インテル® Quartus® Primeプロ・エディション・ユーザーガイド: 消費電力の解析と最適化

ID 683174
日付 4/01/2019
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ドキュメント目次

2.4.4. I/O消費電力のガイドライン

Power Analyzerは、Device and Pin OptionsダイアログボックスのCapacitive LoadingページでI/O Standardに設定されているデフォルトの容量性負荷を使用しI/Oの消費電力を計算します。ボードトレース・モデルで定義されている他のコンポーネントはいずれも、消費電力測定に考慮されません。

非終端I/O Standard

LVTTLやLVCMOSなどの非終端I/O Standardは、レールツーレールの出力振幅を持っています。出力ピンのロジックHighとロジックLow信号の電圧差は、VCCIO電源電圧に等しくなります。出力ピンの容量性負荷がわかっている場合、次の式によってI/Oバッファーで消費される動的電力が決まります。

この式において
  • Fは出力遷移周波数です。
  • Cはスイッチングされる総負荷容量です。
  • VはVCCIO電源電圧に等しくなります。
VCCIOへの二次依存により、低電圧のStandardが消費する動的電力は非常に少なくなります。

トランジスター間ロジック (TTL) I/Oバッファーは、静的電力をほとんど消費しません。そのため、LVTTLまたはLVCMOS出力が消費する総電力は、負荷とスイッチング周波数に大きく依存します。

抵抗で終端処理されるI/O Standard

SSTLやHSTLのように抵抗で終端処理されるI/O Standardでは、出力負荷電圧はバイアス点を中心にわずかに振幅します。上記の動的消費電力の計算式は同様に有効ですが、Vは実際の負荷電圧振幅になります。この電圧はVCCIOよりもはるかに小さいため、同様の条件下において非終端I/Oと比較すると、動的消費電力は低くなります。

I/Oバッファーは抵抗で終端されるネットワークに常に電流を流しているため、抵抗で終端処理されたI/O Standardはかなりの静的 (周波数に依存しない) 電力を消費します。ただし、これらのI/O Standardの動的消費電力は少ないため、高周波アプリケーションでは多くの場合、LVCMOSやLVTTLよりも総消費電力が低くなります。ベスト・プラクティスとして、抵抗で終端処理をするStandardを使用する場合は、速度要件および波形要件を満たす必要最低限のドライブ強度のI/O設定を選択し、I/Oの消費電力を最小限に抑えます。

未使用のI/Oバンクを可能な限り低いVCCIO電圧に接続することで、少量の静的消費電力を削減することができます。