インテル® Quartus® Prime プロ・エディションのユーザーガイド: デザインの制約

ID 683143
日付 4/03/2023
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ドキュメント目次

3.5.1.1. ボードトレース・モデル

インテル® Quartus® Prime開発ソフトウェアでは、さまざまなI/O規格のボードトレース・モデルのテンプレートを提供します。

次の図では、2.5 V I/O規格のテンプレートを示しています。このモデルは、近端および遠端のボード・コンポーネント・パラメーターで構成されます。

近端のボードトレース・モデリングには、デバイスに近い要素が含まれます。遠端モデリングには、受信デバイスに近いリンクのレシーバーにある要素が含まれます。ボードトレース・モデルのトポロジーは概念的なものであり、すべてのコンポーネントの実際のボードトレースと必ずしも一致するわけではありません。例えば、近端モデルのパラメーターは、デバイス側のディスクリート終端およびブレークアウト・トレースを表すことができます。遠端モデリングは、ディスクリート外部メモリー・コンポーネントおよび遠端終端ネットワークへのボードトレースの大部分を表すことができます。メモリー・コンポーネントの終端を含むボード全体の近端モデリングと、実際のメモリー・コンポーネントの遠端モデリングを使用して、同じ回路を解析できます。

図 66. 2.5-VI/Oの標準ボードトレース・モデル

次の図では、LVDS I/O規格のテンプレートを示しています。遠端静電容量 (Cf) は、外部デバイスまたは複数デバイスの容量性負荷を表します。遠端に複数のデバイスがある場合は、すべてのレシーバーの静電容量を考慮して、遠端の等価静電容量を見つける必要があります。遠端静電容量は、すべてのレシーバーの静電容量の合計とすることができます。

インテル® Quartus® Prime開発ソフトウェアの伝送ラインモデルでは、伝送ラインの抵抗が考慮されていません (ロスレスモデル)。そのため、分布インダクタンス (L) とキャパシタンス (C) の値をインチ単位で指定するだけで済みます。これらの値は、PCBベンダーまたはメーカー、CAD Designツール、または Mentor Graphics* HyperLynx*ソフトウェアなどのシグナル・インテグリティー・ツールから入手できます。

図 67. LVDS差動ボードトレース・モデル