2.1.4. レシーバーの設定
レシーバーはチャネルから波形を受信し、レシーバー・イコライザーとクロックおよびデータ回復モジュールを介して波形を処理します。

Advanced Link Analyzerでは、レシーバーに対して次の設定とコンフィグレーションを提供しています。
レシーバー
次のレシーバーの種類がサポートされています。
- Stratix® V GX
- Arria® V GZ
- Stratix® V GT
- インテルArria 10 GX/SX
- インテルArria 10 GT
- インテルStratix 10 Lタイル (ラッパーサポート)
- インテルStratix 10 Hタイル (ラッパーサポート)
- インテルStratix 10 Eタイル (ラッパーサポート)
- インテルStratix 10 Pタイル (ラッパーサポート)
- インテルAgilex Eタイル (ラッパーサポート)
- インテルAgilex Pタイル (ラッパーサポート)
- インテルAgilex Rタイル (ラッパーサポート)
- インテルAgilex Pタイル (ラッパーサポート)
- インテルAgilex Fタイル汎用トランシーバー・ブロック (ラッパー サポート)
- インテルAgilex Fタイル高速トランシーバー・ブロック (ラッパー サポート)
- IBIS-AMI
- IBIS-AMI with Input Clock
- Custom
- PCI Express* 8GT
- PCI Express* 16GT
- PCI Express* 32GT
レシーバー設定内のパラメーターまたは選択は、レシーバーのタイプに固有です。例えば、パッケージモデル、使用可能なCDR (Clock and Data Recovery) のタイプと帯域幅、使用可能なCTLE (Continuous Time Linear Equalizer) の選択、DFE動作モードと設定、および追加のレシーバーオプションが設定され、新しいデバイスが選択された際に表示されます。新しいレシーバーが選択されると、Link Designerに自動的に挿入され、他のリンク・コンポーネントに接続できるようになります。
パッケージ
レシーバーデバイスのパッケージタイプを選択します。インテル製品および PCI Express* 8GTレシーバーの場合、パッケージモデルはレシーバーモデルに含まれます。Customデバイスの場合、「Package」チャネル・コンポーネントを挿入することによって、チャネル設定でパッケージモデルを指定できます。Customパッケージタイプ (トランスミッター・デバイス用) を選択すると、組み込みパッケージモード (使用可能な場合) がディスエーブルになり、Link DesignerワークスペースでPackageタイプのチャネル・コンポーネント (Sパラメーターなど) を追加できます。Customパッケージモデルは、正しくシミュレートおよび解析できるように、レシーバーモジュールに隣接して配置する必要があります。Customパッケージタイプを選択しても、Packageタイプのチャネル・コンポーネントをLink Designerワークスペースに追加しない場合、レシーバーはパッケージモデルなしでシミュレートされます。PackageプルダウンメニューからPackage Designerを選択すると、パッケージモデルをデザインまたはカスタマイズするためのReceiver Package Designerが開きます。パッケージデザイナーのコンフィグレーション方法については、トランスミッター設定の「Transmitter Package Designerのユーザー・インターフェイス」の図と説明を参照してください。
Advanced Link Analyzerには、次のレシーバーのパッケージモデルが付属しています。
- Stratix® V GX
- Arria® V GZ
- Stratix® V GT
-
インテル® Arria® 10 GX/SX
オプション: インテルArria 10デバイスでは、追加のパッケージモデル (次の図に示されています) を使用できます。パッケージモデルは、パッケージ内のトレース長として指定されます。これらのモデルは、インテルArria 10トランシーバー・レシーバーにおけるパッケージのトレース長の範囲をカバーするために選択されています。
- Default - デフォルトのパッケージモデルは、14 mmオプションと同じです。
- 14mm
- 16.5mm
- 20mm
- 24mm
デザインをインテルArria 10パッケージ・モデル・オプションと組み合わせる方法を知りたい場合は、マイ・インテル・サポートにお問い合わせください。
図 45. インテル® Arria® 10レシーバーパッケージのオプション - インテル® Arria® 10 GT - インテル® Arria® 10 GX/SXと同じオプションです。
- インテル® Stratix® 10 Lタイル/Hタイル/Eタイル (ラッパーサポート) - Typical、Minimum、およびMaximumのパッケージモデルが提供されます。
- PCI Express* 8GT
- PCI Express* 16GT (プレースホルダーのみ。シミュレーションには、カスタム・パッケージ・モデルを使用します)
- PCI Express* 32GT
CTLE設定
CTLE (Continuous-Time Linear Equalizer) の動作モードとモデルを選択または指定します。Auto、 Manual、およびOff (使用可能な場合) 設定がサポートされています。
- Intel device receivers:
- Stratix® V GX、 Arria® V GZ、 Stratix® V GT、 インテル® Arria® 10 GX/SXおよび インテル® Arria® 10 GT CTLEモデルは、Advanced Link Analyzerに組み込まれています。
- Auto設定とManual設定の両方がサポートされています。
- Manual設定では、EQ Bandwidth、AC Gain、およびDC Gainメニューが表示され、ユーザーが選択できます。
- Auto設定では、使用するEQ帯域幅と最大CTLE DCゲインレベル (使用可能な場合) を選択します。
- Advanced Link Analyzerでは、インテル独自のアルゴリズムを使用して、Auto設定で最適なCTLE設定を検出します。
注: IBIS-AMIラッパーモードでは、CTLE Settingメニューに、IBIS-AMIモデルから派生したパラメーター選択を含めることができます。動作モードの定義については、IBIS-AMIモデルのユーザー ガイドを参照してください。 - Custom receiver and PCI Express* 8GT/16GT/32GT receiver - プルダウンメニューに一覧表示されているCTLEゲイン (dB) を選択または入力できます。カスタムCTLEモデルは、 PCI Express* 8GT CTLE動作モデル・テンプレートとIEEE 802.3cd COM CTLEモデル・テンプレートを使用できます。詳細については、「レシーバーオプション」の項を参照してください。
VGA帯域幅
インテル® Arria® 10 GX/SX/GTモデルが選択されている場合、VGA Bandwidthの選択が可能です。使用可能なVGA帯域幅設定がプルダウンメニューに表示されます。デフォルト設定は4 (最高帯域幅) です。
VGAゲイン
インテル® Arria® 10 GX/SX/GT、 インテル® Stratix® 10 Lタイル、または インテル® Stratix® 10 Hタイルモデルが選択されている場合、VGA Gainの選択が可能です。使用可能なVGAゲイン設定がプルダウンメニューに一覧表示されます。Auto (デフォルト設定) が選択されている場合、VGAゲイン設定はレシーバーのモデルによって決まります。
DFEモード
DFEは、Auto mode、Manual modeで動作するか、ディスエーブルすることができます。
- Intel receivers:
- Stratix® V GX、 Arria® V GZ、 インテル® Arria® 10 GX/SXと インテル® Arria® 10 GTモデルは、AutoモードとManualモードの両方でサポートされています。
- AutoモードでのAdvanced Link Analyzerは、指定されたリンク・コンフィグレーションに最適なDFE設定を検出します。
- Manualモードでは、各DFEタップレベルを選択して設定します。
- インテル® Arria® 10 GX/SX/GTの場合、フローティングDFEタップはサポートされなくなりました。フローティングDFEタップ機能をディスエーブルするには、First Floating DFE TapプルダウンメニューでOffを選択します。
- Custom receiver and PCI Express* receivers - Advanced Link Analyzerでは、一般的な動作DFEモデルを実装します。Receiver Options Windowで、DFEモデルをカスタマイズできます。
CDRタイプとCDR帯域幅
レシーバーで使用されるClock and Data Recovery (CDR) モジュールのタイプを選択します。理想的なクロックと、サポートされているCDRタイプの2つのオプションがあります。理想的なクロックオプションを選択すると、理想的なシステムクロックを使用してアイ・ダイアグラムがプロットされます。CDRをイネーブルすると、理想的なクロックのアイ・ダイアグラムとCDRリタイミングのアイ・ダイアグラムの両方が表示されます。
- Intel Receivers - Stratix® V GX、 Arria® V GZ、 Stratix® V GT、 インテル® Arria® 10 GX/SXおよび インテル® Arria® 10 GT、 インテル® Cyclone® 10 GX Hybrid CDRモデルがサポートされています。CDRモデルとコンフィグレーションは、データレートとCDR帯域幅の設定に従って自動的にコンフィグレーションされます。CDR帯域幅のコンフィグレーションについては、インテルのデザインガイドを参照してください。IBIS-AMIラッパー・テクノロジーでサポートされているインテルデバイスでは、CDRは基礎となるレシーバーIBIS-AMIモデル内でモデル化されます。詳細については、IBIS-AMIモデルのユーザーガイドを参照してください。
- Custom receiver and PCI Express* 8GT/16GT/32GT receivers - バンバン位相検出器を備えた汎用CDRがサポートされています。汎用レシーバーのCDR帯域幅は、18 MHz (低帯域幅)、26 MHz (中帯域幅)、および34 MHz (高帯域幅) です。
供給電圧
サポートされているデバイスでは、供給電圧を選択できます。 インテル® Arria® 10 GX/SX/GTおよび インテル® Cyclone® 10 GXレシーバーモデルは、次の供給電圧を提供します。
- 0.95 V ( インテル® Arria® 10 GX/SX/GTおよび インテル® Cyclone® 10 GX)
- 1.03 V ( インテル® Arria® 10 GX/SX/GTおよび インテル® Cyclone® 10 GX)
- 1.12 V ( インテル® Arria® 10 GT)
Vcm
Vcmは、レシーバー入力信号の共通電圧です。Vcmオプションは、CTLEモードがQPIの場合にのみ使用できます。
PVT
選択したレシーバーデバイスのプロセス、電圧、および温度 (PVT) モデルを選択します。PVTモデルのサポートは、デバイスタイプ、デバイスデータの可用性、およびモデルカバレッジによって異なります。Receiverタブページに、PVTモデルカバレッジを示すメッセージが表示されます。レシーバーのPVTモデルカバレッジと条件を次の表に示します。
レシーバーの種類 | 波形PVTモデル | ジッター/ノイズPVTモデル |
---|---|---|
Stratix® V GX | Typical | Process: Typical/Fast/Slow Voltage: Typical/High/Low Temperature: –40°C~100°C |
Arria® V GZ | Typical | Process: Typical/Fast/Slow Voltage: Typical/High/Low Temperature: –40°C~100°C |
Stratix® V GT | Typical | Process: Typical/Fast/Slow Voltage: Typical/High/Low Temperature: 0°C~100°C |
インテル® Arria® 10 GX/SX | Typical/Fast/Slow | Slow |
インテル® Arria® 10 GT | Typical/Fast/Slow | Slow |
インテル® Stratix® 10 Lタイル/Hタイル/Eタイル/Pタイル | Typical/Fast/Slow | Slow |
ラッパーサポートされたインテル IBIS-AMIモデル | IBIS-AMIモデルにより提供 | IBIS-AMIモデルにより提供 |
インテル® Cyclone® 10 GX | Typical/Fast/Slow | Slow |
IBIS-AMI | IBIS-AMIモデルにより提供 | IBIS-AMIモデルにより提供 |
Custom | なし | なし |
PCI Express* 8GT/16GT/32GT | なし | なし |
温度範囲
インテル® Arria® 10の場合、デバイスモデルには温度範囲依存性があります。Industrial用の温度範囲は-40 °Cから100 °C、Extended用では0 °C~105 °C、Military用では-40 °C~125 °C です。デフォルト設定はIndustrial用の温度範囲です。サポートされている温度範囲については、デバイスのデータシートを参照してください。データシートの値は、このドキュメントの値よりも優先されます。
インテル® Arria® 10 GX/SX/GTレシーバー向けのAdvanced Link Analyzerから インテル® Quartus® Primeパラメーターへの変換
次の表では、Advanced Link Analyzerの インテル® Arria® 10 GX/SX/GTレシーバーモデルのパラメーターと インテル® Quartus® Prime開発ソフトウェアのAssignments Editorエントリーとの間のマッピングを示しています。特に明記しない限り、値は2つのドメイン間で直接変換されます。
Advanced Link Analyzerでの名前 | インテル® Quartus® Primeでの名前 |
---|---|
Receiver On-Chip- Termination | |
Supply Voltage | Vccer/Vccet Power |
CTLE Setting / Mode | Eq_bw_sel (イコライザー帯域幅選択) Receiver High Data Rate Mode Equalizer = 1の場合
Receiver High Data Rate Mode Equalizer = 0の場合
|
VGA BW | VGA_bandwidth_Select |
CTLE Setting / Mode | Receiver High Data Rate Mode Equalizer Receiver High Data Rate Mode Equalizer = 1の場合
Receiver High Data Rate Mode Equalizer = 0の場合
|
CTLE Setting
|
インテル® Arria® 10トランシーバーPHYユーザーガイドを参照してください。 |
AC Gain with CTLE Setting = Manual Mode = High Data Rate | Receiver High Data Rate Mode Equalizer AC Gain Control |
AC Gain with CTLE Setting = Manual Mode = High Gain | Receiver High Gain Mode Equalizer AC Gain Control |
DC Gain with CTLE Setting = Manual Mode = High Gain | Receiver High Gain Mode Equalizer DC Gain Control |
VGA Gain | Receiver Variable Gain Amplifier Voltage Swing Select |
DFE Mode | Receiver Decision Feedback Equalizer Mode |
DFE Tap 1 | Receiver Decision Feedback Equalizer Fix Tap One Coefficient |
DFE Tap 2 | Receiver Decision Feedback Equalizer Fix Tap Two Coefficient |
DFE Tap 3 | Receiver Decision Feedback Equalizer Fix Tap Three Coefficient |
DFE Tap 4 | Receiver Decision Feedback Equalizer Fix Tap Four Coefficient |
DFE Tap 5 | Receiver Decision Feedback Equalizer Fix Tap Five Coefficient |
DFE Tap 6 | Receiver Decision Feedback Equalizer Fix Tap Six Coefficient |
DFE Tap 7 | Receiver Decision Feedback Equalizer Fix Tap Seven Coefficient |
RX Impedance (Receiver Options / TerminationのR) |
Receiver On-Chip- Termination |
CDR Type Hybrid |
Intel Arria 10 Transceiver CMU PLL |
CDR Bandwidth | PLL OptionsのBandwidth |