インテル® Stratix® 10 LタイルおよびHタイル・トランシーバーPHYユーザーガイド

ID 683621
日付 3/03/2020
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ドキュメント目次

7. キャリブレーション

トランシーバーには、プロセス、電圧、および温度 (PVT) の変動を補償するためのキャリブレーションが必要なアナログブロックおよびデジタルブロックの両方が含まれています。インテルStratix 10トランシーバーは、強化されたPrecision Signal Integrity Calibration Engine (PreSICE) を使用して、キャリブレーション・ルーチンを実行します。各トランシーバー・タイルにはPreSICEエンジンがあります。デザインで24を超えるトランシーバー・チャネルを使用している場合、トランシーバーはタイルごとにキャリブレーションを行います。これは、タイル1のチャネル0およびタイル2のチャネル0が同時にキャリブレーションされることを意味します。

Power-up Calibration、Background Calibration、およびUser Recalibrationがキャリブレーションの主要なタイプとなります。

  • パワーアップ・キャリブレーションはデバイス起動時に自動的に開始し、デバイスのコンフィグレーション中に実行します。
  • バックグラウンド・キャリブレーションをイネーブルすると、バックグラウンド・キャリブレーションはバックグラウンドで継続的に実行されます。
  • ダイナミック・リコンフィグレーションを使用して、ユーザー・リキャリブレーションをトリガーします。この場合、ユーザーが必要なキャリブレーション・シーケンスをイネーブルする必要があります。
注: バックグラウンド・キャリブレーションをサポートしているのは、Hタイル・プロダクション・デバイスのみです。

インテルQuartus Prime開発ソフトウェアの以前のバージョンから、インテルQuartus Prime開発ソフトウェア・バージョン18.1以降にアップグレードする場合、ネイティブPHY IPは、17.5 Gbps以上のデータレートで動作するHタイルGXTデザイン・トランシーバー・リンクを自動的にEnable background calibrationにアップグレードします。特定の要件およびバックグラウンド・キャリブレーションを制御する方法の詳細については、バックグラウンド・キャリブレーションを参照してください。

インテルStratix 10デバイスは、OSC_CLK_1 ピンを使用して、トランシーバーのキャリブレーション・クロック・ソースを提供します。25、100、または125 MHzのフリーランニングで安定したクロックを OSC_CLK_1 に提供する必要があります。

FPGAのInternal Oscillatorは、トランシーバーのキャリブレーションには使用できません。このクロックソースをインテルQuartus Prime設定の中のConfiguration clock sourceとして選択しないでください。

このクロックを提供することに加えて、Quartus assignmentsで適切な周波数も選択する必要があります。

Quartus assignments > Device > Device and Pin Options > Configuration clock source
  1. メニューを下にスクロールします。
  2. 25100、または125 MHz OSC_CLK_1 ピンオプションを選択します。
図 245. キャリブレーション・クロック・オプション
注:

選択したクロックソースが.qsfに次のように表示されます。

set_global_assignment -name DEVICE_INITIALIZATION_CLOCK OSC_CLK_1_125MHz

FPGA内には、OSC_CLK_1 からクロックを受信し、PreSICEに250MHzのキャリブレーション・クロックを提供するPLLがあります。トランシーバーPLL (ATX PLL、fPLL、CDR/CMU PLL) を駆動するすべてのリファレンス・クロックは、FPGAコンフィグレーションを開始する前に安定した周波数を持ち、フリーランニングである必要があります (FPGAの nCONFIG 入力をHighにプルします)。OSC_CLK_1 ピン要件の詳細については、Intel Stratix 10 GX and SX Device Family Pin Connection Guidelinesを参照してください。