デバイス固有の電源供給ネットワーク (PDN) ツール2.0 ユーザーガイド

ID 683293
日付 12/15/2017
Public
ドキュメント目次

1.2.1.2. FEFFECTIVE

上記で説明したように、コンデンサーは、過渡電流に対して電力とグランドの間に最小インピーダンス経路を提供することにより、PDN インピーダンスを低減します。高周波数でのコンデンサーのインピーダンスは、寄生成分 (ESL とESR) によって決まります。コンデンサーを搭載したPCB の場合、寄生成分には、コンデンサー自体の寄生成分だけでなく、実装、PCB スプレッディング、およびパッケージングに関連する寄生成分も含まれます。したがって、PCB コンデンサーの寄生成分は一般にオンダイ・コンデンサーの寄生成分よりも高くなります。その結果、PCB コンデンサーを使用したデカップリングは、高周波数では無効になります。有効周波数範囲を超えてPDN デカップリングにPCB コンデンサーを使用すると、PDN の性能が改善されず、部品表 (BOM) コストが増大します。

PCB デカップリングの過剰デザインを軽減するために、PDN ツールのこのリリースでは、別のガイドラインとして提案されたPCB デカップリング・デザイン・カットオフ周波数 (FEFFECTIVE) を提供します。ZEFF をZTARGET の下でFEFFECTIVE までに維持するPCB デカップリングのみをデザインする必要があります。ZEFF はPCB デザインのインピーダンス・プロファイルであり、以下を含むすべてのPDN 関連デザインの寄生成分を含みます。

  • VRM R およびL
  • PCB スプレッディングR およびL
  • プレーンR およびC
  • デカップリング・コンデンサー
  • BGA ビアR およびL

FEFFECTIVE は、オンボード・デカップリング・コンデンサーの有効周波数を定義します。

ZEFF が高すぎる場合、またはデカップリング用のコンデンサーの数が多すぎる場合は、ZEFF のトラブルシューティングを参照してください。

注: インテルFPGA デバイスが別のデバイスと電源レールを共有する場合、FEFFECTIVE では不十分な場合があります。他のデバイスから生成されたノイズはPDN に沿って伝搬し、FPGA デバイスの性能に影響します。ノイズの周波数は、ノイズ源とFPGA デバイス間の伝達インピーダンスによって決まり、FEFFECTIVE よりも高くなることがあります。PDN の寄生インダクタンスを低減し、FPGA デバイスとノイズ源の間のアイソレーションを向上させることで、このリスクが低減されます。ノイズ干渉のリスクを明確に特定するには、伝達インピーダンス解析を実行する必要があります。