High Bandwidth Memory (HBM2) Interface Intel® FPGA IPユーザーガイド

ID 683189
日付 10/05/2020
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ドキュメント目次

6.3. ユーザーAXIインターフェイスのタイミング

このセクションでは、ユーザーロジックとHBM2コントローラーとの間のインターフェイスのタイミングについて詳しく説明します。 ユーザー・インターフェイス信号は、AXI4プロトコル仕様に従い、HBM2コントローラーとの間でデータをやり取りします。

AXIインターフェイスを構成するのは、次のチャネルです。

  • Write Addressチャネル: マスター (ユーザーロジック) では、関連信号を提供して、書き込みコマンドをスレーブ (HBM2コントローラー) に対して発行します。
  • Write Dataチャネル: マスターでは、書き込みアドレスに対応する書き込みデータ信号を提供します。
  • Write Responseチャネル: スレーブでは、発行された書き込みコマンドのステータスに関する応答をマスターに対して提供します。
  • Read Addressチャネル: マスターでは、関連信号を提供して、読み出しコマンドをスレーブに対して発行します。
  • Read Dataチャネル: スレーブでは、読み出しコマンドに対応する読み出しデータおよび読み出しデータ有効信号をマスターに対して提供します。

この5つのチャネルのすべてのトランザクションでは、ハンドシェイク・メカニズムをマスターとスレーブに対して使用して、情報を通信およびと転送します。

ハンドシェイク・プロトコル

5つのトランザクション・チャネルのすべてで、同じVALID/READYハンドシェイク・プロセスを使用して、アドレス、データ、および制御情報を転送します。マスターとスレーブの両方で、マスターとスレーブ間の情報移動速度を制御できます。ソースでは、VALID信号を生成して、アドレス、データ、または制御情報の可用性を示します。デスティネーションでは、READYシグナルを生成して、情報受け入れが可能であることを示します。転送が発生するのは、VALID信号とREADY信号の両方がHIGHの場合のみです。

図 21. AXIプロトコル・ハンドシェイク・プロセス

上の図において、ソースでは、アドレス、データ、または制御情報をT1の後に提示して、VALID信号をアサートします。デスティネーションでは、READY信号をT2の後にアサートします。ソースでは、このアサートが発生した場合は、転送がT3で発生するまで、情報を安定させる必要があります。この例では、ソースによってVALID信号をアサートするのは、デスティネーションによるREADY信号のアサートより前です。ソースでVALID信号をアサートしたら、アサート状態のまま、ハンドシェイクがクロックの立ち上がりエッジで発生するまで保ってください。立ち上がりエッジでは、VALIDとREADYの両方がHighです。デスティネーションでREADYをアサートしたら、READYをデアサートできるのは、ソースによるVALIDのアサート前です。デスティネーションによってREADYをアサートできるのは、データの受け入れ準備ができているときか、またはソースからのVALIDアサートに応答する場合です。

AXI ID

AXIシステムに複数のマスターがある場合、順序付けモデルに使用するAXI IDには、インフラストラクチャーIDが含まれていて、それによって各マスターを一意に識別します。順序付けモデルは、システム内の各マスターに個別に適用されます。

AXI順序付けモデルではまた、トランザクションが同じIDで同じ方向の場合は、応答の提供は、発行された順序で行う必要があります。読み出しアドレスチャネルと書き込みアドレスチャネルは独立しているため、IDが同じで方向が異なる2つのトランザクションの間に順序関係が必要な場合、マスターでは、最初のトランザクションに対する応答を受け取るのを待ってから、2番目のトランザクションを発行しなくてはいけません。マスターによって一方向のトランザクションが発行されるのが、以前に発行された反対方向のトランザクションに対する応答を受け取る前だった場合は、2つのトランザクション間には順序付けの保証はありません。

AXIの順序付け

AXIシステムでは、読み出しトランザクションと書き込みトランザクションとの間の順序付け制限はありません。読み出しと書き込みの完了は、任意の順序でできます。これは、読み出しトランザクションの読み出しアドレスAXI ID (ARID) が、書き込みトランザクションの書き込みアドレスAXI ID (AWID) と同じ場合でも適用します。マスターで、読み出しトランザクションと書き込みトランザクションの間に特定の関係が必要な場合は、以前のトランザクションの完了が、後続のトランザクションの発行前であることを確認してください。マスターによって、以前のトランザクションが完了したと見なすことができるのは、次のいずれかが当てはまる場合のみです。

  • 読み出しトランザクションでは、最後の読み出しデータを受け取った場合。
  • 書き込みトランザクションでは、書き込み応答を受け取った場合。