AN 886: インテル® Agilex™ デバイスのデザイン・ガイドライン

ID 683634
日付 1/07/2022
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ドキュメント目次

5.1.7.1.3. FPGA I/Oを介して接続したPHYインターフェイス

FPGA I/OをHPS EMAC PHYインターフェイスに対して使用することが役立つのは、PHYインターフェイスに対応するのに十分な余裕がない場合や、HPS EMACでネイティブにサポートされていないPHYインターフェイスに適応させたい場合です。

ガイドライン: HPSコンポーネントをプラットフォーム・デザイナーでコンフィグレーションするときに、PHYインターフェイスの送信クロック周波数を指定します。

GMIIまたはMIIのいずれについても、他のPHYインターフェイスへの適合を含め、HPS EMAC PHYインターフェイスの最大送信パスクロック周波数を指定します。GMIIの場合は125MHz、MIIの場合は25MHzです。このコンフィグレーションにより、適切なクロックタイミング制約が、プラットフォーム・デザイナーシステム生成時にPHYインターフェイスの送信クロックに対して適用されます。

GMII/MII

GMIIおよびMIIは、 インテル® Agilex™ デバイスでのみ使用可能です。これには、EMAC信号をFPGAコアの配線ロジックに駆動し、最終的にFPGA I/OピンまたはFPGAコアの内部レジスターに駆動します。

ガイドライン: タイミング制約を適用し、タイミング・アナライザーでタイミングを検証します。

配線遅延は、FPGAコアとI/O構造で大きく異なる可能性があるため、タイミングレポートを読み、特にGMIIの場合はタイミング制約を作成することが重要です。GMIIには125MHzのクロックがあります。また、RGMIIとは異なり、GMIIはシングル・データ・レートです。ただし、GMIIには、CLK-to-DATAスキューの場合と同様の考慮事項はありません。GMIIの信号は、ネガティブエッジで起動され、立ち上がりエッジでキャプチャされることにより、デザインによって中央に自動配置されます。

ガイドライン: インターフェイスI/OをFPGA I/O境界で登録します。

コアおよびI/Oの遅延は、8nsを簡単に超えるため、 インテル® では、これらのバスをI/O Element (IOE) レジスターの各方向に登録することをお勧めします。そうすることで、バスは、コアFPGAロジック・ファブリックを移動する際に、整列したままになります。送信データおよび制御では、clock-to-data/control 関係を維持します。これには、これらの信号をHPS EMACからの emac[0,1,2]_gtx_clk 出力の立ち下がりエッジでラッチします。受信データおよび制御のラッチは、PHYから供給される RX_CLK の立ち上がりエッジ上のFPGA I/O入力で行います。

ガイドライン: MIIモードでの送信タイミングを検討します。

MIIは、PHYが100Mbpsモードの場合は25MHzで、PHYが10Mbpsモードの場合は2.5MHzです。そのため、最短クロック周期は40nsです。PHYにより、送信と受信の両方向のクロックが供給されます。送信タイミングは、PHYによって提供される TX_CLK クロックを基準とするため、ターンアラウンド・タイムが気になるかもしれませんが、クロック周期が40nsと長いため、通常これは問題にはなりません。

リファレンス・クロックは、FPGAを介して送信されてからデータ用に出力されます。15nsの入力セットアップ時間があるため、往復遅延は25ns未満でなければなりません。送信データおよび制御のFPGAファブリックへの起動は、PHYによって供給される TX_CLK のネガティブエッジのHPS EMAC送信パスロジックによって行われます。これにより、40nsのクロックからセットアップまでのタイミングバジェットのうち20nsが取り除かれます。

データ到着タイミングの往復クロックパス遅延により、PHYからSoCボードへの伝搬遅延が発生します。また、SoCピンからHPS EMAC送信クロック・マルチプレクサを介した内部パス遅延によって、残りの20nsのセットアップ・タイミング・バジェットが取り除かれます。このため、FPGAファブリック内の phy_txclk_o クロック出力レジスターの立ち上がりエッジに対する送信データおよび制御のリタイミングが、MIIモードの送信データおよび制御のために必要になる場合がありますす。

RGMIIへの適合

インテル® Agilex™ SoCデバイスでは、FPGA I/Oピンを使用したHPS EMAC信号のRGMIIへの適合はサポートしていません。

RMIIへの適合

MII HPS EMAC PHY信号をFPGA I/OピンのRMII PHYインターフェイスに適合させることができます。これには、FPGAのロジックを使用します。

ガイドライン: 50MHz REF_CLK ソースを提供します。

RMII PHYでは、単一の50MHzリファレンス・クロック (REF_CLK) を使用してデータの送受信と制御の両方を行います。50MHzの REF_CLK の提供には、ボードレベルのクロックソース、FPGAファブリックから生成されたクロック、または REF_CLK の生成が可能なPHYから生成されたクロックを使用してください。

ガイドライン: 送受信データおよび制御パスを適合させます。

FPGAファブリックで公開されるHPS EMAC PHYインターフェイスはMIIです。これには、2.5MHzと25MHzの送信および受信クロック入力が、それぞれ10Mbpsと100Mbpsの動作モードに対して個別に必要です。送信データパスおよび受信データパスは、どちらも4ビット幅です。RMII PHYでは、送信と受信の両方のデータパスに対して、10Mbpsと100Mbpsの両方の動作モードで、50MHzの REF_CLK を使用します。RMIIの送信および受信データパスは2ビット幅です。10Mbpsでは、送受信データおよび制御は、50MHzの REF_CLK の10クロックサイクルの間は安定して保持されます。FPGAファブリックの適合ロジックを提供して、HPS EMAC MIIインターフェイスと外部RMII PHYインターフェイスとの間で適合させてください。つまり、25MHzおよび2.5MHzの4ビットと50MHzの2ビットとを適合させます。10Mbpsモードでは、10倍のオーバーサンプリングを行います。

ガイドライン: HPS EMAC MIIの tx_clk_in クロック入力にグリッチのないクロックソースを提供します。

HPSコンポーネントのMIIインターフェイスには、emac[0,1,2]_tx_clk_in 入力ポートに2.5/25MHzの送信クロックが必要です。2.5MHzと25MHzとの間の切り替えは、HPS EMACの要求に従って、グリッチなしで実行する必要があります。FPGA PLLを使用して、2.5MHzと25MHzの送信クロック、および ALTCLKCTRL IPブロックを提供し、カウンター出力の選択をグリッチなしで行います。

SGMIIへの適合

GMII-to-SGMII Adapterコアを使用して、FPGAトランシーバーI/Oピンで、GMII HPS EMAC PHY信号をSerial Gigabit Media Independent Interface (SGMII) PHYインターフェイスに適合させます。これには、FPGAのロジックとマルチ・ギガビット・トランシーバーI/O をソフトCDRモードで使用します。この適合には、カスタムロジックをデザインすることもできますが、このセクションでは、プラットフォーム・デザイナーのアダプターIPの使用方法を説明します。

ガイドライン: プラットフォーム・デザイナーのGMII-to-SGMII Adapter IPを使用します。

HPSコンポーネントをプラットフォーム・デザイナーでEMAC 「To FPGA」 I/Oインスタンス向けにコンフィグレーションし、GMIIをPHYインターフェイス・タイプおよび管理インターフェイスとして選択します。結果として得られるプラットフォーム・デザイナーのHPSコンポーネントGMII信号はエクスポートしないでください。代わりに、Intel GMII-SGMII Adapter IPをプラットフォーム・デザイナーサブシステムに追加し、HPSコンポーネントのGMII信号に接続します。GMII to SGMII Adapter IPでは、プラットフォーム・デザイナーのIntel HPS EMAC Interface Splitter IPを使用し、「emac」 コンジットをHPSコンポーネントから分割して、GMII-SGMII Adapterで使用できるようにします。このアダプターIPでは、1000BASE-X/SGMII PCS PHY専用モード (つまり、ソフトMACコンポーネントなし) でコンフィグレーションされたIntel Triple Speed Ethernet (TSE) MAC IPをインスタンス化します。Intel GMII to SGMII Adapter IPの使用方法に関する詳細は、エンベデッド・ペリフェラルIPユーザーガイド を参照してください。