1.3.2. ビア・キャプチャ・パッドのレイアウトと寸法
ビア・キャプチャ・パッドのサイズとレイアウトは、エスケープ・ルーティングに使用できるスペースの大きさに影響を与えます。通常、レイアウトはキャプチャパッドを介して次の2つの方法で行います。
- 表面ランドパッドの水平線上に配置
- 表面ランドパッドの対角線上に配置
ビア・キャプチャ・パッドの配置を表面ランドパッドに対して対角線上にするか、または水平線上にするかは、次の点を基準に判断します。
- ビア・キャプチャ・パッドの直径
- ストリンガーの長さ
- ビア・キャプチャ・パッドと表面ランドパッド間の間隔
図 9および表 5 を使用し、1.00 mmピッチBGAパッケージのレイアウトのガイドをNSMDランドパッドを使用して行います。
お使いのPCBのデザイン・ガイドラインが次の表のどの計算式にも準拠していない場合は、 Intel® Premier Supportにお問い合わせください。
レイアウト | 計算式 |
---|---|
水平線上に配置 | a + c + d <= 0.53 mm |
対角線上に配置 | a + c + d <= 0.94 mm |
表 5 で示す通り、より大きいサイズのビア・キャプチャ・パッドの配置は、表面ランドパッドに対して水平線上ではなく対角線上に行います。
図 10および表 6 を使用して、0.80 mmピッチU BGAパッケージのレイアウトのガイドをNSMDランドパッドを使用して行います。
お使いのPCBのデザイン・ガイドラインが次の表のいずれの計算式にも準拠していない場合は、mySupportにお問い合わせください。
レイアウト | 計算式 |
---|---|
水平線上に配置 | a + c + d <= 0.46 mm |
対角線上に配置 | a + c + d <= 0.68 mm |
表 6 で示す通り、より大きいサイズのビア・キャプチャ・パッドの配置は、表面ランドパッドに対して水平線上ではなく対角線上に行います。
0.5 mmピッチの場合、インテルでは、パッド内の0.10 mmビアドリルのマイクロビア技術を使用し、内側の層にトレースを配線することをお勧めします。
0.4 mmピッチの場合、インテルでは、パッド内の0.10 mmビアドリルのマイクロビア技術を使用し、内側の層にトレースを配線することをお勧めします。
ビア・キャプチャ・パッドのサイズもまた、PCB上で配線できるトレース数に影響します。図 13 で示すのは、標準およびプレミアムタイプのビア・キャプチャ・パッドのレイアウト例です。標準レイアウトで示しているのは、ビア・キャプチャ・パッドのサイズが0.660 mm、ビアのサイズが0.254 mm、そして内部スペースとトレースが0.102 mmです。このレイアウトでは、ビア間に配線できるトレースは1つだけです。さらにトレースが必要な場合は、ビア・キャプチャ・パッドのサイズまたはスペースとトレースのサイズを小さくしてください。
プレミアムタイプのレイアウトで示しているのは、ビア・キャプチャ・パッドのサイズが0.508 mm、ビアのサイズが0.203 mm、そして内部スペースとトレースが0.076 mmです。このレイアウトでは、十分なスペースを確保して、ビア間に2つのトレースを配置しています。
次の表に示すのは、1.00 mmフリップチップBGA用標準およびプレミアムタイプのレイアウトであり、ほとんどのPCBベンダーで使用されています。
仕様 | 標準 (mm) | プレミアム (mm) 基板厚 > 1.5 mm | プレミアム (mm) 基板厚 > 1.5 mm |
---|---|---|---|
トレースおよびスペース幅 | 0.1/0.1 | 0.076/0.076 | 0.076/0.076 |
ドリル穴径 | 0.305 | 0.254 | 0.150 |
仕上げ後のビア直径 | 0.254 | 0.203 | 0.100 |
ビア・キャプチャ・パッド | 0.660 | 0.508 | 0.275 |
アスペクト比 | 7:1 | 10:1 | 10:1 |
図 14 で示すのは、標準およびプレミアムタイプのビア・キャプチャ・パッドのレイアウト例です。標準レイアウトで示しているのは、ビア・キャプチャ・パッドのサイズが0.495 mm、ビアのサイズが0.254 mm、そして内部スペースとトレースが0.102 mmです。このレイアウトでは、ビア間に配線できるトレースは1つだけです。さらにトレースが必要な場合は、ビア・キャプチャ・パッドのサイズまたはスペースおよびトレースのサイズを小さくしてください。
プレミアムタイプのレイアウトで示しているのは、ビア・キャプチャ・パッドのサイズが0.419 mm、ビアのサイズが0.165 mm、そして内部スペースおよびトレースが0.076 mmです。このレイアウトでは、十分なスペースを確保して、ビア間に2つのトレースを配置しています。
次の表に示すのは、0.80 mm UBGA用標準およびプレミアムタイプのレイアウト仕様であり、ほとんどのPCBベンダーで使用されています。
仕様 | 標準 (mm) | プレミアム (mm) 基板厚 > 1.5 mm | プレミアム (mm) 基板厚 <= 1.5 mm |
---|---|---|---|
トレースおよびスペース幅 | 0.1/0.1 | 0.076/0.076 | 0.076/0.076 |
ドリル穴径 | 0.381 | 0.330 | 0.254 |
仕上げ後のビア直径 | 0.254 | 0.165 | 0.127 |
ビア・キャプチャ・パッド | 0.495 | 0.419 | 0.381 |
アスペクト比 | 8:1 | 25:1 | 12:1 |
図 15 で示すのは、ビア・キャプチャ・パッドの標準レイアウト例です。標準レイアウトでは、ビア・キャプチャ・パッドのサイズが0.25 mm、ビアサイズが0.10 mm、そして内部スペースおよびトレースが0.068 mmです。
次の表に示すのは、0.50 mm MBGAの標準およびプレミアムタイプのレイアウトであり、ほとんどのPCBベンダーで使用されています。
仕様 | 標準 (mm) |
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トレースおよびスペース幅 | 0.086 |
仕上げ後のビア直径 | 0.10 |
ビア・キャプチャ・パッド | 0.25 |
図 16 で示すのは、代表的なビア・キャプチャ・パッドのレイアウト例です。標準レイアウトでは、ビア・キャプチャ・パッドのサイズが0.25 mm、ビアのサイズが0.10 mmです。0.40 mmピッチの場合、コンポーネント層にトレースを配線する十分なスペースがありません。理由は、最小トレース幅が0.075 mm、トレースとパッド間の最小ギャップが0.086 mmであるためです。
ドリルのサイズ、ビアのサイズ、スペースおよびトレースのサイズ、またはビア・キャプチャ・パッドのサイズに関する詳細は、各PCBベンダーに直接お問い合わせください。