_primaries_x[0]、LSB
31:24 データバイト4: Static_Metadata_Descriptor display_primaries_x[0]、MSB
39:32 データバイト5: Static_Metadata_Descriptor display_primaries_y[0]、LSB
47:40 データバイト6: Static_Metadata_Descriptor display_primaries_y[0]、MSB
55:48 データバイト7: Static_Metadata_Descriptor display_primaries_x[1]、LSB
63:56 データバイト8: Static_Metadata_Descriptor display_primaries_x[1]、MSB
71:64 データバイト9: Static_Metadata_Descriptor display_primaries_y[1]、LSB
79:72 データバイト10: Static_Metadata_Descriptor display_primaries_y[1]、MSB
87:80 データバイト11: Static_Metadata_Descriptor display_primaries_x[2]、LSB
95:88 データバイト12: Static_Metadata_Descriptor display_primaries_x[2]、MSB
103:96 データバイト13: Static_Metadata_Descriptor display_primaries_y[2]、LSB
111:104 データバイト14: Static_Metadata_Descriptor display_primaries_y[2]、MSB
119:112 データバイト15: Static_Metadata_Descriptor white_point_x、LSB
127:120 データバイト16: Static_Metadata_Descriptor white_point_x、MSB
135:128 データバイト17: Static_Metadata_Descriptor white_point_y、LSB
143:136 データバイト18: Static_Metadata_Descriptor white_point_y、MSB
151:144 データバイト19: Static_Metadata_Descriptor max_display_mastering_luminance、LSB
159:152 データバイト20: Static_Metadata_Descriptor max_display_mastering_luminance、MSB
167:160 データバイト21: Static_Metadata_Descriptor min_display_mastering_luminance、LSB
175:168 データバイト22: Static_Metadata_Descriptor min_display_mastering_luminance、MSB
183:176 データバイト23: Static_Metadata_Descriptor Maximum Content Light Level、LSB
191:184 データバイト24: Static_Metadata_Descriptor Maximum Content Light Level、MSB
199:192 データバイト25: Static_Metadata_Descriptor Maximum Frame-average Light Level、LSB
207:200 データバイト26: Static_Metadata_Descriptor Maximum Frame-average Light Level、MSB
215:208 予約済み
223:216 予約済み

HDRの挿入とフィルタリングの無効化

HDRの挿入とフィルターを無効にすると、RX-TX Retransmitのデザイン例を変更することなく、ソースの補助ストリームですでに利用可能なHDRコンテンツの再送を確認することができます。

HDR InfoFrameの挿入とフィルタリングを無効にするには、aux_retransmit.vファイルでFILTER_AUX_PKT*パラメーターの値を任意の無効な補助パケット (8'hFFなど) に設定し、補助ストリームからHDR InfoFrameがフィルタリングされないようにします。