Advanced Link Analyzer: ユーザーガイド

ID 683448
日付 4/27/2022
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ドキュメント目次

2.1.2. Link and Simulation Setting

Link and Simulation Settingタブでは、グローバル・リンク・パラメーターとシミュレーション・コンフィグレーションを設定します。

図 5. Link and Simulation Settingタブ

Link and Simulation Settingダイアログボックスには、次のフィールドが含まれています。

Data Rate

リンク・データレートは、Gbpsで指定されます。

Simulation Length

シミュレーション長は、指定されたデータレートで実行されるビット数で指定されます。シミュレーション長は、少なくとも4096ビットである必要があります。インテルは、最適な計算効率を得るために、長さを2のべき乗にすることをお勧めします。シミュレーション長は、Statisticalモードでは適用されません。

注: シミュレーション長は、最も近い2のべき乗に自動的に調整されます。

Target BER

ターゲットBER (ビット・エラー・レート) を使用して、低BER条件でのジッターとノイズを計算します。シミュレーション長がターゲットBERの逆数より大きい場合、リンク・パフォーマンスは直接評価および計算されます。シミュレーション長が指定されたターゲットBERの逆数よりも短い場合、Advanced Link Analyzerは特定のメソドロジーとアルゴリズムを使用してリンク・パフォーマンスを計算します。低BERでのジッターとノイズのメソドロジーは、HST Jitter and BER Estimator Tool User Guide for Stratix® IV GT and GX Devicesに記載されています。

Test Pattern

シミュレーションで使用するテストパターンを指定できます。次のテストパターンが使用可能です。

  • PRBS-7PRBS-9PRBS-11PRBS-15PRBS-23PRBS-31、および QPRBS13-CEI
    • PRBSテストパターンは、Advanced Link Analyzerのビルトインのパターン・ジェネレーターを使用して生成されます。
    • PRBSパターン全体がシミュレーション長よりも短い場合、PRBSパターンは反転および繰り返されます。反転は、生成されたPRBSテストパターンのDCバランスを達成するために適用されます。
    • PRBSパターンがシミュレーション長よりも長い場合、PRBSパターンの部分的なテストパターンが使用されます。PRBSテストパターン生成のデフォルトの初期条件は、有効なPRBSパターンのすべてのシフトレジスターでロジック1を使用することです。
    • 最も一般的に使用されるPRBSテストパターンは、Test Patternメニューに一覧表示されます。その他のPRBSテストパターンは、Pattern Designerで選択またはコンフィグレーションできます。
  • Pattern Designer - 独自のカスタム・テスト・パターンを指定できます。次の図は、Pattern Designerのユーザー・インターフェイスを示しています。

    図 6.  Advanced Link Analyzer Pattern Designer

    Pattern Designerには、次のテストパターン生成メソッドが含まれています。

    • PRBS - 一般的なPRBSテストパターンの広範なリストを提供します。カスタムPRBS多項式とシードを指定することもできます。内部リニア・フィードバック・シフト・レジスター (LFSR) エンジンは、この情報を使用して目的のテストパターンを生成します。その他のオプションには、シミュレーション長が生成されたテストパターンよりも長いまたは短い場合に、テストパターンを繰り返す方法、もしくは抽出する方法の選択が含まれます。部分的なテストパターンを選択するには、次の2つのオプションがあります。
      • Use First Part of Generated PRBS Sequence
      • Include Longest Run-Length Bit Sequence - 最長ランレングス・テスト・パターンは、テスト・ビット・シーケンスの終了部分にあります。
    • Consecutive Bit Patterns - 繰り返しパターンでテストパターンを定義します。
    • Clock - クロックに似たパターンを生成します。
    • All 1's - 通常は、コーダーまたはスクランブラーにフィードされるすべて1のテストパターンを生成します。
    • All 0's - 通常は、コーダーまたはスクランブラーにフィードされるすべてゼロのテストパターンを生成します。
    • Encoder and Scrambler - Advanced Link Analyzerは、次のエンコーダーとスクランブラーである8B/10B64B/66B64B/67B、および128B/130Bをサポートします。
  • Custom - オープンファイル・ダイアログ・ボタンをクリックして、カスタム・テスト・パターン・ファイルを選択します。
    図 7. カスタム・テスト・パターンのファイル・ブラウザー・ボタン

    カスタム・パターン・ファイルの形式は、次のとおりです。

    • Hexadecimal - 16進数文字列は、0x で始まります。例えば、PRBS-7テストパターンは、0x8cd501fbe7ae1ba62b05e3b64a4272d0で指定できます。カスタムファイル名には .hex 拡張子が必要です。
    • Binary - バイナリー文字列の形式は、「001000111…」などです。入力バイナリー文字列ファイルでは、空白文字と改行/改行を使用できます。カスタムファイル名には .bin 拡張子が必要です。
    注: カスタム・テスト・パターンの最大テキスト長は、262,142文字です (16進テキスト形式で約1Mビット、バイナリーテキスト形式で約246Kビット)。インテルは、特に長いカスタム・テスト・パターンの場合、テストパターン文字列 (16進数またはバイナリー) を、スペースを入れずに1行で指定することをお勧めします。カスタム・テスト・パターンが複数行のテキストで入力された場合、テキストパーサーでは、各テキスト行の改行または行末制御文字が、項目またはエントリーとしてカウントされます。

Modulation Scheme

Advanced Link Analyzerは、NRZおよびPAM4変調方式をサポートします。デバイスがサポートしている場合にのみ、PAM4を選択してください。

Forward Error Correction (FEC)

FECは、コーディング・スキームです。ビットエラーを回復するのに役立つ追加のコードワードがレシーバーによって使用され、データパターンをエンコードします。インテルArria 10、インテルStratix 10、およびインテルAgilexデバイスは、FECスキームをサポートしています。Advanced Link Analyzerは、FireCode、Reed-Solomon RS (528、514)、RS (544、514)、RS (272、258)、およびJESD204 FECモデルがサポートされています。FECがイネーブルになっている場合、Advanced Link Analyzerは追加のFEC関連の結果を生成します。デフォルトのFEC設定はOffです。

Reference Clock

トランスミッターに供給されるリファレンス・クロックを指定できます。サポートされているクロック周波数はMHzで表示されます。デフォルトでは、リファレンス・クロックはノイズやジッターがなく理想的であると想定されています。Reference Clock Optionをクリックして、リファレンス・クロックの特性をコンフィグレーションおよび指定できます。

注: リファレンス・クロックが理想的な場合 (デフォルト設定)、リファレンス・クロック周波数はシミュレーション結果に影響しません。

リファレンス・クロックは、フェーズ・ロック・ループ (PLL) モジュールをイネーブルするかどうかに関係なく、トランスミッターに供給することができます。トランスミッターPLLがディスエーブルになっている、もしくは存在しない場合は、リファレンス・クロックのノイズとジッターはシリアル出力信号に直接影響します。

整数PLLを使用すると、Advanced Link Analyzerは、データレートとリファレンス・クロック周波数の間の整数分周比をサポートします。比率が整数でない場合、リファレンス・クロック周波数は最も近い整数分周周波数に切り上げられます。シミュレーションで使用される実際のリファレンス・クロック周波数は、プルダウンメニューの横のメッセージボックスに表示されます。フラクショナルN PLLでは、フラクショナル分周比が許可されます。

インテル® Arria® 10 GX/SX/GT、 Stratix® V GT、 Stratix® V GX、および Arria® V GZデバイスなどの特定のトランスミッター・デバイスを使用したシミュレーションでは、サポートされるデータレートとリファレンス・クロックの分周比が制限されます。データレート、PLL分周比、およびリファレンス・クロック周波数の特定の組み合わせが見つからない場合は、シミュレーションで使用されるリファレンス・クロックをさらに調整できます。

一覧表示されているリファレンス・クロック周波数は、ほとんどのシリアル・リンク・プロトコルで一般的に使用されています。リストから正確なリファレンス・クロック周波数が見つからない場合は、次の手順でリファレンス・クロック周波数を追加できます。

  1. Advanced Link Analyzerを閉じます。
  2. Advanced Link Analyzerのインストール・ディレクトリーに移動します。通常、Advanced Link AnalyzerC:\intelFPGApro\<version number>\adv_link_analyzer\ にインストールされます。
  3. Database フォルダーのもとで、RefCLK_List.jnetxdata を見つけます。
  4. RefCLK_List.jnetxdata をローカル・ディレクトリー (通常は C:\Users\<Your User or Account Name>\AdvancedLinkAnalyzer\<current version>\Database\) にコピーします。
  5. 必要なリファレンス・クロック周波数を追加して、ファイルを編集します。
  6. 変更を保存して、エディターを終了します。
  7. Advanced Link Analyzerを再起動します。

Reference Clockオプション

リファレンス・クロック・オプションのユーザー・インターフェイスを使用すると、シミュレーションで使用されるリファレンス・クロックの特性をコンフィグレーションできます。リファレンス・クロックは、次の方法で指定できます。

  • Ideal Reference Clock - この設定で、リファレンス・クロックがノイズやジッターのない理想的なものになります。
    図 8. Ideal Reference Clock設定
  • Option 1: Reference Clock Jitter
    図 9. リファレンス・クロックOption1: Reference Clock Jitter

Option 1では、次のオプションを使用してリファレンス・クロックをコンフィグレーションします。

  • Random Jitter - 周波数範囲を指定します (ps単位)。
    注: インテルは、位相ノイズの最大周波数の範囲 (fMAX) をリファレンス・クロック周波数に設定することをお勧めします。fMAXがリファレンス・クロック周波数よりも低い場合、Advanced Link Analyzerは線形外挿を使用してfMAXでの位相ノイズを計算します。ただし、これは不正確な結果につながる可能性があります。
  • Periodic Jitter Type - 形状プロファイル、周波数 (Hz単位)、および振幅 (ps単位) を指定します。形状プロファイルは、次のとおりです。
    • Triangle
    • Hershey。プログラム可能なHershey形状パラメーターを備えています。
    • Sharkfin。プログラム可能なSharkfin形状パラメーターを備えています。
    • Sinusoidal
  • Spurs - 個々の周波数 (Hz単位) と振幅 (dBc単位) でクロック・スペクトル・スプリアスを指定します。例えば、リファレンス・クロックに3つのスプリアス (100 kHzで–110 dBc、1 MHzで–90 dBc、10 MHzで–80 dBc) がある場合、次のテキストをSpursテキストボックスに入力できます。
    100e3 -110
    1e6 -90
    10e6 -80
  • Spur Phase Offset

    Spur Phase Offsetプルダウンメニューを使用して、スプリアスノイズの初期位相を設定します。オプションは、次のとおりです。

    • Auto - Advanced Link Analyzerは、デフォルトの初期スプリアスノイズ位相を自動的に選択します。デフォルトの初期スプリアス位相は、0ラジアンです。
    • Random - Advanced Link Analyzerは、初期スプリアスノイズ位相をランダムに設定します。
    • Zero - Advanced Link Analyzerは、初期スプリアスノイズ位相を0ラジアンに設定します。
    • Specified - 振幅値の後に位相値を追加することにより、初期スプリアス位相を個別に手動で指定できます。次の例では、初期スプリアスノイズ位相が1.0、2.0、および3.0ラジアンであることを示しています。
      100e3 -110 1.0
      1e6 -90 2.0
      10e6 -80 3.0
  • Option 2: Phase Noise
    図 10. リファレンス・クロックOption 2: Phase Noise

Option 2は、次のオプションを使用してリファレンス・クロックをコンフィグレーションします。

  • Phase Noise - 位相ノイズ・プロファイルを使用して、リファレンス・クロック・ジッターを指定します。リファレンス・クロックの位相ノイズは、周波数と振幅で記述されたノイズ・パワー・スペクトルで指定されます。上の図では、測定されたリファレンス・クロック位相ノイズのデータセットを使用した位相ノイズ・プロファイルを示しています。
    注: インテルは、位相ノイズの最大周波数の範囲 (fMAX) をリファレンス・クロック周波数に設定することをお勧めします。fMAXがリファレンス・クロック周波数よりも低い場合、Advanced Link Analyzerは線形外挿を使用してfMAXでの位相ノイズを計算します。ただし、これは不正確な結果につながる可能性があります。
  • Spurs - 個々の周波数 (Hz単位) と振幅 (dBc単位) でクロック・スペクトル・スプリアスを指定します。例えば、リファレンス・クロックに3つのスプリアス (100 kHzで–80 dBc、1 MHzで–90 dBc、10 MHzで–96 dBc) がある場合、テキストボックスに次のテキストを入力できます。
    100e3 -80
    1e6 -90
    10e6 -96
  • Spur Phase Offset - Option 1 Reference Clock Jitterと同じです。
  • Periodic Jitter Type - Option 1 Reference Clock Jitterと同じです。
  • Plot / Update Plot - プロット領域に入力位相ノイズとスプリアスをプロットし、リファレンス・クロックの特性を確認できます。

リンク最適化手法

Advanced Link Analyzerでは、ユーザー指定によるリンク・コンフィグレーションを使用して、最適なトランスミッターとレシーバーのイコライゼーション設定を見つけることができます。

注: TX/RX結合リンク最適化機能は、Advanced Link Analyzerにおけるすべてのネイティブのインテル・デバイス・モデル、 Stratix® V GX/GT、 Arria® V GZ、インテルArria 10 GX/SX/GT、およびCustomトランスミッター/レシーバーでサポートされています。IBIS-AMIモデルのリンク最適化サポートは制限されています。
表 6.   Advanced Link Analyzerがサポートしているリンク動作モード

トランスミッター・モード

レシーバーモード

注記

Manual

Manual

TXとRX両方のイコライゼーションは手動で設定されます。

Auto /

Auto with Manual Starting Point

Manual

Advanced Link Analyzerは、最適なTXイコライゼーション設定を検出します。RX EQ設定は手動で設定されます。

Manual

Auto

TX EQは手動で設定されます。Advanced Link Analyzerは、最適なRX EQ設定を検出します。

Auto /

Auto with Manual Starting Point

Auto

Advanced Link Analyzerは、TXとRX EQ両方の設定を検出します。

Advanced Link Analyzerには、最適なリンク設定を見つけるための4つのリンク最適化手法があります。これには、特定のリンク・コンフィグレーションでのトランスミッターのプリエンファシスやレシーバーのCTLEおよびDFEなどがあります。

  • FIR=>CTLE=>DFE - (デフォルト) リンク・パフォーマンスを最適化します。これは、最適なトランスミッター設定、レシーバー・イコライゼーション設定、またはその両方を検出することで行います。この方法では、プリエンファシス、ディエンファシス、またはFIRベースなどのトランスミッターのイコライゼーションが、レシーバー・イコライゼーション・スキームよりも優先されます。ただし、最適化アルゴリズムは、最適なレシーバーのイコライゼーションを検出して使用することもできます。実際には、これは通常、チャネル補正の「重労働」のほとんどがトランシーバーのイコライゼーションによって実行されることを意味します。
  • FIR=>CTLE+DFE - FIR=>CTLE=>DFE方式を拡張します。これは、RX最適化の実行時にRX DFE (Decision Feedback Equalizer) をイネーブルすることで行われます。この方法では、(チャネル特性に応じて) CTLEからのチャネル補正を削減することにより、DFE機能を活用します。
  • CTLE=>FIR=>DFE - トランスミッターのイコライゼーションよりも、レシーバーのCTLE機能を優先します。チャネル補正のほとんどはレシーバーのCTLEによって実行されますが、TXイコライゼーションは必要に応じて追加の補正を提供します。RX DFEは最終段階で適応されます。この方法は、非IBIS-AMIデバイスでサポートされます。インテルのトランスミッターの場合、初期のTX FIRコンフィグレーションを手動で設定できます。そのため、初期条件が適切な場合、リンク最適化によりシミュレーション時間が短縮され、より優れたソリューションが得られます。
  • CTLE=>FIR+DFE - CTLE= FIR=>DFE方式を拡張します。これは、TXプリエンファシス/FIRとRX DFEを結合して最適化することで行われます。この方法により、TX FIRとRX DFEの間で同時最適化が可能になります。インテルのトランスミッターの場合、初期のTX FIRコンフィグレーションを手動で設定できます。そのため、初期条件が適切な場合、リンク最適化により、さらに優れたソリューションがより迅速に得られます。
  • CTLE=>FIR=>CTLE=>DFE - CTLE=>FIR=>DFE方式を拡張します。これは、FIR設定が検出された後に、追加のCTLE適応段階を実行することで行われます。
  • CTLE=>FIR+DFE=>CTLE+DFE - CTLE=>FIR+DFE方式を拡張します。追加のCTLE+DFE適応段階を実行することで行われます。
  • ALA-COM - COM (Channel Operating Margin) ベースの結合リンク最適化手法。これは、22.1のベータ機能であり、CustomおよびインテルAgilexトランシーバー・モデルのみをサポートします。

最適なリンク最適化手法を選択するには、次のガイドラインを使用してください。

  • FIR=>CTLE=>DFEは、ほとんどのアプリケーションまたはチャネルで、時間効率の良いリンク最適化を行うのに適しています。これは、Advanced Link Analyzerでのデフォルトのリンク最適化手法です。
  • ナイキスト周波数での挿入損失が25 dBを超える場合など、挿入損失が大きいチャネルでは、FIR=>CTLE=>DFEにより良好なカバレッジが提供されます。
  • インピーダンスの不連続性が強い場合は、CTLE=>FIR=>DFE方式とCTLE=>FIR=> CTLE=>DFE方式を使用すると、一般にパフォーマンスが向上します。
  • クロストーク・ノイズが大きい場合は、高損失チャネルならFIR=>CTLE+DFEを選択し、損失が中程度のアプリケーションならCTLE=>FIR+DFEおよびCTLE=>FIR+DFE=>CTLE+DFEを選択します。

注意:

  • Advanced Link Analyzerでは、上記のリンク最適化モードと方式で、選択されたIBIS AMIモデルのリンク最適化をサポートします。詳細については、IBIS-AMIモデルのサポートの項を参照してください。
  • トランスミッター・イコライゼーションのスイープ・シミュレーションの場合、Advanced Link Analyzerでは、 Advanced Link Analyzer Batch Simulation Controllerツールを使用したバッチ・シミュレーション機能を提供します。詳細については、 Advanced Link Analyzer Batch Simulation Controllerの項を参照してください。

リンク最適化のFOM

このメニューを使用して、シリアルリンクを最適化するための性能指数 (FOM) を選択します。AreaWidth、およびHeightの3つのオプションがあります。トランスミッターのプリエンファシス、ディエンファシス、およびレシーバーのイコライザーを含むシグナル・コンディショニング・メカニズムは、これらの選択を使用して波形を最適化します。これにより、面積、幅、または高さに関して最適なアイ・ダイアグラムの開口部が得られるようにします。

注: PAM4リンク・シミュレーションの場合、インテルは、HeightをFOMとして使用してより良い結果を得ることをお勧めします。ALA-COM方式はCOMをFOMとして使用するため、ユーザーの選択は無視されます。

コンプライアンス・マスク

Advanced Link Analyzerは、シミュレーションの完了後に、リンク・コンプライアンスのアイ・ダイアグラム・マスクをプロットします。コンプライアンス・マスクを使用して、特定の条件 (BERターゲットなど) で波形またはアイ・ダイアグラムがレシーバーの要件を満たしているかどうかを調べます。PCI Express 8GT/16GTおよび選択されたデバイスのレシーバーのアイマスクが提供されます。

注: インテルデバイスの場合、特定のデバイスを選択すると、レシーバーのアイマスクが自動的に選択されます。デバイスの種類に応じて、アイマスクはゼロ以外の値またはゼロの値を持つことができます。各デバイスのアイマスクの詳細については、 インテル® FPGAデバイス向けIBISモデルを参照してください。

Eye Diagram Mask Designer

Advanced Link Analyzerでは、リンク内のさまざまな位置でカスタムのアイ・ダイアグラム・マスク定義をサポートします。Eye Diagram Mask Designerオプションを選択すると、カスタムのアイ・ダイアグラム・マスク・コンフィグレーションのウィンドウが開きます。その後、アイ・ダイアグラム・マスクの次元を指定できます。カスタムのアイ・ダイアグラム・マスクがシミュレーションで使用されます。2つのアイ・ダイアグラム・マスク・タイプがサポートされています。トランスミッター出力、チャネル出力、レシーバーCTLE出力、およびリンク/レシーバー出力に対して、4つの異なるアイ・ダイアグラム・マスクを指定できます。各アイ・ダイアグラム・マスクは、個別にコンフィグレーションおよびイネーブルすることができます。

図 11. 六角形のアイ・ダイアグラム・マスク・エディター
図 12. ひし形のアイ・ダイアグラム・マスク・エディター

カスタム・アイ・ダイアグラム・マスクを保存して、後で使用するためにロードすることができます。

Project Name

Project Nameは、現在のタスク/プロジェクトのユーザー定義の名前です。現在、セッション名は、シミュレーション・コンフィグレーションが保存される際に保存されたユーザー・コンフィグレーション・ファイル名です。

注意:

  • シミュレーション結果は、同じプロジェクト名のディレクトリーに自動的に書き込まれます。
  • 出力ディレクトリーの位置は、次のいずれかとしてコンフィグレーションできます。
    • プロジェクト・コンフィグレーション・ファイル (.jne/.jneschm) と同じ位置 (これがデフォルトです)。
    • Systemオプションで指定した位置。詳細については、System Optionsの項を参照してください。
  • インテルは、プロジェクト名にスペース (または無意味な) 文字を含めないことをお勧めします。

シミュレーション・モード

Advanced Link Analyzerでは、シミュレーションとリンク解析の設定およびニーズを満たすために、3つのシミュレーション・モード (Statistical、Full Waveform、Hybrid) を提供します。Hybridモードがデフォルトです。

表 7.  シミュレーション・モードPDF = Probability Density Function
 

Statisticalモード

Full Waveformモード

Hybridモード (デフォルト)

Simulation Method

Statistical Method

Time-domain Method

Time-domain MethodおよびStatistical Method

Jitter Injection and Simulation

Statistical Domain (PDFベース)

Time Domain

Mixed Domain (Time DomainおよびPDFベース)

Noise Injection and Simulation

Statistical Domain (PDFベース)

Time Domain

Mixed Domain (Time DomainおよびPDFベース)

Simulation Speed

(指定されたBERターゲットを満たすため)

Fast

Slow

Optimal

Accuracy

Lower

Best

Optimal

Recommended Simulation Length

該当なし (統計モードでは、シミュレーション長を指定する必要はありません。)

>1,000,000ビット

60,000-1,000,000ビット

3つのシミュレーション・モードの詳細と比較については、次の論文を参照してください。

  1. Comparison of Two Statistical Methods for High-Speed Serial Link Simulation by M. Shimanouchi, M. Li, and H. Wu. DesignCon, 2013, Santa Clara, CA.
  2. Advancements in High-Speed Link Modeling and Simulation by M. Li, M. Shimanouchi, and H. Wu. IEEE Custom Integrated Circuits Conference, 2013.
  3. High-Speed Link Simulation Strategy for Meeting Ultra Long Data Pattern under Low BER Requirements by H. Wu, M. Shimanouchi, and M. Li, DesignCon, 2014, Santa Clara, CA.

出力オプション

  • Data Viewer - シミュレーションが完了すると、新規のAdvanced Link Analyzer Data Viewerが開き、結果が表示されます。シミュレーション結果は、後でAdvanced Link Analyzer Data Viewerを使用し、ロードおよび表示できます。
  • Data Viewer with Image Output - シミュレーションが完了すると、すべてのシミュレーション結果もドキュメントで使用できるイメージファイルとして保存されます。Advanced Link Analyzerでは、PNG、JPEG、GIFの3つのイメージ出力オプションをサポートしています。保存されたイメージは、各プロジェクトのシミュレーション結果と同じディレクトリーにあります。

テスト・ポイント・オプション

Advanced Link Analyzerでは、次のデフォルトのテスト・ポイント・オプションを提供します。

  • Data Latch Only - データラッチでのシミュレーション結果が保存および表示されます。データラッチは、リンクまたはデバイスのコンフィグレーションに応じて、DFE出力、CTLE出力、またはレシーバーの入力段階に配置できます。カスタム・テスト・ポイントとテストポイントでのシミュレーション結果は表示されません。
    注: シミュレーション長が100万ビットを超える場合は、Data Latch Onlyモードを使用して全体のシミュレーション時間を短縮することをお勧めします。
  • TX/Channel/CTLE-/DFE-Latch - Advanced Link Analyzerは、リンクに対して最大4つのテストポイントを自動的に設定します。
    • Transmitter output - (デフォルトのオプション) トランスミッター・パッケージ・モデルが存在する場合 (例えば、インテルデバイスや PCI Express* 8GTのようにパッケージモデルが組み込まれている場合) または外部の場合 (例えば、「Custom」パッケージのオプションを使用する場合)、出力は、パッケージモデルの後に表示されます。パッケージモデルが存在しない場合、出力はトランスミッター出力に表示されます。
    • Channel output - 2番目のテストポイントはチャネルの最後にあります。
    • CTLE output— レシーバーCTLEをイネーブルすると、3番目のテストポイントはCTLEの出力になります。
    • DFE output - 4番目のテストポイントは、レシーバーDFEの出力にあります。
    注: このテスト・ポイント・オプションでは、カスタム・テスト・ポイントは無視されます。
  • Custom Test Point and Data Latch - Advanced Link Analyzerは、カスタム・テスト・ポイントと最終データ・ラッチ・ポイントで出力をプロットします。

プローブの種類

Advanced Link Analyzerでは、次の2種類のプローブを提供します。

  • Ideal - 理想的なプローブでは、波形、信号、またはアイ・ダイアグラムは、リンクがプローブ位置で理想的な50 Ω終端で終端されていると仮定してプロットされます。
  • High-Impedance - ハイインピーダンス・プローブを使用すると、プローブの位置を検出するハイインピーダンス・プローブをエミュレートすることによって、波形、信号、またはアイ・ダイアグラムがプロットされます。

ジッター解析オプション

Advanced Link Analyzerでは、指定されたテストポイントの波形に対してNRZ変調方式を使用して、リンクのジッター分解と解析を実行できます。PAM4リンクの場合、PAM4 Jnu/Jrms/EOJ方式を使用して、ジッター解析が実行されます。詳細については、Jnu/Jrms/EOJ解析 を参照してください。

  • Disable - ジッター解析がディスエーブルになります。
  • Jitter Component - 独自のアルゴリズムを使用して、Advanced Link Analyzerは、シミュレートされた波形のタイム・インターバル・エラー (TIE) のレコードに対して、一連のスペクトルおよび確率密度関数 (PDF) 解析を実行します。次の図に示すように、ジッター分解アルゴリズムはさまざまなジッター成分を抽出します。
図 13.  Advanced Link Analyzerのジッター解析機能でサポートされているジッター成分

次の図では、ジッター分解プロセス (概念) を示します。

図 14. ジッター分解プロセス (概念)

次のジッター成分が抽出および報告されます。

  • PJ - 周期ジッター (ピーク-ピーク)
  • DCD - デューティー・サイクル歪み (ピーク-ピーク)
  • ISI - シンボル間干渉 (ピーク-ピーク)
  • BUJ - 有界無相関ジッター (ピーク-ピーク)
  • RJ-RMS - ランダムジッター (RMS)
注:
  • ジッター解析は、Hybridシミュレーション・モードでのみ使用可能です。現在、ジッター分解はNRZ変調方式のみをサポートしています。
  • ジッター解析は、時間のかかるプロセスです。インテルは、一般的なリンク・シミュレーションでは、この機能をディスエーブルすることをお勧めします。