2.1.3.4. IBIS-AMIトランスミッターのコンフィグレーション

- Package - すべてのIBISモデルでパッケージモデルが必要です。Advanced Link Analyzerには、デフォルトでIBISパッケージモデルがシミュレーションに含まれています。Packageの選択をCustomに変更し、外部パッケージモデル (ChannelタイプPackage) をチャネル・コンポーネントとして指定することで、他のパッケージモデルを選択できます。
注: IBIS-AMIトランスミッターのパッケージモデルが1つだけになっていることを確認してください。パッケージタイプIBIS-AMIまたはパッケージタイプCustomを、回路図の外部パッケージモデルと共に使用します。リンクに複数のトランスミッターのパッケージモデルがある場合、シミュレーション・エラーが発生する可能性があります。
- IBIS Files - IBIS Fileテキストボックスの横にあるファイル・オープン・ボタンをクリックして、IBISモデルファイルを選択します。Advanced Link AnalyzerはIBISファイルをスキャンし、使用可能なすべてのトランスミッター・コンポーネントとモデルを割り当てます。Advanced Link AnalyzerでIBIS-AMIモデルを開く、または解釈する際に次の問題が発生した場合、警告メッセージが表示されます。
- トランスミッターのコンポーネントまたはモデルが見つかりません。
- コンピューター・プラットフォームのDLLが見つかりません。IBIS-AMIモデルは、プラットフォームに依存します。例えば、32ビットのリンク・シミュレーターでシミュレートするには32ビットDLLが必要であり、64ビットのシミュレーターでシミュレートするには64ビットDLLが必要です。32ビットDLLは、64ビットDLLシミュレーターでシミュレートできません。
- DLLがメモリーを占有しすぎており、Advanced Link Analyzerはそれをロードできませんでした。ただし、Advanced Link Analyzer GUIとシミュレーション・エンジンのメモリー割り当ての違いによっては、Advanced Link AnalyzerはそのようなDLLを使用してシミュレーションを実行できる場合があります。
- Component - IBISモデルから、IBISコンポーネントを選択します。
- IBISタブ - IBISタブには、次のコンフィグレーション・パラメーターが表示されます。
- Model - IBISモデルのコンポーネント内のデバイスモデルを選択します。
- Model Selector - モデル・セレクター・リストからモデルを選択します。
- Corner - デバイスモデルのコーナータイプを選択します。選択肢はTyp、Min、およびMaxです。
- AMI File - IBISモデルで指定されたAMIファイルを表示します。
注: Advanced Link Analyzerは現在、AMIモデリング・コンポーネントを備えたデバイスモデルのみをサポートしています。
- DLL File - IBISモデルで指定されたDLLファイルを表示します。
- Use External Termination - シミュレーションで外部終端が使用されていることを示します。外部終端 (シングルエンド) は、右側のテキストボックスで指定されます。デフォルト設定は外部終端を使用していません。デフォルトの外部終端 (該当する場合) は、50オーム (シングルエンド) です。
- Use Rising/Falling Waveform - IBISモデルで立ち上がり/立ち下がり波形が使用可能な場合、デフォルトで立ち上がり/立ち下がり波形を使用してトランスミッターをモデル化します。このオプションをオフにすると、(IBISモデルの) ランプデータがシミュレーションで使用されます。
- Automatic Jitter/Noise Update - IBIS-AMIモデルからのジッター/ノイズの自動更新を可能にします (IBIS-AMI 6.0以降に準拠するモデルで使用可能)。
注: IBIS AMIモデルをロードするときに予期しない長い遅延が発生した場合は、Automatic Jitter/Noise Updateをオフにしてディスエーブルすることができます。特定のIBIS-AMIモデルでは、ジッター/ノイズの取得中に計算集約型の機能 (イコライゼーション適応など) を実行することが確認されています。Manual Jitter/Noise Updateボタンを手動でクリックすることによって、ジッター/ノイズの数値を引き続き取得できます。
- Manual Jitter/Noise Update - Automatic Jitter/Noise Updateオプションがディスエーブルになっている場合、このオプションをオンにすると、IBIS-AMIモデルからジッター/ノイズ値を手動で更新できます (IBIS-AMI 6.0以降に準拠したモデルで使用可能)。
- DLL_Path - IBIS-AMIモデルのサポートファイルが保存されているフォルダーまたはパス名を指定します。詳細は、IBIS規格を参照してください。
AMIタブ
AMIタブには、次のAMIコンフィグレーション・パラメーターが表示されます。

- Model Name - IBIS-AMIのモデル名
- Reserved Parameters:
- IBIS-AMIの予約済みパラメーターが表示されます。予約済みパラメーターは、Advanced Link Analyzerシミュレーション・コンフィグレーション用です。
- IBIS-AMI Rev 5.0および6.0ジッター・パラメーター (Tx_Jitter) が抽出され、次の表に示す解釈で、TransmitterのJitter/Noiseウィンドウに自動的に設定されます。
表 11. IBIS-AMIジッター・パラメーター IBIS-AMI Tx_Jitterパラメーター
Advanced Link Analyzerの解釈
(Tx_Jitter (Usage Info)(Type Float)
(Format Gaussian <mean> <sigma>))
DJ = <mean> UI (pk) or ps (pk)。一様分布
RJ = <sigma> UI (RMS) or ps (RMS)
(Tx_Jitter (Usage Info)(Type Float)
(Format Dual-Dirac <mean> <mean> <sigma>))
DJ = (<mean> + <mean>)/2 UI (pk) or ps (pk)。Dual-Dirac分布
RJ = <sigma> UI (RMS) or ps (RMS)
(Tx_Jitter (Usage Info)(Type Float)
(Format DjRj < minDj > < maxDj > <sigma>))
DJ = <maxDJ> UI (pk) or ps (pk)。一様分布
RJ = <sigma> UI (RMS) or ps (RMS)
(Tx_Jitter (Usage Info)(Type Integer Float/UI Float)
(Format Table (Labels Row_No Time or UI Probability)
(-5 -5e-12 1e-10)
(-4 -4e-12 3e-7) … ))
Jitter/Noiseコンポーネントの項内のトランスミッター・ジッターの説明を参照してください。
IBIS-AMI Tx_DCDパラメーター
Advanced Link Analyzerの解釈
(Tx_DCD (Usage Info)(Type Float)
(Format Range <typ> <min> <max>))
DCD = <typ or min or max based on corner selection> UI (pk) or ps (pk)、クロックジッター分布
- Model Specific Parameters - このセクションでは、IBIS-AMIモデルが提供するすべてのモデル固有のパラメーターを一覧表示します。それらの選択を使用するか、またはシミュレーションのパラメーターを指定できます。
図 35. リンク最適化用のトランスミッターIBIS-AMIパラメーター・タイプの指定
Advanced Link Analyzerは、IBIS-AMIトランスミッター・モデルでのリンク最適化をサポートします。左側にあるのは、モデル固有のパラメーターです。Advanced Link Analyzerがスイープ可能であると判断した各パラメーターに対して、プルダウンメニューを使用してトランスミッター・パラメーターを割り当てることができます。トランスミッター・パラメーターのタイプは、次のとおりです。
- No Sweep - スイープもリンク最適化も実行されません。
- Sweep - Advanced Link Analyzerは、IBIS-AMIモデルによって提供される使用可能なオプションを使用して、スイープまたはリンク最適化を実行します。
- Sweep as TX Main Tap - Advanced Link Analyzerは、このパラメーターをリンク最適化のトランスミッター・イコライザーのメイン・カーソル・タップとして扱います。
- Sweep as TX Main Tap Sign - Advanced Link Analyzerは、このパラメーターをリンク最適化のメイン・カーソル・タップの符号ビットとして扱います。
- Sweep as TX Post-Tap n - Advanced Link Analyzerは、このパラメーターをリンク最適化でトランスミッター・イコライザーのn番目のポストカーソル・タップとして扱います。
- Sweep as TX Post-Tap n Sign - Advanced Link Analyzerは、このパラメーターをリンク最適化のn番目のポストカーソル・タップの符号ビットとして扱います。
- Sweep as TX Pre-Tap n - Advanced Link Analyzerは、このパラメーターをリンク最適化のトランスミッター・イコライザーのn番目のプリカーソル・タップとして扱います。
- Sweep as TX Pre-Tap n Sign - Advanced Link Analyzerは、このパラメーターをリンク最適化のn番目のプリカーソル・タップの符号ビットとして扱います。
IBIS-AMIモデルとパラメーター・タイプの選択で提供される情報を使用して、Advanced Link Analyzerはリンク最適化アプローチを決定し、シミュレーションを実行します。すべてのリンク最適化手法はIBIS-AMIトランスミッター・モデルでサポートされていますが、一般的には、CTLE=>FIR=>DFE手法とCTLE=>FIR+DFE手法が (シミュレーション時間の点において) より効率的かつ効果的です。モデル固有のパラメーターの性質を判断できない場合は、IBIS-AMIベンダーにご相談ください。トランスミッターのIBIS-AMIパラメーター・タイプ指定の例を、上の図に示しています。
インテルデバイスの場合、Advanced Link Analyzer IBIS-AMI Wrapper Technologyを使用することで、リンク最適化がさらに強化されます。したがって、インテルは、サポートされているすべてのデバイスにIBIS-AMIラッパーをインストールして使用することをお勧めします。
Statusタブ
Statusタブには、シミュレーション用にIBIS-AMIモデルに供給されるパラメーターが表示されます。

Advanced Link AnalyzerにおけるIBIS-AMIトランスミッター・モデリングのサポートについては、次の点を考慮してください。
- Advanced Link Analyzerでは、AMIコンポーネントを備えたIBISモデルのみをサポートします。AMIコンポーネントのないIBISモデルは、シミュレートされません。
- IBIS-AMIトランスミッターが選択されている場合、トランスミッターPLLはサポートされません。
- Advanced Link Analyzerでは、txic、Tstonefile、またはTs4file IBIS-AMIキーワードを使用して、オンダイSパラメーター・モデル (IBIS BIRD 158.3) でIBIS-AMIトランスミッター・モデルをサポートします。Advanced Link Analyzerがtxic、Tstonefile、またはTs4fileキーワードを検出すると、Channel WizardがオンダイSパラメーター・コンフィグレーションを決定するのに役立ちます。
クロックパスIBIS-AMIトランスミッター
クロックパスIBIS-AMIトランスミッターを選択してデザインスペースに配置すると、データパスIBIS-AMIトランスミッターのタブページの隣に、Clock IBIS、Clock AMI、およびClock Statusというタブページのグループが表示されます。ユーザー・インターフェイスの構造は、データパスIBIS-AMIトランスミッターの構造と似ています。唯一の例外は、クロックパスのパッケージモデルを選択するオプションがあることです。また、Jitter/Noiseコンポーネント で説明されているように、クロックパスのJitter/Noiseタブページを使用して、クロック・パス・トランスミッターのジッター/ノイズをコンフィグレーションすることも可能です。


