Advanced Link Analyzer: ユーザーガイド

ID 683448
日付 4/27/2022
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ドキュメント目次

2.1.4. レシーバーの設定

レシーバーはチャネルから波形を受信し、レシーバー・イコライザーとクロックおよびデータ回復モジュールを介して波形を処理します。

図 44.  Advanced Link Analyzer レシーバーの設定

Advanced Link Analyzerでは、レシーバーに対して次の設定とコンフィグレーションを提供しています。

レシーバー

次のレシーバーの種類がサポートされています。

  • Stratix® V GX
  • Arria® V GZ
  • Stratix® V GT
  • インテルArria 10 GX/SX
  • インテルArria 10 GT
  • インテルStratix 10 Lタイル (ラッパーサポート)
  • インテルStratix 10 Hタイル (ラッパーサポート)
  • インテルStratix 10 Eタイル (ラッパーサポート)
  • インテルStratix 10 Pタイル (ラッパーサポート)
  • インテルAgilex Eタイル (ラッパーサポート)
  • インテルAgilex Pタイル (ラッパーサポート)
  • インテルAgilex Rタイル (ラッパーサポート)
  • インテルAgilex Pタイル (ラッパーサポート)
  • インテルAgilex Fタイル汎用トランシーバー・ブロック (ラッパー サポート)
  • インテルAgilex Fタイル高速トランシーバー・ブロック (ラッパー サポート)
  • IBIS-AMI
  • IBIS-AMI with Input Clock
  • Custom
  • PCI Express* 8GT
  • PCI Express* 16GT
  • PCI Express* 32GT

レシーバー設定内のパラメーターまたは選択は、レシーバーのタイプに固有です。例えば、パッケージモデル、使用可能なCDR (Clock and Data Recovery) のタイプと帯域幅、使用可能なCTLE (Continuous Time Linear Equalizer) の選択、DFE動作モードと設定、および追加のレシーバーオプションが設定され、新しいデバイスが選択された際に表示されます。新しいレシーバーが選択されると、Link Designerに自動的に挿入され、他のリンク・コンポーネントに接続できるようになります。

パッケージ

レシーバーデバイスのパッケージタイプを選択します。インテル製品および PCI Express* 8GTレシーバーの場合、パッケージモデルはレシーバーモデルに含まれます。Customデバイスの場合、「Package」チャネル・コンポーネントを挿入することによって、チャネル設定でパッケージモデルを指定できます。Customパッケージタイプ (トランスミッター・デバイス用) を選択すると、組み込みパッケージモード (使用可能な場合) がディスエーブルになり、Link DesignerワークスペースでPackageタイプのチャネル・コンポーネント (Sパラメーターなど) を追加できます。Customパッケージモデルは、正しくシミュレートおよび解析できるように、レシーバーモジュールに隣接して配置する必要があります。Customパッケージタイプを選択しても、Packageタイプのチャネル・コンポーネントをLink Designerワークスペースに追加しない場合、レシーバーはパッケージモデルなしでシミュレートされます。PackageプルダウンメニューからPackage Designerを選択すると、パッケージモデルをデザインまたはカスタマイズするためのReceiver Package Designerが開きます。パッケージデザイナーのコンフィグレーション方法については、トランスミッター設定の「Transmitter Package Designerのユーザー・インターフェイス」の図と説明を参照してください。

Advanced Link Analyzerには、次のレシーバーのパッケージモデルが付属しています。

  • Stratix® V GX
  • Arria® V GZ
  • Stratix® V GT
  • インテル® Arria® 10 GX/SX

    オプション: インテルArria 10デバイスでは、追加のパッケージモデル (次の図に示されています) を使用できます。パッケージモデルは、パッケージ内のトレース長として指定されます。これらのモデルは、インテルArria 10トランシーバー・レシーバーにおけるパッケージのトレース長の範囲をカバーするために選択されています。

    • Default - デフォルトのパッケージモデルは、14 mmオプションと同じです。
    • 14mm
    • 16.5mm
    • 20mm
    • 24mm

    デザインをインテルArria 10パッケージ・モデル・オプションと組み合わせる方法を知りたい場合は、マイ・インテル・サポートにお問い合わせください。

    図 45.  インテル® Arria® 10レシーバーパッケージのオプション

  • インテル® Arria® 10 GT - インテル® Arria® 10 GX/SXと同じオプションです。
  • インテル® Stratix® 10 Lタイル/Hタイル/Eタイル (ラッパーサポート) - Typical、Minimum、およびMaximumのパッケージモデルが提供されます。
  • PCI Express* 8GT
  • PCI Express* 16GT (プレースホルダーのみ。シミュレーションには、カスタム・パッケージ・モデルを使用します)
  • PCI Express* 32GT

CTLE設定

CTLE (Continuous-Time Linear Equalizer) の動作モードとモデルを選択または指定します。AutoManual、およびOff (使用可能な場合) 設定がサポートされています。

  • Intel device receivers:
    • Stratix® V GX、 Arria® V GZ、 Stratix® V GT、 インテル® Arria® 10 GX/SXおよび インテル® Arria® 10 GT CTLEモデルは、Advanced Link Analyzerに組み込まれています。
    • Auto設定とManual設定の両方がサポートされています。
    • Manual設定では、EQ Bandwidth、AC Gain、およびDC Gainメニューが表示され、ユーザーが選択できます。
    • Auto設定では、使用するEQ帯域幅と最大CTLE DCゲインレベル (使用可能な場合) を選択します。
    • Advanced Link Analyzerでは、インテル独自のアルゴリズムを使用して、Auto設定で最適なCTLE設定を検出します。
    注: IBIS-AMIラッパーモードでは、CTLE Settingメニューに、IBIS-AMIモデルから派生したパラメーター選択を含めることができます。動作モードの定義については、IBIS-AMIモデルのユーザー ガイドを参照してください。
  • Custom receiver and PCI Express* 8GT/16GT/32GT receiver - プルダウンメニューに一覧表示されているCTLEゲイン (dB) を選択または入力できます。カスタムCTLEモデルは、 PCI Express* 8GT CTLE動作モデル・テンプレートとIEEE 802.3cd COM CTLEモデル・テンプレートを使用できます。詳細については、「レシーバーオプション」の項を参照してください。

VGA帯域幅

インテル® Arria® 10 GX/SX/GTモデルが選択されている場合、VGA Bandwidthの選択が可能です。使用可能なVGA帯域幅設定がプルダウンメニューに表示されます。デフォルト設定は4 (最高帯域幅) です。

VGAゲイン

インテル® Arria® 10 GX/SX/GT、 インテル® Stratix® 10 Lタイル、または インテル® Stratix® 10 Hタイルモデルが選択されている場合、VGA Gainの選択が可能です。使用可能なVGAゲイン設定がプルダウンメニューに一覧表示されます。Auto (デフォルト設定) が選択されている場合、VGAゲイン設定はレシーバーのモデルによって決まります。

注: IBIS-AMIラッパーモードでは、VGA Gain自動チューニングはCTLE自動チューニングの一部です。ラップモードに「Auto」はありません。

DFEモード

DFEは、Auto modeManual modeで動作するか、ディスエーブルすることができます。

  • Intel receivers:
    • Stratix® V GX、 Arria® V GZ、 インテル® Arria® 10 GX/SXと インテル® Arria® 10 GTモデルは、AutoモードとManualモードの両方でサポートされています。
    • AutoモードでのAdvanced Link Analyzerは、指定されたリンク・コンフィグレーションに最適なDFE設定を検出します。
    • Manualモードでは、各DFEタップレベルを選択して設定します。
    • インテル® Arria® 10 GX/SX/GTの場合、フローティングDFEタップはサポートされなくなりました。フローティングDFEタップ機能をディスエーブルするには、First Floating DFE TapプルダウンメニューでOffを選択します。
  • Custom receiver and PCI Express* receivers - Advanced Link Analyzerでは、一般的な動作DFEモデルを実装します。Receiver Options Windowで、DFEモデルをカスタマイズできます。

CDRタイプとCDR帯域幅

レシーバーで使用されるClock and Data Recovery (CDR) モジュールのタイプを選択します。理想的なクロックと、サポートされているCDRタイプの2つのオプションがあります。理想的なクロックオプションを選択すると、理想的なシステムクロックを使用してアイ・ダイアグラムがプロットされます。CDRをイネーブルすると、理想的なクロックのアイ・ダイアグラムとCDRリタイミングのアイ・ダイアグラムの両方が表示されます。

  • Intel Receivers - Stratix® V GX、 Arria® V GZ、 Stratix® V GT、 インテル® Arria® 10 GX/SXおよび インテル® Arria® 10 GT、 インテル® Cyclone® 10 GX Hybrid CDRモデルがサポートされています。CDRモデルとコンフィグレーションは、データレートとCDR帯域幅の設​​定に従って自動的にコンフィグレーションされます。CDR帯域幅のコンフィグレーションについては、インテルのデザインガイドを参照してください。IBIS-AMIラッパー・テクノロジーでサポートされているインテルデバイスでは、CDRは基礎となるレシーバーIBIS-AMIモデル内でモデル化されます。詳細については、IBIS-AMIモデルのユーザーガイドを参照してください。
  • Custom receiver and PCI Express* 8GT/16GT/32GT receivers - バンバン位相検出器を備えた汎用CDRがサポートされています。汎用レシーバーのCDR帯域幅は、18 MHz (低帯域幅)、26 MHz (中帯域幅)、および34 MHz (高帯域幅) です。

供給電圧

サポートされているデバイスでは、供給電圧を選択できます。 インテル® Arria® 10 GX/SX/GTおよび インテル® Cyclone® 10 GXレシーバーモデルは、次の供給電圧を提供します。

  • 0.95 V ( インテル® Arria® 10 GX/SX/GTおよび インテル® Cyclone® 10 GX)
  • 1.03 V ( インテル® Arria® 10 GX/SX/GTおよび インテル® Cyclone® 10 GX)
  • 1.12 V ( インテル® Arria® 10 GT)

Vcm

Vcmは、レシーバー入力信号の共通電圧です。Vcmオプションは、CTLEモードがQPIの場合にのみ使用できます。

PVT

選択したレシーバーデバイスのプロセス、電圧、および温度 (PVT) モデルを選択します。PVTモデルのサポートは、デバイスタイプ、デバイスデータの可用性、およびモデルカバレッジによって異なります。Receiverタブページに、PVTモデルカバレッジを示すメッセージが表示されます。レシーバーのPVTモデルカバレッジと条件を次の表に示します。

表 12.  レシーバーのPVTモデルカバレッジ
レシーバーの種類 波形PVTモデル ジッター/ノイズPVTモデル
Stratix® V GX Typical Process: Typical/Fast/Slow Voltage: Typical/High/Low Temperature: –40°C~100°C
Arria® V GZ Typical Process: Typical/Fast/Slow Voltage: Typical/High/Low Temperature: –40°C~100°C
Stratix® V GT Typical Process: Typical/Fast/Slow Voltage: Typical/High/Low Temperature: 0°C~100°C
インテル® Arria® 10 GX/SX Typical/Fast/Slow Slow
インテル® Arria® 10 GT Typical/Fast/Slow Slow
インテル® Stratix® 10 Lタイル/Hタイル/Eタイル/Pタイル Typical/Fast/Slow Slow
ラッパーサポートされたインテル IBIS-AMIモデル IBIS-AMIモデルにより提供 IBIS-AMIモデルにより提供
インテル® Cyclone® 10 GX Typical/Fast/Slow Slow
IBIS-AMI IBIS-AMIモデルにより提供 IBIS-AMIモデルにより提供
Custom なし なし
PCI Express* 8GT/16GT/32GT なし なし

温度範囲

インテル® Arria® 10の場合、デバイスモデルには温度範囲依存性があります。Industrial用の温度範囲は-40 °Cから100 °C、Extended用では0 °C~105 °C、Military用では-40 °C~125 °C です。デフォルト設定はIndustrial用の温度範囲です。サポートされている温度範囲については、デバイスのデータシートを参照してください。データシートの値は、このドキュメントの値よりも優先されます。

インテル® Arria® 10 GX/SX/GTレシーバー向けのAdvanced Link Analyzerから インテル® Quartus® Primeパラメーターへの変換

次の表では、Advanced Link Analyzer インテル® Arria® 10 GX/SX/GTレシーバーモデルのパラメーターと インテル® Quartus® Prime開発ソフトウェアのAssignments Editorエントリーとの間のマッピングを示しています。特に明記しない限り、値は2つのドメイン間で直接変換されます。

表 13.   インテル® Arria® 10 GX/SX/GTおよび インテル® Stratix® 10 Lタイルレシーバー、 インテル® Cyclone® 10 GX向けのAdvanced Link Analyzerから インテル® Quartus® Primeパラメーターへの変換
Advanced Link Analyzerでの名前 インテル® Quartus® Primeでの名前
Receiver Options > Termination > R Receiver On-Chip- Termination
Supply Voltage Vccer/Vccet Power
CTLE Setting / Mode

Eq_bw_sel (イコライザー帯域幅選択)

Receiver High Data Rate Mode Equalizer = 1の場合

  • 1: Advanced Link Analyzer CTLE Setting / Mode = High Data Rate、Peak Freq 1
  • 2: Advanced Link Analyzer CTLE Setting / Mode = High Data Rate、Peak Freq 2
  • 3: Advanced Link Analyzer CTLE Setting / Mode = High Data Rate、Peak Freq 3
  • 4: Advanced Link Analyzer CTLE Setting / Mode = High Data Rate, Peak Freq 4

Receiver High Data Rate Mode Equalizer = 0の場合

  • 1: Advanced Link Analyzer CTLE Setting / Mode = High Gain、Low BW
  • 2: Advanced Link Analyzer CTLE Setting / Mode = High Gain、High BW
VGA BW VGA_bandwidth_Select
CTLE Setting / Mode

Receiver High Data Rate Mode Equalizer

Receiver High Data Rate Mode Equalizer = 1の場合

  • Advanced Link Analyzer CTLE Setting / Mode = High Data Rate

Receiver High Data Rate Mode Equalizer = 0の場合

  • Advanced Link Analyzer CTLE Setting / Mode = High Gain

CTLE Setting

  • Auto
  • Manual
インテル® Arria® 10トランシーバーPHYユーザーガイドを参照してください。
AC Gain with CTLE Setting = Manual Mode = High Data Rate

Receiver High Data Rate Mode Equalizer

AC Gain Control

AC Gain with CTLE Setting = Manual Mode = High Gain

Receiver High Gain Mode Equalizer

AC Gain Control

DC Gain with CTLE Setting = Manual Mode = High Gain

Receiver High Gain Mode Equalizer

DC Gain Control

VGA Gain

Receiver Variable Gain Amplifier

Voltage Swing Select

DFE Mode Receiver Decision Feedback Equalizer Mode
DFE Tap 1 Receiver Decision Feedback Equalizer Fix Tap One Coefficient
DFE Tap 2 Receiver Decision Feedback Equalizer Fix Tap Two Coefficient
DFE Tap 3 Receiver Decision Feedback Equalizer Fix Tap Three Coefficient
DFE Tap 4 Receiver Decision Feedback Equalizer Fix Tap Four Coefficient
DFE Tap 5 Receiver Decision Feedback Equalizer Fix Tap Five Coefficient
DFE Tap 6 Receiver Decision Feedback Equalizer Fix Tap Six Coefficient
DFE Tap 7 Receiver Decision Feedback Equalizer Fix Tap Seven Coefficient

RX Impedance

(Receiver Options / TerminationのR)

Receiver On-Chip- Termination

CDR Type

Hybrid

Intel Arria 10 Transceiver CMU PLL
CDR Bandwidth PLL OptionsのBandwidth