インテル® Cyclone® 10 GXコアファブリックおよび汎用I/Oハンドブック

ID 683775
日付 8/13/2021
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ドキュメント目次

1.2.3. 演算モード

演算モードの ALM は、2 つの専用全加算器と共に 2 つの 4 入力 LUT を 2 組使用します。

専用加算器は、LUT がプリ加算ロジックを実行でき、そのため、各加算器は 2 つの 4 入力ファンクションの出力を加算することができます。

ALM は組み合わせロジックの出力と加算器のキャリー出力の併用をサポートします。この動作では、加算器の出力は無視されます。

組み合わせロジックの出力と加算器を併用すると、このモードが使用できるファンクションのリソースを最大 50% 節約します。

また、演算モードではクロックイネーブル、カウンターイネーブル、同期アップ / ダウン・コントロール、加算 / 減算コントロール、同期クリアー、および同期ロードを提供します。

クロックイネーブル、カウンターイネーブル、同期アップ / ダウン・コントロール、および加算 / 減算コントロールの各信号は、LAB ローカル・インターコネクトのデータ入力により生成されます。これらのコントロール信号は、ALM 内の 4 つの LUT 間で共有される入力に使用できます。

同期クリアーオプションと同期ロードオプションは、LAB 内のすべてのレジスターに影響する LAB ワイド信号です。これらの信号は、各レジスターで個別にディスエーブルまたはイネーブルができます。Quartus Prime プロ・エディションソフトウェアは、カウンターで使用されていないレジスターを自動的に他の LAB に配置します。

図 11.  インテル® Cyclone® 10 GXデバイスの演算モードの ALM


キャリーチェーン

キャリーチェーンは、演算モードまたは共有演算モードで、専用加算器間の高速キャリー・ファンクションを提供します。

インテル® Cyclone® 10 GXデバイスの 2 ビット・キャリー選択機能は、ALM 内のキャリーチェーンの伝播遅延を半減させます。チャリーチェーンは、LAB 内の最初の ALM または 5 番目の ALM のいずれかで開始することができます。最後のキャリーアウト信号は ALM に接続され、そこでローカル、ロウ、カラムのいずれかのインターコネクトに供給されます。

高ファンイン演算ファンクションが実装される場合に、デバイス内で 1 つの小さな領域での配線の密集を防ぐため、LAB は、次の LAB に接続する前に LAB の上半分または下半分のいずれかのみを使用するキャリーチェーンをサポートすることができます。これにより、LAB 内の ALM の残り半分は、ノーマルモードでより狭いファンイン・ファンクションを実装する際に使用できます。最初の LAB 内の上位 5 つの ALM を使用するキャリーチェーンは、カラム内で次の LAB の ALM の上半分に取り込みます。また、最初の LAB 内の下位 5 つの ALM を使用するキャリーチェーンは、カラム内で次の LAB の ALM の下半分に取り込みます。なお、LAB カラムの上半分と MLAB カラムの下半分をバイパスすることもできます。

Quartus Prime プロ・エディションのコンパイラーは、複数の LAB を自動的にリンクさせることで、20 個以上の ALM ( 演算モードまたは共有演算モードでは 10 個の ALM ) で構成される長いキャリーチェーンを作成します。フィッティング機能を強化するため、長いキャリーチェーンは垂直に並べ、TriMatrix メモリーおよび DSP ブロックへの水平方向の接続を高速化することができます。キャリーチェーンはカラム全体に延長できます。