インテル® Stratix® 10デバイスのデザイン・ガイドライン

ID 683738
日付 6/30/2020
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ドキュメント目次

電力および熱の見積もり

表 11.  電力および熱の見積もり
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1   インテル® FPGA Power and Thermal Calculator (PTC) を使用して消費電力を見積もり、冷却ソリューションおよび電源のプランニングをロジックデザインの完了前に行います。

FPGAの消費電力はデザインの重要な考慮事項であり、正確に見積もる必要があります。これにより、適切な電力バジェットを策定し、電源、電圧レギュレーター、デカップラー、ヒートシンク、および冷却システムをデザインします。電力の見積もりと解析には、次の2つの重要なプランニング要件があります。

  • 熱プランニング:冷却ソリューションは、デバイスによって発生した熱を十分に放熱させる必要があります。特に、計算された接合部温度は通常のデバイス仕様に収まる必要があります。
  • 電源プランニング: 電源から十分な電流を供給し、デバイス動作をサポートする必要があります。

FPGAデバイスの消費電力は、ロジックデザインに依存します。この依存関係によって、早期ボード仕様およびレイアウト段階での消費電力の見積もりが困難になることがあります。インテルPTC ツールを使用すると、電力使用率の見積もりをデザインの完成前に行うことができます。そのためには、デザインで使用するデバイスやデバイスリソースのほか、動作周波数、トグルレート、および環境考慮事項に関する情報を処理します。このツールを使用して熱デザイン・パラメーターを取得し、それにより詳細な熱シミュレーションおよび冷却ソリューション・デザインを実行します。

既存のデザインがない場合は、デザインで使用するデバイスリソース数を見積もり、手入力します。PTCツールの精度は、入力内容とデバイスリソースの見積もりによって異なります。この情報が変更されると (デザイン中またはデザイン完了後)、電力見積もり結果の精度が低下します。既存のデザインまたは部分的にコンパイルが完了したデザインがある場合は、Generate Early Power Estimator File コマンドを インテル® Quartus® Prime開発ソフトウェアで使用して、スプレッドシートに入力します。

PTCでは、 インテル® Quartus® Primeによって生成された電力見積もりファイル (.qptc ファイル) を読み出します。旧バージョンのPower Estimatorツール (Early Power Estimator (EPE)) で生成された .csv ファイルの読み出しもできます。また、PTCツールにデータを手動で転送することもできます。これには、 インテル® Quartus® Primeプロ・エディションで生成されたデザインのコンパイルレポートのリソース使用率を参照します。既存の インテル® Quartus® Primeプロジェクトが、完全なデザインの一部のみの場合は、最終デザインで使用する追加のリソースを手動で入力する必要があります。PTCツールへの入力を編集してデバイスリソースを追加できます。また、パラメーターの調整は、電力見積もりファイル情報のインポート後に行うこともできます。

デザインが完了すると、 インテル® Quartus® Prime開発ソフトウェアのPower Analyzerツールでは、電力をさらに正確に見積もり、熱バジェットと供給バジェットに違反しないようにします。電力を最も正確に見積もるには、ゲートレベルのシミュレーション結果をサードパーティー・シミュレーション・ツールの出力ファイル (.vcd) で使用します。

注: PTCツールの入手については、最寄りの販売代理店にお問い合わせください。